税理士監修記事

土地の贈与税はいくら?計算方法と贈与税がかからない方法を紹介!

土地を贈与する際や贈与を受ける際に気になるのが「贈与税がいくらかかるのか」ということでしょう。

この記事では、土地にかかる贈与税について、贈与する人も贈与を受ける人も知っておくべき知識について、わかりやすく説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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贈与税は誰にかかる?

贈与税がかかる人(贈与税の納税義務者)は贈与を受けた人(受贈者)です。

贈与税の課税方式

贈与税の課税方式には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2があり、贈与を受けた人が、どちらの方式で贈与税を計算するかを贈与者ごとに贈与税の申告時に選択することができます(ただし、一度、相続時精算課税を選択した贈与者からの贈与については翌年以降暦年課税を選択することはできません)。

暦年課税方式では、贈与税は、一人の人が11日から1231日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。

例えば、ある人(Aさん)が、ある年に、父から1000万円の土地、祖父から1000万円の現金の贈与を受けたとします。

そうすると、その年にAさんには「1000万円+1000万円-110万円=1890万円」に対して贈与税がかかります。

つまり、土地であろうが現金であろうが財産の種類は関係なく、贈与を受けた財産の価額を合算した額に対して贈与税がかかるのです。

相続時精算課税については後述します。

暦年課税方式による贈与税の計算方法

暦年課税方式による贈与税の税率は、特例贈与財産と一般贈与財産とで異なり、特例贈与財産の方が税率が低く設定されています。

特例贈与財産とは、直系尊属(親や祖父母等)から、贈与を受けた年の11日時点で20歳以上の直系卑属(子や孫等)への贈与財産のことで、一般贈与財産とは、特例贈与財産に該当しない財産のことです。

一般贈与財産用の税率(一般税率)の速算表は次のとおりです。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超300万円以下 15% 10万円
300万円超400万円以下 20% 25万円
400万円超600万円以下 30% 65万円
600万円超1000万円以下 40% 125万円
1000万円超1500万円以下 45% 175万円
1500万円超3000万円以下 50% 250万円
3000万円超 55% 400万円

特例贈与財産用の税率(特例税率)の速算表は次のとおりです。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超400万円以下 15% 10万円
400万円超600万円以下 20% 30万円
600万円超1000万円以下 30% 90万円
1000万円超1500万円以下 40% 190万円
1500万円超3000万円以下 45% 265万円
3000万円超4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円

例えば、30歳のAさんが、ある年の1年間に父母や祖父母といった直系尊属から受けた贈与の総額が1000万円であったとします。

Aさんは、どの贈与者からの贈与についても暦年課税を選択したとします。

1000万円から暦年課税の基礎控除額110万円を控除すると、「1000万円-110万円=890万円」となります。

贈与を受けた年の11日時点で20歳以上の人が直系尊属から贈与された財産は特例贈与財産に該当するので、特例税率の速算表に沿って贈与税額を計算します。

890万円は、「600万円超1000万以下」に該当するので、税率30%と控除額90万円を適用します。

そうすると、「890万円×30%90万円=177万円」が贈与税額となります。

少し複雑なケースについても説明します。

Aさんは、ある年の1年間に、直系尊属から600万円、直系尊属以外の人から400万円、合計1000万円の贈与を受けたとします。

この場合は、特例贈与財産と一般贈与財産の両方があることになります。

その場合は、次の手順で計算します。

  1. すべての財産を「一般税率」で計算した税額に占める「一般贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
  2. すべての財産を「特例税率」で計算した税額に占める「特例贈与財産」割合に応じた税額を計算します。
  3. 1で算出した税額と、2で算出した税額を合計して、贈与税額を計算します。

12はどちらを先に計算しても構いません。

上記の事例をこの計算手順に当てはめて計算してみましょう。

まず、1の税額を計算します。

最初に、すべての財産を一般税率で計算します。

基礎控除後の課税価格890万円(=1000万円-110万円)を一般税率の速算表に当てはめると、600万円超1000万円以下の行を見ればよいので、税率が40%で、控除額が125万円であることが分かります。

