遺族年金は再婚したらもらえない!内縁もダメ!子供は?手続きも説明
遺族年金は、再婚したらもらえなくなります。
それでは、再婚したい人がいる場合に、籍を入れなければ、遺族年金をもらい続けることができるのでしょうか?
また、子供が代わりにもらうことはできるのでしょうか?
この記事では、遺族年金と再婚に関する、このような疑問について、わかりやすく説明します。
手続き方法についても説明するので、是非、参考にしてください。
[ご注意]
記事は、公開日(2020年2月6日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
遺族年金は再婚したらもらえなくなる
配偶者が亡くなって遺族年金をもらっている人が再婚したら、再婚した以降は遺族年金をもらえなくなります。
遺族基礎年金も遺族厚生年金も両方とももらえなくなります。
寡婦年金も同様に再婚したらもらえなくなります。
なお、このように年金をもらう権利を失うことを「失権」といいます。
相続問題でお悩みの方は
まずは弁護士にご相談ください
内縁(事実婚)の場合も遺族年金はもらえなくなる
それでは、籍を入れなければ、遺族年金をもらい続けることができるのでしょうか?
そうではありません。
内縁(事実婚)の場合でも、遺族年金はもらえなくなります。
夫婦になる意思をもって夫婦共同生活を送っているが、婚姻の届出をしていないために、法律婚とは認められない男女の関係を、内縁または事実婚といいます。
以下のすべてに該当する場合は、内縁関係であると解されます。
- 婚姻意思(夫婦になる意思)がある
- 共同生活を営んでいる
- 社会的に夫婦と認められている
婚姻意思があるとは、「社会的・実質的に夫婦になりたい」という両者の合意がある場合を指します。
単に同棲しているだけでは、婚姻意思があるとはいえません。
また、社会的に夫婦と認められているかどうかについては、一概に言うことは難しいですが、長期間(例えば3年以上)同居していて、周囲にも夫婦と思われているような状態であれば、これに当たる可能性が高いと解されます。
内縁に当たるかどうか不明な場合は、弁護士に相談するとよいでしょう。
内縁であっても再婚した場合は、後述の手続きが必要です。
手続きをせずに遺族年金をもらい続けると、不正受給となり、返金を求められたり、罰金が課される可能性があるので、ご注意ください。
親が再婚したら子供が代わりにもらえる?
遺族基礎年金と遺族厚生年金をもらっている親が再婚したら、両方とももらえなくなることは前述のとおりですが、この場合、亡くなった被保険者との間の子供が、代わりに遺族年金をもらえます。
ただし、子供が再婚した親と生計を同じくする場合は、遺族基礎年金はもらえません(その場合でも遺族厚生年金はもらえます)。
子供が親の再婚相手と養子縁組をすることがありますが、そのような場合でも、子供は遺族厚生年金をもらえます。
一方、子供が再婚した親と生計を別にする場合、例えば、祖父母に預けられる場合等は、子供は遺族基礎年金ももらえます(遺族厚生年金は当然もらえます)。
遺族年金をもらっている人が再婚した場合の手続き
遺族年金をもらっている人が再婚(内縁の場合を含む)した場合には、手続きが必要です。
具体的には、「遺族年金失権届」を、年金事務所または街角の年金相談センターに提出します。
「遺族年金失権届」の用紙は、年金事務所または街角の年金相談センターでもらえます。日本年金機構の「年金受給者(老齢年金・障害年金・遺族年金)に関する届書・申請書一覧」ページからダウンロードもできます。
年金事務所および街角の年金センターの場所は日本年金機構のウェブサイトから調べられます。
また、記入に当たっては、以下の記入例を参考にしてください。
引用:日本年金機構「遺族年金を受けている方が結婚や養子縁組などをしたとき」
まとめ
以上、遺族年金と再婚について説明しました。
この記事を書いた人
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