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相続手続きの必要書類は?銀行、登記、相続税申告に分けて解説

相続手続きに必要な書類

相続手続きにはいろいろな書類が必要なことをご存知ですか?

例えば遺産分割協議書や戸籍謄本、印鑑証明書など…手続きによって必要なものが異なるので結構大変です。加えて銀行の手続き一つとっても、遺言書の有無など、ケースによっても変わってきます。

また、それらの書類がすぐに揃うとは限りません。役所での申請が必要な場合もあります。相続税申告などの期限付きの手続き(亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内)もあるため、早め早めに準備しておく必要があります。

この記事では、相続手続きの必要書類について、銀行、登記、相続税申告に分けて詳しく解説します。

これから相続手続きを行う方などは是非、参考にしてください。

相続問題でお悩みの方はまずは弁護士にご相談ください

[ご注意]
記事は、公開日(2019年2月1日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

銀行での相続手続き

相続した預金を払い戻したり、預金の名義を変更するためには、銀行での相続手続きが必要です。銀行での相続手続きには、ケースに応じて、様々な書類を提出しなければなりません。

銀行が間違った人に払い戻してしまっては大変なので、銀行が誰に払い戻せばよいか判断するために、ケースに応じて、必要な書類が異なるのです。

以下では、銀行での相続手続きに必要な書類について、次のケースごとに説明します。

  • 預金を取得する人が遺言によって決まっている場合
  • 遺産分割協議書がある場合
  • 遺産分割協議をしたが遺産分割協議書がない場合
  • 調停または審判によって預金を取得する人が決まっている場合

なお、厳密には、必要な書類は銀行によって多少異なります。

以下では、通常、必要となる書類について説明しますが、実際に手続する際は、預金のある銀行に必要書類を確認してください

また、以下の説明の中で、「法定相続情報一覧図」というものが出てきますが、法定相続情報一覧図とは、法定相続人が誰で各法定相続人は被相続人とそれぞれどのような間柄なのかという情報を一覧化した図のことで、この写しを提出することによって、戸籍謄本類の代わりとすることができます。

ただし、法定相続情報一覧図を作成するために戸籍謄本類が必要なため、いずれにせよ戸籍謄本類は収集しなければなりません。

預金を取得する人が遺言によって決まっている場合

遺言書があっても、預金を取得する人が遺言によって決まっているとは限りません

誰にどの財産を承継させるか遺言書に記載されている場合もありますが、遺産を受け取る割合だけ指定されている場合もあるのです。後者の場合は、実際に誰がどの財産を受け取るかは遺産分割協議によって決めることになります。

また、前者の場合でも、相続人全員の合意があれば、遺言の内容に従わずに、遺産分割協議によって誰がどの財産を承継するか決めることができます

そのような場合は、遺言書があっても、遺言によって預金を取得する人が決まるわけではないので、後述する「遺産分割協議書がある場合」等の項目をご参照ください。

預金を取得する人が遺言によって決まっている場合、遺言執行者が選任されているかどうかによって必要な書類は異なります

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な手続きをする人のことです。遺言執行者がいない場合は、相続人や受遺者(遺贈によって遺産をもらい受ける人)が手続きをします。

遺言執行者が選任されている場合

遺言執行者が選任されている場合は、遺言執行者が手続きをします。手続きには下表の書類が必要です。

必要になるケース入手先
被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本法定相続情報一覧図の写しがない場合本籍地の市区町村役場
遺言執行者の印鑑登録証明書必ず住所地の市区町村役場
遺言執行者の実印必ず自分
遺言書自筆証書遺言または秘密証書遺言の場合遺言者が保管した場所
検認済証明書自筆証書遺言または秘密証書遺言の場合被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
遺言公正証書謄本公正証書遺言の場合遺言が作成された公証役場
遺言執行者選任審判書謄本審判によって遺言執行者が選任された場合被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
相続に関する依頼書(名称は銀行によって異なる)必ず銀行で用紙を入手して自分で記入
印鑑届名義変更の場合(払戻の場合は不要)銀行で用紙を入手して自分で記入
通帳・証書・キャッシュカード類必ず自分