そうすると、すべての財産を一般税率で計算した税額は、「890万円×40%125万円=231万円」となります。

そして、この231万円に占める一般贈与財産の割合に応じた税額を計算します。

Aさんがその年に贈与を受けた1000万円のうち、一般贈与財産は、直系尊属以外の人から受けた400万円なので、1の税額は、「231万円×400万円/1000万円=924千円」となります。

続いて、2の税額も同様に計算すると、「177万円×600万円/1000万円=1062千円」となります(177万円は、特例税率の速算表に沿って「890万円×30%90万円=177万円」と計算できます)。

3に進んで、Aさんがその年に納めるべき贈与税額は、「924千円+1062千円=1986千円」となります。

土地の評価方法

贈与税の計算をするに当たって、贈与を受けた財産の価額の評価が必要です。

土地の価額は、相続税評価額で評価します。

土地の評価方法について詳しくは、「相続税を計算する際の土地の評価方法についてわかりやすく説明!」をご参照ください。

贈与を受けた土地に贈与税がかからないケース

次のような場合は、贈与税がかからないか、または、贈与税額が軽減されます。

  • 1年間に贈与を受けた財産の価額が110万円以下の場合
  • 贈与者が法人の場合
  • 贈与を受けた年に贈与者の相続が開始した場合
  • 「住宅取得資金贈与の非課税」の適用を受けた場合
  • 「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」の適用を受けた場合
  • 相続時精算課税方式を選択した場合
  • 離婚時に財産分与した場合

以下、それぞれについて説明します。

1年間に贈与を受けた財産の価額が110万円以下の場合

前述のとおり、1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。

土地の場合は、評価額が110万円を超えることが多いと思われますが、その場合でも、持分を分けて贈与することによって、1年間当たりの贈与額を110万円以下に抑えることができます。

例えば、評価額が2200万円の土地であれば、20分の1ずつの持分を毎年贈与することで、贈与税がかからなくなります。

しかし、贈与契約書を毎年作成して贈与しても、贈与による持分の変動を毎年登記しなければ、贈与の成立を税務署に認めてもらうことは難しいでしょう。

贈与の成立が認められなければ、贈与したつもりの土地の所有権は元の所有者の元に留まったままであり、相続が開始されれば相続税の対象となってしまいます。

かといって、毎年贈与契約書を作成して持分変動を登記するとなると、司法書士報酬・登記費用等それなりの費用と手間がかかります。

税理士に相談のうえ、検討するとよいでしょう。

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贈与者が法人の場合

法人からの贈与には贈与税はかかりません。

贈与を受けた年に贈与者の相続が開始した場合

贈与を受けた年に贈与者が亡くなった場合は、贈与を受けた財産は、贈与税ではなく、相続税がかかります。

「住宅取得資金贈与の非課税」の適用を受けた場合

「住宅取得等資金の贈与税の非課税」とは、父母や祖父母等の直系尊属から、自分が住むための家の新築、取得、増改築等(そのための土地の取得も含まれます)のためのお金を贈与された場合で、一定の要件を満たすときに、法律で定められた非課税限度額まで、贈与税を非課税にするという制度です。

非課税限度額は、家屋の種類(省エネ等住宅かどうか)、契約締結日、消費税率によって異なります。

なお、契約締結日とは、家屋を建築するための請負契約等の契約締結日のことです。

贈与契約の締結日ではありません。

また、省エネ等住宅というのは、省エネ等基準に適合することを証明された住宅のことです(省エネ等基準について詳しくはこちら)。

この特例と贈与税の基礎控除(年間110万円)は併用できるので、特例の非課税限度額+110万円の贈与をその年に非課税で受けることができます。

なお、非課税限度額は、消費税率が10%になる前と、なった後とで異なりますが、下の表は、わかりやすくするために2019101日に消費税率が10%になることを前提にしており、消費税の増税の実施日が変更になった場合は、また変わってきますので、その点についてご了承ください。

