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相続登記には期限も義務もないが、登記しないとリスクがある!

相続登記の期限はいつまでですか?という質問をされることがあります。 表題のとおり、相続登記に期限はありませんが、登記しないことによるリスクはあります。 この記事では、この点について、丁寧に説明します。 是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、公開日(2019年12月23日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

相続登記には期限も義務もない

相続登記は、今のところ義務ではなく、期限もありません。 ただし、義務化については議論が進んでおり、早ければ、2020年の臨時国会に義務化のための改正法案が提出され、これが可決・成立すれば、義務化される可能性があります。

相続登記をしないリスク

義務でなければ、相続登記をせずに、費用を節約しようと考える人もいるかもしれません。 しかし、相続登記をしないでいると、次の4つのリスクがあります。
  • 他の相続人の持分を差し押さえられたり、売却されたりするおそれがある
  • 不動産の売却・担保設定ができない
  • 権利関係が複雑になる
  • 次の相続時に2倍の費用がかかる可能性がある
以下、それぞれについて説明します。  

他の相続人の持分を差し押さえられたり、売却されたりするおそれがある

相続登記をしていなければ、他の相続人の債権者等から家を差し押さえられるおそれがあります。 家などの相続財産は、遺産分割が済むまでは、すべての相続人が相続分に応じて共有している状態です。 遺産分割協議で誰がどの財産を取得するかを決めて遺産分割を行うと、協議で決まった相続人がその財産を取得することになります。 しかし、家を取得した相続人は、登記しなければ、その家についての権利を第三者に対して主張することはできません。 登記を行っていない状態は、第三者から見れば、まだ遺産分割が済んでいない共有状態になるのです。 ですので、他の相続人の債権者は、その相続人が債務を弁済しない場合は、相続財産についてのその相続人の持分を差し押さえることができることがあるのです。 また、他の相続人に債務がある場合だけでなく、他の相続人が勝手に共有登記をして共有持分を売却することもできてしまいます。 そうすると、どちらにせよ、見ず知らずの人と不動産を共有している状態になってしまいます。 この状態を解消して不動産を単独で所有するには、共有持分を買い取ることになるでしょう。 共有持分の買い取りに要した費用は、債務者であった相続人に求償することができますが、差し押さえを受けるくらいなので、求償に応じる程の資力がなく、回収することは難しいでしょう。 このように、相続登記をしていないと、余計な出費がかかるおそれがあります。 相続登記の手続きは理解の難しい仕組みや制度がたくさんあります。正しく、そして不利益が出ないようにするために、ぜひ専門家に相談してみることをご検討ください。

不動産の売却・担保設定ができない

登記をしていないと、相続した家を売却したり、家に担保権を設定したりすることができません。 それでは、売却したり、担保権を設定したりする時に、登記をすればよいではないかと思われるかもしれませんが、それは、お勧めできません。 その理由は2つあります。ひとつは、前述の通り、その間に家を差し押さえられるおそれがあるからで、もうひとつは、登記をしようと思った時には、権利関係が複雑化して、相続登記をすることが大変になっていることがあるからです。

権利関係が複雑になる

登記をしようと思った時には、権利関係が複雑化して、登記をすることが大変になっていることがあるとはどうことでしょうか? 例えば、被相続人(亡くなった人)の妻Aと被相続人の姪Bが共同相続人のケースで、遺産分割協議で家をAが取得することになったとします。 Aが登記を行わずにいたところ、Bが亡くなり、Bの夫Cが家を相続したとします。 その後、Cも亡くなり、Cの甥姪DEFGHIJK7人がCの財産を相続したとします。 その後、Aは家を売却するために、登記を行おうとしても、そのためには、被相続人の姪の夫の甥・姪という見ず知らずのDK7人の同意が必要になります。 その7人が気の良い人たちであれば、同意してくれるかもしれませんが、お金に困っていたりすると、同意に応じる代償としてのハンコ代を求めたり、共有持分の買い取りを請求することも考えられます。

次の相続時に2倍の費用がかかる可能性がある

相続登記をしないと、その人が相続登記費用を節約できても、その人の相続人が、その人の分まで相続登記費用を負担しなければならない可能性があります。 どういうことかというと、例えば、家の所有者が亡くなって(一次相続)、相続人がその家について登記をしないまま亡くなったとします(二次相続)。 二次相続の相続人が登記をする場合には、一次相続の登記と二次相続の登記の2回分の登記をしなければならず、倍の費用がかかってしまうのです。 したがって、相続登記費用の節約のために登記をしないということは、次の世代に自分の分の登記費用を押し付けているという言い方もできます。 なお、201841日から、2021331日までの時限措置として、一代前の登記にかかる登録免許税を免税にする特例がスタートしていますので、当該措置の適用が受けられれば、必ずしも2倍の費用がかかるというデメリットが当てはまらない場合もあります(詳しくは「相続登記の登録免許税の免除・免税措置と計算方法をわかりやすく説明」の「相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置」の項目参照)。

相続不動産の売却は相続後310か月以内がお得

相続不動産の売却する場合は、相続開始後310か月以内にすると譲渡所得税が安くなる特例を受けられる可能性があります。 したがって、この特例を受けたい場合は、相続登記についても、遅くとも売却までに済ませなければなりません(登記しないと売却できないので)。 なお、この特例について詳しくは「取得費加算の特例を受けて譲渡所得税を軽減させる方法」をご参照ください。

相続登記の手続き

相続登記の手続きについて詳しくは相続登記を自分でスムーズに行うため全知識と司法書士報酬の相場をご参照ください。

まとめ

以上、相続登記の期限について説明しました。 相続登記は、司法書士に依頼することで簡単に済ませることができます。 遺産分割協議が調ったら、先延ばしせずに、早めに済ませてしまうことをお勧めします。

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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