遺産分割協議書の作成には理解の難しい仕組みや制度がたくさんあります。正しく、そして不利益が出ないようにするために、ぜひ専門家に相談してみることをご検討ください。

相続問題でお悩みの方はまずは弁護士にご相談ください

遺言執行者が選任されていない場合

遺言執行者が選任されていない場合は、相続人または受遺者が手続きをします。手続きには下表の書類が必要です。

必要になるケース入手先
被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本法定相続情報一覧図の写しがない場合本籍地の市区町村役場
預金を取得する相続人または受遺者の印鑑登録証明書預金を取得する相続人または受遺者が成年の場合住所地の市区町村役場
預金を取得する相続人または受遺者の実印預金を取得する相続人または受遺者が成年の場合自分
預金を取得する相続人または受遺者の法定代理人の印鑑登録証明書預金を取得する相続人または受遺者が未成年の場合住所地の市区町村役場
預金を取得する相続人または受遺者の法定代理人の実印預金を取得する相続人または受遺者が未成年の場合自分
遺言書自筆証書遺言または秘密証書遺言の場合遺言者が保管した場所
検認済証明書自筆証書遺言または秘密証書遺言の場合被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
遺言公正証書謄本公正証書遺言の場合遺言が作成された公証役場
相続に関する依頼書(名称は銀行によって異なる)必ず銀行で用紙を入手して自分で記入
印鑑届名義変更の場合(払戻の場合は不要)銀行で用紙を入手して自分で記入
通帳・証書・キャッシュカード類必ず自分

遺産分割協議書がある場合

遺産分割協議によって預金を取得する人が決まった場合で、遺産分割協議書を作成した場合は、預金の相続手続きに下表の書類が必要です。

必要になるケース入手先
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本法定相続情報一覧図の写しがない場合本籍地の市区町村役場
各相続人と被相続人との関係が確認できる戸籍抄本または戸籍謄本法定相続情報一覧図の写しがなく、かつ、被相続人の戸籍謄本で被相続人との関係が確認できない場合本籍地の市区町村役場
相続人全員(相続放棄した人を除く)の印鑑登録証明書(未成年者については法定代理人の印鑑登録証明書)必ず住所地の市区町村役場
手続者の実印必ず自分
遺産分割協議書(相続人全員(相続放棄した人を除く)の署名押印(実印))必ず自分
相続放棄申述受理証明書相続放棄をした人がいる場合被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
相続に関する依頼書(名称は銀行によって異なる)必ず銀行で用紙を入手して自分で記入
印鑑届名義変更の場合(払戻の場合は不要)銀行で用紙を入手して自分で記入
通帳・証書・キャッシュカード類必ず自分

遺産分割協議をしたが遺産分割協議書がない場合

遺産分割協議をしたからといって必ず遺産分割協議書を作成しなければならないわけではありません。

多くの銀行での相続手続きは遺産分割協議書がなくても可能です(銀行によっては必要な場合もあります)。

銀行での手続きの点だけなら遺産分割協議書がなくても問題ありませんが、遺産に不動産がある場合は登記の際に遺産分割協議書が必要ですし、また、相続人間における後々のトラブル予防のためにも、遺産分割協議書を作成することをお勧めします

遺産分割協議書がない場合は、下表の書類が必要です。

必要になるケース入手先
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本法定相続情報一覧図の写しがない場合本籍地の市区町村役場
各相続人と被相続人との関係が確認できる戸籍抄本または戸籍謄本法定相続情報一覧図の写しがなく、かつ、被相続人の戸籍謄本で被相続人との関係が確認できない場合本籍地の市区町村役場
相続人全員(相続放棄した人を除く)の印鑑登録証明書(未成年者については法定代理人の印鑑登録証明書)必ず住所地の市区町村役場
相続放棄申述受理証明書相続放棄をした人がいる場合被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
手続者の実印必ず自分
相続に関する依頼書(名称は銀行によって異なる)必ず銀行で用紙を入手して自分で記入
印鑑届名義変更の場合(払戻の場合は不要)銀行で用紙を入手して自分で記入
通帳・証書・キャッシュカード類必ず自分

