贈与税非課税で生前贈与できる全12+2パターンを漏れなく紹介!

贈与税がかからず生前贈与できる14パターンを解説

子のため、孫のために財産を残してあげたい…という人もいるでしょう。頑張って蓄えた財産ですから、できるだけ税金は取られたくないですよね。

このとき節税対策として、生前贈与が挙げられます。生前贈与によって相続税より少ない税額もしくは非課税で財産を贈与することが可能です。

しかし非課税で財産を贈与できるのは生活費や教育資金などの特定の場合に限られます。今回はその14パターンについて詳しく紹介していきます。

注意したいのは、やり方によっては相続税よりも税率が高くなることがあることです。生前贈与の知識を十分に蓄えてから計画を立てましょう。

[ご注意]
記事は、公開日(2019年3月15日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

そもそも贈与税がかかるケースは?

贈与税は個人から財産をもらったときにかかります(法人からもらったときは所得税がかかります。)。

また、次のような場合にも、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。

  • 自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合
  • 債務の免除などにより利益を受けた場合

いか、それぞれについて簡単に説明します。

生命保険金に贈与税がかかることもある

した人が自分を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税でなく相続税の対象となります。

また、自分で保険等を負担していた生命保険金を受け取った場合は、所得税がかかります。

表にまとめると、以下のようになります。

被保険者 保険料の負担者 保険金受取人 税金の種類
A B B 所得税
A A B 相続税
A B C 贈与税

生命保険金に贈与税がかかる場合は、上表の通り、被保険者、保険料の負担者、保険金受取人のいずれも異なる場合です。

例えば、母が加入する生命保険の保険料を父が負担していたとします。

そして、その生命保険金の受取人は子になっていたとします。

そして、母が亡くなり、生命保険金を受け取ったとします。

このような場合、子が受け取った生命保険金は、保険料負担者である父から贈与を受けたものとして、贈与税が課せられます。

以上、生命保険金にかかる税金について説明しましたが、これは、生命保険金だけでなく、被保険者の死亡によって取得した損害保険金も同様です。

なお、被保険者の死亡によって取得する生命保険金と損害保険金のことを総称して死亡保険金といいます。

債務の免除には贈与税がかかる

例えば、1000万円の借金があり、その借金の返済を免除された場合は、1000万円を贈与された場合と同じ分だけ贈与税が課せられるということです。

なお、債務免除等による利益を受けた場合であっても、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、債務の免除を受けたとき等は、贈与により取得したものとはみなされません。

贈与税非課税で贈与できる全12パターン

次の12パターンの財産には贈与税がかかりません。

  1. 法人からの贈与により取得した財産
    ※贈与税は個人から財産を贈与により取得した場合にかかる税金であり、法人から財産を贈与により取得した場合には贈与税ではなく所得税がかかります。
  2. 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
    ※ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。
    なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。
  3. 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う一定の者が取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
  4. 奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託から交付される金品で一定の要件に当てはまるもの
  5. 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
  6. 公職選挙法の適用を受ける選挙における公職の候補者が選挙運動に関し取得した金品その他の財産上の利益で、公職選挙法の規定による報告がなされたもの
  7. 特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権
    ※国内に居住する特定障害者(特別障害者又は特別障害者以外で精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるなどその他の精神に障害がある者として一定の要件に当てはまる人)が特定障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権を贈与により取得した場合には、その信託の際に「障害者非課税信託申告書」を信託会社などの営業所を経由して特定障害者の納税地の所轄税務署長に提出することにより、信託受益権の価額(信託財産の価額)のうち、6,000万円(特別障害者以外の者は3,000万円)までの金額に相当する部分については贈与税がかかりません。
  8. 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
  9. 直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの
  10. 直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの
  11. 直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの
  12. 相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与により取得した財産

この中には一般の方にあまり関係のないものもありますが、2、4、8、9、10、11、12については、関係のある方が多いと思われるため、以下、それぞれについて説明します。

扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの

夫婦、親子、祖父母と孫などは、お互いに扶養する義務があります。

扶養とは、自活できない状態の人の経済的な面倒をみることです。

例えば、未成年者の多くは自力で生活できないでしょうから、親などが、生活費や教育費を出してあげて扶養する義務があります。

このような扶養義務者からの生活費や教育費としての贈与は非課税となります。

なお、ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。

そして、「通常必要と認められるもの」とは、贈与を受けた人(被扶養者)の需要と贈与をした人(扶養者)の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいいます。

贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。

したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの購入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託から交付される金品で一定の要件に当てはまるもの

奨学金を受け取った場合ですが、貸与型の場合は借金と同じなので贈与税も所得税も発生しません。

一方、返済義務のない給付型により奨学金を受け取った場合ですが、法人から受け取った場合は前述のとおり所得税が課されます。しかし、所得税は学資に充てるため給付される金品は非課税としているため、所得税はかかりません。

