遺族厚生年金の中高齢寡婦加算とは。金額や要件についても説明!
サラリーマンだった夫が亡くなって、遺族厚生年金をもらうことになった場合、遺族厚生年金の金額だけでは、生活していくことが難しいかもしれません。
子供がいない場合などで、遺族基礎年金の要件を満たさない人もいるでしょう。
自分が65歳になって老齢厚生年金をもらえるようになるまでは、経済的に苦しい日々が続くことになってしまいます。
そのような人にとって、中高齢寡婦加算は知っておきたい非常に重要な制度です。
是非、参考にしてください。
[ご注意]
記事は、公開日(2020年1月9日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
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中高齢寡婦加算とは?読み方は?
中高齢寡婦加算とは、遺族厚生年金の加算給付の一つで、「ちゅうこうれい かふ かさん」と読みます。
「寡婦」とは、夫と死別した女性のことです。
中高齢寡婦加算は、遺族厚生年金を受ける妻(夫と死別した妻)が、40歳~65歳までの間、遺族厚生年金にお金を加算してもらえる制度です。
妻が65歳になると自分の老齢基礎年金が受けられるため、中高齢の寡婦加算はなくなります。
中高齢寡婦加算の要件とは?
中高齢寡婦加算を受けるためには、次のいずれかの要件を満たしていなければなりません。
- 夫が亡くなったとき、40歳(平成19年3月31日以前に夫が亡くなって、遺族厚生年金を受けられている場合は35歳)以上65歳未満で、生計を同じくしている子(※)がいないこと
- 40歳(平成19年3月31日以前に夫が亡くなって、遺族厚生年金を受けられている場合は35歳)に到達した当時、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)等のため、遺族基礎年金を受給できなくなったこと
※「子」とは次のいずれかを満たす人に限ります。
- 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
- 20歳未満で障害等級1級または2級の障害の状態にある子
なお、長期要件(老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている方が死亡したとき)の事由による遺族厚生年金の場合は、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年(中高齢者の期間短縮の特例などによって20年未満の被保険者期間で共済組合等の加入期間を除いた老齢厚生年金の受給資格期間を満たした人はその期間)以上であることが求められます。
日本年金機構ホームページを加工して遺産相続弁護士ガイド作成
中高齢寡婦加算をもらえないケース
中高齢寡婦加算がもらえない典型的なケースは、先述の長期要件の追加要件に該当するケースです。
亡くなった夫が、国民年金に加入していた期間と厚生年金保険に加入していた期間があった場合に、国民年金の加入期間が25年未満で、厚生年金保険の加入期間が20年未満で、合計して20年以上の加入期間があれば、遺族厚生年金はもらえますが、中高齢寡婦加算はもらえず、しかも、遺族基礎年金や寡婦年金ももらえません。
このように、夫が国民年金と厚生年金保険に分散して加入していた場合はもらえないケースが多くなります。
なお、短期要件(被保険者の死亡等)の場合は、このような追加の要件はありません。
また、妻の収入に関しては、中高齢寡婦加算の独自の要件はありません。
遺族厚生年金は、原則として、年収850万円未満の人が該当しますが、死亡当時に年収850万円以上であっても、概ね5年以内に年収が850万円未満となると認められる事由(退職・廃業など)がある人は、遺族厚生年金を受け取ることができます。
中高齢寡婦加算の金額
中高齢寡婦加算の金額は、令和3年現在は年間585,700円です(老齢基礎年金満額の4分の3相当)。
この金額が、遺族厚生年金の金額に加算されます。
中高齢寡婦加算の手続き
中高齢寡婦加算をもらうための手続きは不要です。
要件を満たすと自動的に加算されます。
中高齢寡婦加算はいつまでもらえる?
中高齢寡婦加算を受けている人が65歳になったら、老齢基礎年金を受けることができる代わりに、中高齢寡婦加算は終了してしまいます。
しかし、昭和31年4月1日以前に生まれた人は、中高齢寡婦加算の金額よりも、老齢基礎年金の金額の方が低いため、65歳になると、もらえる金額が減ってしまいます。
このようなことにならないように、経過的寡婦加算という制度があります。
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まとめ
以上、中高齢寡婦加算について説明しました。
夫が亡くなると、年金関係に限らず、様々な相続手続きが必要となることが多いです。
専門家にまとめて依頼することで、手間が省けますし、最新の情報を入手することで損することを防ぐことができるかもしれません。
一度、相談してみるとよいでしょう。
この記事を書いた人
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