調停または審判によって預金を取得する人が決まった場合

遺産分割協議が調わない場合に、家庭裁判所での遺産分割調停や遺産分割審判によって決着をつけることがあります。

預金を取得する人が決まった場合は、下表の書類が必要です。

必要になるケース入手先
調停調書謄本調停によって預金を取得する人が決まった場合家庭裁判所
審判書謄本審判によって預金を取得する人が決まった場合家庭裁判所
審判確定証明書審判によって預金を取得する人が決まった場合で、かつ、審判書に確定表示がない場合家庭裁判所
預金を取得する相続人または受遺者の印鑑登録証明書預金を取得する相続人または受遺者が成年の場合住所地の市区町村役場
預金を取得する相続人または受遺者の実印預金を取得する相続人または受遺者が成年の場合自分
預金を取得する相続人または受遺者の法定代理人の印鑑登録証明書預金を取得する相続人または受遺者が未成年の場合住所地の市区町村役場
預金を取得する相続人または受遺者の法定代理人の実印預金を取得する相続人または受遺者が未成年の場合自分
相続に関する依頼書(名称は銀行によって異なる)必ず銀行で用紙を入手して自分で記入
印鑑届名義変更の場合(払戻の場合は不要)銀行で用紙を入手して自分で記入
通帳・証書・キャッシュカード類必ず自分

相続登記の必要書類

相続登記に必要な書類について説明します。

どのようなケースでも必要な書類

相続登記の際に必ず要る書類と、場合によって必要となる書類があります。まずは、どのようなケースでも必ず要る書類について説明します。

相続登記で必要な書類は次のとおりです。

  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 相続登記申請書
  • 住所証明情報
  • 固定資産税評価証明書

登記事項証明書(登記簿謄本)

登記事項証明書と登記簿謄本は、基本的には同じです。

登記事務がコンピュータ化しているところで発行したものが登記事項証明書で、コンピュータ化していないところで発行したものが登記簿謄本です。

全国の地方法務局の出張所のどこでも発行することができます(その不動産を管轄する出張所である必要はありません)。

登記事項証明書(登記簿謄本)で登記内容を確認しなければ登記申請書を作成することができないので必要です。手数料は1通480円~600円で申請方法によって異なります。

相続登記申請書

相続登記申請書の用紙は法務局の出張所で入手することができます。

住所証明情報

住所証明情報とは、不動産取得者の住所を証明する書類のことです。

不動産の所有者の住所は登記簿に記載されるので、その住所に正確なものであることを証明する書類が必要なのです。

住所証明情報として、次の書類が認められています。いずれでもかまいません。

  • 住民票の写し(住所地の市区町村役場で入手可能)
  • 印鑑登録証明書(住所地の市区町村役場で入手可能)
  • 戸籍の附票(本籍地の市区町村役場で入手可能)

固定資産税評価証明書

登録免許税の税額は固定資産税評価額に応じて変わってきます。登録免許税額の確認のために必要です。これは最新年度のものです。

東京都23区内の場合は各都税事務所、東京都23区以外の市町村及びそれ以外の道府県の場合は住所地の市町村役場で入手可能です。

登記簿上の所有者の住所と被相続人の本籍地が異なる場合に必要になる書類

所有者として登記された者の氏名と被相続人の氏名が同じでも、同姓同名の別人ということもありえるので、住所も同じかどうか確認して、その不動産が被相続人(亡くなった人)の所有物であるかどうかを確認することになっています。

登記簿上の所有者の住所と、被相続人の本籍地が同じであれば、それで同一人物であることの確認が取れるので、追加の書類は不要です。

ですが、多くのケースでは、登記簿上の所有者の住所と被相続人の本籍地は異なるので、そのような場合は、基本的には住民票の除票(被相続人の本籍地が記載されたものである必要があります。)で確認することになっています