次に法人以外から給付型の奨学金を受け取った場合ですが、上記4の一定の要件を満たす団体からの給付であれば贈与税が非課税となりますので、給付団体に確認しましょう。

なお、親が貸与型の奨学金の返済を肩代わりしたような場合は、原則として贈与税が課されてしまいます。

学費を必要な都度贈与しているような場合だと、上記2に該当し贈与税非課税となり、学費を一括贈与し、一定の要件を満たせば上記10で贈与税非課税となりますので、大学入学等を控えた子や孫のいるご家庭では、これらの制度も併せて検討すると良いでしょう。

個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの

香典などについては、社会通念上相当と認められるものに限っては非課税です。

社会通念上とは、常識的にというような意味です。

常識的な額であれば非課税になりますが、常識的な額よりも高額なものについては贈与税の対象となります。

なお、相続税の計算をする時に、葬式費用はプラスの財産から控除されますが、香典が非課税となっているので、香典返しを葬式費用に加えることは当然できません。

直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

このパターンについては、別の記事に詳しくまとめました。関連記事をご覧ください。

直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

このパターンについても、別の記事に詳しくまとめてあります。

なお、この制度は、2019年3月31日で、一旦、終了することになっていますが、平成31年度税制改正にて、要件の見直し等を行った上で、2年間延長する方針が2018年12月に閣議決定されています(国会で可決されれば成立)。

平成31年度税制改正で予定されている、この制度の変更点については、関連記事もあわせてご覧ください。

直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

このパターンについても、別の記事に詳しくまとめてあります。

なお、この制度についても、2019年3月31日で、一旦、終了することになっていますが、平成31年度税制改正にて、要件の見直し等を行った上で、2年間延長する方針が2018年12月に閣議決定されています(国会で可決されれば成立)。

平成31年度税制改正で予定されている、この制度の変更点については、先程と同様こちらの記事を参考にしてください。

相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与により取得した財産

相続税は人が亡くなった時に課税されます。そうすると、相続税がかからないように、亡くなる直前に子供たちに財産をあげてしまおうという人が出てきてしまいます。そのため国は、相続税よりも税率を高くした贈与税という税金を設けています。

しかし、平均寿命が80歳を超える現代では、様々なタイミングで高い税率だと知りながらも贈与税を負担し、生前贈与を行なわなければならない時もあるでしょう。

そのような場合の救済措置として、要件を満たせば、亡くなる前3年以内の贈与については、贈与税ではなく相続税を課すこととしています。

したがって、亡くなった年に行なわれた贈与には贈与税を課さない(相続税が課される)ため、贈与税の非課税財産として列挙されています。

2種類の課税方法ごとの控除額を利用して非課税で贈与する方法

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができます。

それぞれの方式に控除額があり、控除額までの贈与について贈与税が非課税になります。

以下、それぞれについて説明します。

暦年課税の控除額

贈与税の申告時に相続時精算課税を選択しない限りは、暦年課税方式によって、贈与税がかかることになります。

暦年課税方式では、贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。

したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)。

相続時精算課税の控除額

相続時精算課税制度とは、親や祖父母から贈与された財産の価額が、2500万円まで贈与税が非課税になる制度です。

この説明だけだと大変お得な制度に思えます。

しかし、贈与税はかかりませんが、相続時には、この制度により取得した贈与財産とその他の相続財産とを合わせた遺産総額に相続税が課税されるので、注意が必要です。

相続時には、他の遺産と合算して、相続税の対象となるのです。

「相続時精算課税制度」は、その名の通り、「相続時」に「精算」して「課税」する「制度」なので、当然といえば当然ですね。

なお、2500万円を超える部分については、一律20%の贈与税が課せられます。

つまり、1億円の不動産の贈与の際に、相続時精算課税制度を利用することはできますが、7500万円については贈与税を支払わなければなりません。

(1億円-2500万円=7500万円)✕20%=1500万円の贈与税が課されます。

ただし、課された贈与税は、贈与者が亡くなった時の相続税から控除され、贈与税額が相続税額を上回る場合は、差額の還付を受けることができます。

なお、相続時精算課税を選択した贈与者からの贈与は、その年以降すべて相続時精算課税となり、暦年課税の110万円の非課税枠を利用することはできなくなるため、選択しない方が税金が安く済むケースも多いので、注意が必要です。

相続時精算課税の適用を受けたい場合は、贈与税の申告時に、税務署に、相続時精算課税選択届出書等の必要書類を提出しておこないます。

相続税にも非課税枠はある

相続税にも非課税枠があり、贈与税と相続税の両方の非課税枠を併用して、計画的に財産を引き継いでいくことで、上手に節税することができます。

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この記事を書いた人

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