契約締結日 省エネ等住宅 省エネ等住宅以外の住宅
201611日~2019930 1200万円 700万円
2019101日~2020331 3000万円 2500万円
202041日~2021331 1500万円 1000万円
202141日~20211231 1200万円 700万円

「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の適用を受けるに当たって気を付けなければならないのは、「小規模宅地等の特例」の適用を受けられなくなることがあるということです。

「小規模宅地等の特例」とは、自宅の評価額を330㎡まで8割減できる大変お得な特例です。

「小規模宅地等の特例」が適用できるのは、配偶者、同居の親族、家を持っていない親族のいずれかですが、配偶者以外は、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の適用を受けて自宅を取得すると、「小規模宅地等の特例」の適用を受けられなくなることがあります。

小規模宅地等の特例とどちらが得になるかは慎重に判断すべきですが、多くの場合は、小規模宅地等の特例の適用を受けられるのであれば、そちらを受けた方が得になることが多いでしょう。

小規模宅地等の特例について詳しくは、「小規模宅地等の特例で8割減で大幅に節税する方法と意外な落とし穴」をご参照ください。

「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」の適用を受けた場合

「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」とは、婚姻期間が20年を超えた夫婦の間で、「居住用不動産」または「居住用不動産を取得するための金銭」の贈与が行われた場合で、贈与を受けた年の翌年315日までに贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであることが認められた場合に基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除できるという特例です。

この制度についても、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」と同様、土地が一つしかない場合は、この制度を利用することによって、「小規模宅地等の特例」を適用するための土地がなくなってしまいます(一つの土地の持分を分けても構いません)。

また、配偶者には、「配偶者の税額軽減」(「相続税の配偶者控除」とも呼ばれます。)という制度があり、配偶者の遺産取得額から、配偶者の法定相続分か16000万円のいずれか大きい方の金額を差し引いて、残った金額にのみ相続税がかかる決まりになっています。

差し引く金額の方が大きい場合は、課税されません。

つまり、法定相続分の範囲内なら、配偶者は相続税が課されることはないのです。

法定相続分を超えて遺産を取得した場合にのみ、相続税が課される可能性が生じますが、それでも16000万円までは課税されないので、ほとんどの家庭では配偶者はまったく課税されないということになります。

したがって、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を駆使しても相続税がかかるような場合でなければ(少なくとも、配偶者が法定相続分を超えて遺産を取得し、かつ、その額が16千万円以上であることが必要)、「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」を適用する税金面でのメリットはないといえます。

相続時精算課税方式を選択した場合

相続時精算課税制度とは、親や祖父母から贈与された財産の価額が、2500万円まで贈与税が非課税になる制度です。

この説明だけだと大変お得な制度に思えます。

しかし、贈与税はかかりませんが、相続時には、この制度により取得した贈与財産とその他の相続財産とを合わせた遺産総額に相続税が課税されるので、注意が必要です。

相続時には、他の遺産と合算して、相続税の対象となるのです。

「相続時精算課税制度」は、その名の通り、「相続時」に「精算」して「課税」する「制度」なので、当然といえば当然ですね。

なお、2500万円を超える部分については、一律20%の贈与税が課せられます。

つまり、1億円の不動産の贈与の際に、相続時精算課税制度を利用することはできますが、7500万円については贈与税を支払わなければなりません。

1億円-2500万円=7500万円)✕20%=1500万円の贈与税が課されます。

ただし、課された贈与税は、贈与者が亡くなった時の相続税から控除され、贈与税額が相続税額を上回る場合は、差額の還付を受けることができます。

なお、相続時精算課税を選択した贈与者からの贈与は、その年以降すべて相続時精算課税となり、暦年課税の110万円の非課税枠を利用することはできなくなるため、選択しない方が税金が安く済むケースも多いので、注意が必要です。