住民票の除票とは

住民票の除票とは、死亡した人の住民票のことです。

登記簿上の所有者の住所と、被相続人の住民票の除票上の住所が同じであれば、同一人物であることの確認が取れるので、被相続人の住民票の除票を添付して申請します。

しかし、住民票の除票上の住所も、登記簿上の所有者の住所と異なる場合は、戸籍の附票で確認します。

戸籍の附票とは

戸籍の附票には、その戸籍いる間の住所の履歴が記載されています。戸籍の附票に記載されている住所の中に、登記簿上の所有者の住所と同じものがあれば、同一人物であることの確認が取れますが、被相続人が登記簿に戸籍を移っていた場合は、被相続人が過去にいた戸籍について、除かれた戸籍や改製原戸籍も含めて、附票を調べることになります。

登記簿上の所有者の住所と同一の住所が記載された附票が見つかれば、それを添付書類として提出します。

しかし、除かれた戸籍や改製原戸籍の附票の保存期間は5年であり、既に廃棄されている可能性もあります。

稀なケースではありますが、このような場合は、また別の書類によって、登記簿上の所有者と被相続人が同一人物であることを確認することになります。

どのような書類を求められるかはケースによって異なりますので、実際にこのような事態になった場合は、管轄の法務局出張所に職員に尋ねるとよいでしょう

ケースによって必要となる書類

次に、ケースによって必要となる書類について、次の3つのケースに分けてそれぞれ説明します

  • 法定相続分に応じた共有名義で登記をする場合
  • 遺産分割協議で取得者が決まった場合
  • 遺言で取得者が決まっている場合

法定相続分に応じた共有名義で登記をする場合

法定相続分に応じた共有名義で登記をする場合は、被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍謄本等が必要です。

そのためには少なくとも以下の両方が必要になります。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

また、代襲相続がある場合や、亡くなった人の兄弟姉妹が相続人となる場合は、さらに多くの戸籍謄本が必要になります。

代襲相続とは、相続人となるべき者(被代襲者)が、相続開始以前に死亡しているときや相続欠格または廃除により相続権を失ったときにおいて、その被代襲者の直系卑属(代襲者)が被代襲者に代わって、その受けるはずであった相続分を相続することをいいます。

代襲相続がある場合は、被代襲者の出生から死亡まで(死亡していない場合は現在まで)の戸籍謄本と、代襲者全員の現在の戸籍謄本が必要になります。

また、兄弟姉妹が相続人となる場合は、被相続人の父母それぞれの出生から死亡までの戸籍謄本が必要になります。

戸籍謄本の収集方法については以下の記事を参考にしてください。

遺産分割協議で取得者が決まった場合

遺産分割協議で所得者が決まった場合は、共有名義で登記をする場合と同様に、被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍謄本等が必要となるほか、加えて、遺産分割協議書と、相続人全員の印鑑登録証明書が必要になります

印鑑登録証明書は、各相続人の住所地の市区町村役場で取得することができます。

各相続人に取得して送ってもらうか、印鑑登録カードを預かることによって代わりに取得することもできます。

遺言で取得者が決まっている場合

遺言で取得者が決まっている場合は、遺言書および検認済証明書(自筆証書遺言または秘密証書遺言の場合)ならびに被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本または除籍謄本が必要です

公正証書遺言の場合は、遺言書および検認済証明書の代わりに、遺言公正証書謄本が必要です。

この不動産が遺言によって「相続」されたものである場合は、以上の書類で足りますが、「遺贈」されたものである場合は、さらに、追加の書類が必要です

追加の書類は、遺言執行者が選任されているかどうかによって異なります。
遺言執行者が遺言で選任されている場合は、遺言執行者の印鑑登録証明書(発行後3か月以内のもの)が必要です。

遺言執行者が家庭裁判所の審判で選任されている場合は、遺言執行者の印鑑登録証明書に加えて、遺言執行者選任審判書謄本が必要です。

遺言執行者が選任されていない場合は、被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍謄本等(前述の共有名義の登記をする場合の項目を参照)と、相続人全員の印鑑登録証明書(発行後3か月以内のもの)が必要です。

