生前贈与後に相続放棄はできるのか?贈与が取消されることがある
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記事は、公開日(2020年5月20日)時点における法令等に基づいています。
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生前贈与を受けた後でも相続放棄はできるが、贈与が取り消されることがある
生前贈与を受けた後でも相続放棄はできますが、贈与者と受贈者(贈与を受けた人)が、債権者を害すること(例えば、贈与者が弁済できなくなること)を知りながら贈与したような場合は、債権者は贈与の取消しを裁判所に請求することができます。 贈与が取り消されると、受贈者は贈与者に財産を返還しなければなりませんが、贈与者が亡くなっている場合は、その財産は相続財産となります。 被相続人の債権者は、相続人に被相続人の債務の弁済を求めることができます。 一旦、贈与された財産は、贈与の取消によって、受贈者のものではなく、相続財産となっているため、受贈者が相続放棄をしていても、他に相続人がいる場合は相続人から弁済を受けることができますし、相続人全員が相続を放棄しても、相続財産管理人によって弁済を受けることができます。 ▼相続財産管理人について詳しく知りたい方はこちら▼生前贈与を受けている場合、相続放棄をしても相続税がかかることがある
相続税の計算方法を設例を基に説明していきます。相続時精算課税を選択して相続放棄した場合の相続税の計算方法
Aさんは長男、二男、三男にそれぞれ2,500万円ずつ贈与をし、長男・二男・三男のいずれもAさんからの贈与について相続時精算課税制度を選択したとします。 Aさんが亡くなった時、法定相続人は長男・二男・三男の3人で、Aさんは債務超過の状態であったため、3人はいずれも相続放棄をしました。 このケースの場合、課税価格の合計額は「2,500万円×3=7,500万円」」となります。 なお、Aさんは債務超過の状態ですが、相続人全員が相続放棄して債務を負担していないので、課税価格の合計額を計算する際に、債務の金額を控除する(差し引く)ことはできません。 相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×3=4,800万円」なので、課税遺産総額は「7,500万円-4,800万円=2,700万円」となります。 法定相続分は3分の1ずつなので、法定相続分に応ずる取得金額は、「2,700万円×1/3=900万円」ずつとなります。 法定相続分に応ずる取得金額が1,000万円以下の場合の相続税の税率は10%なので、相続税の総額の基となる税額は「900万円×0.1=90万円」ずつとなり、相続税の総額は「90万円×3=270万円」となります。 あん分割合(各人の課税価格/課税価格の合計額)は、3人とも「2,500万円÷7,500万円=1/3」なので、各人の相続税額は、それぞれ「270万円×1/3=90万円」となります。この記事を書いた人
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