相続時精算課税の適用を受けたい場合は、贈与税の申告時に、税務署に、相続時精算課税選択届出書等の必要書類を提出しておこないます。

相続時精算課税について詳しくは「相続時精算課税制度を迂闊に利用して大損しないために知るべきこと」をご参照ください。

離婚時に財産分与した場合

不動産を贈与する場面の一つとして、離婚をした際に、配偶者に財産分与として不動産を譲渡することがあります。財産分与に対して対価が支払われることがないので、贈与税がかかるのではないか、と考えられる方もおられます。

しかし、財産分与は、もともと配偶者の潜在的な持ち分を離婚に際して分配したにすぎないものであるため、原則として贈与税は課税されません。

ただ、財産分与によって譲渡された財産の額が、婚姻中の夫婦の状況から考えて不当に過大である場合や、贈与税や相続税を免れるために財産分与に名を借りて贈与を行った場合には、贈与税が課税されるので注意が必要です。

移転登記しなければ税務署にバレない?

不動産の場合は、所有権移転登記(名義変更)を行うことによって、税務署にも贈与があったことが分かります。

それでは、登記をせずに贈与契約書だけ交わせばよいと考える人もいるかもしれませんが、そういうわけにもいきません。

登記をしなければ、不動産を譲渡することも、不動産に担保権を設定することもできませんし、登記をしないままだと、贈与が成立したとはみなされないのです(名古屋高等裁判所平成101225日判決)。

贈与が成立していなければ、相続時に相続税がかかりますし、贈与税の時効が成立することもありません(贈与税の時効については「贈与税の時効によって免税されるケースと免税されないケース」参照)。

贈与を受けていなくても贈与税がかかるケース

贈与を受けていなくても、次のような場合には、税法上、贈与を受けたとみなされて、贈与税がかかることがあります。

  • 時価よりも著しく安い金額で不動産を購入したとき
  • 不動産の購入のための借金を免除されたとき
  • 親子が共有名義で不動産を購入したとき
  • 対価の支払いがなく不動産の名義を変更したとき

以下、それぞれについて説明します。

時価よりも著しく安い金額で不動産を購入したとき

個人間の売買において、時価よりも著しく低い金額で不動産を購入した際には、適正時価との差額について贈与税が発生します。これをみなし贈与課税といいます。

例えば、時価4,000万円の土地を1,500万円で購入した場合、その差額の2500万円は贈与されたものと取り扱われるため、その2,500万円に対して贈与税が課税されるのです。

不動産の購入のための借金を免除されたとき

不動産を購入するために借金をしたが、その借金の返済を免除されたときにも贈与税が発生します。借金の返済が免除されるということは、免除された金額分の贈与を受けたことと同じ効果が生ずるからです。

例えば、自宅を購入するのに親から借金をして購入したが、後に返済しなくてよいことになった場合には、返済しなくてよいことになった金額に対して贈与税が課税されます。(ただし、債務者(子)が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、一定のときを除きます。)

親子が共有名義で不動産を購入したとき

親子が共有名義で不動産を購入したときに、それぞれが資金を出し合って、その出し合った資金の配分どおりに共有持ち分を定めた場合には、贈与税は発生しません。しかし、資金の拠出割合と共有持ち分の割合に差がある場合は、その差額について贈与税が課税される場合があります。

例えば、親が4,000万円、子が1,000万円を出して5,000万円の不動産を購入した際に、共有持ち分を親が5分の4、子が5分の1とすれば贈与税は発生しないのですが、親と子の共有持ち分を2分の1ずつとすると、10分の31500万円について親から子に贈与があったものとみなされ、贈与税が課税されます。

対価の支払いがなく不動産の名義を変更したとき

対価の支払いがないのに、不動産の名義を変更した場合も、贈与税が課税される場合があります。

例えば、夫が自分の名義で所有していた不動産について、妻から対価をもらっていないのに、自分が亡くなった後のことを考慮して妻名義に変更したような場合です。

このような場合、登記という外形上は贈与があったように見えますから、その実質が贈与でないことを証明できないかぎり、その外観に従って、贈与税の課税対象となってしまうのです。

まとめ

以上、土地にかかる贈与税について説明しました。

不明な点は、下記のサイトもご参照いただき、贈与税に精通した税理士にご相談いただいた方が安心です。

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