相続放棄した人がいる場合に必要な書類

相続放棄した人がいる場合は、相続放棄申述受理証明書が必要となることがあります(登記する不動産を相続する人が遺言によって決まっている場合は不要です)。

相続放棄申述受理証明書があると、相続放棄をした人の分の戸籍謄本や印鑑登録証明書が不要になります。

代理人に登記手続きを依頼する場合に必要な書類

司法書士等の代理人に登記手続きを依頼する場合は、委任状が必要です。委任状の書式は司法書士の方で用意してくれることがほとんどで、依頼者は署名押印のみすればよいでしょう。

司法書士に依頼した方が間違えがなく、お勧めです。

相続税申告の必要書類

相続税申告の必要書類の取集をスムーズに進めることができるように、チェックリストをご紹介します。

リストを元に、漏れがないように、一つ一つチェックしながら必要書類を収集しましょう。

身分関係の必要書類

書類の内容必要な場合(または、あった方がよい理由)入手先
個人番号(マイナンバー)確認書類として次のいずれか
・マイナンバーカード(個人番号カード)【裏面】の写し
・通知カードの写し
・住民票の写し(マイナンバーの記載があるもの)
必ずそれぞれ
身元確認書類として次のいずれか
・マイナンバーカード(個人番号カード)【表面】の写し
・運転免許証の写し
・身体障害者手帳の写し
・パスポートの写し
・在留カードの写し
・公的医療保険の被保険者証の写し
必ずそれぞれ
被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本(相続開始の日から10日を経過した日以後に作成されたもの)または法定相続情報一覧図の写し必ず本籍地の市区町村役場
遺言書の写し遺言がされた場合自分(公正証書遺言の場合は公証役場)
遺産分割協議書の写し遺産分割協議をした場合自分
相続人全員の印鑑登録証明書遺産分割協議をした場合住所地の市区町村役場
被相続人の略歴書必須ではないが推奨自分
被相続人の死亡診断書の写し死亡日時と財産変動の時系列の確認のため病院
各相続人の職業と自宅電話番号の一覧申告書記載の便のため自分

被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本としては、少なくとも以下の両方が必要になります。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

なお、2018年4月から、相続税申告書に添付する戸籍謄本等はコピーでよくなりました。

相続税申告のためのチェックシート

以下は国税庁が作成した相続税申告のためのチェックシートです。このチェックシートを元に、資料を準備すると効率がよいでしょう。

このチェックシートを見て相続税申告に不安を感じた場合は、税理士などの専門家に相談してみても良いでしょう。

PDF版はこちらからダウンロードすることができます。

「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例」の適用要件チェックシート

「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けたい場合は、以下のリンクから国税庁作成の「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例」の適用要件チェックシートをダウンロードしてご活用ください。

適用要件を満たしているかどうかと、その確認のために必要な資料を簡単にわかるようになっています。

「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例」の適用要件チェックシートのダウンロード

書類の原本還付を受ける方法

戸籍謄本等は、相続手続きごとに必要になります。

名義変更等の手続きが必要な財産がいくつもある場合、手続きの数の分の戸籍謄本等を用意しなければならず、取得費用がかさんでしまいます。

この点、所定の方法で戸籍謄本等のコピーを提出することで、原本の還付を受けることができます。

原本を還付してもらいたい書類のコピーに、「原本と相違ない」旨を記載のうえ、申請者の記名押印をします。

この押印に用いる印は、申請書に押印したものと同じものでなければなりません。戸籍謄本だけでなく、住民票、住民票の除票、遺産分割協議書、印鑑登録証明書等の原本還付にも使えます。

原本還付を受けたい書類が複数枚ある場合は、そのすべてに「原本に相違ない」旨の記載と申請者の記名押印をするか、コピーをステープラー(ホチキス)等で綴じて、一番上の書類にだけ「原本に相違ない」旨の記載と記名押印をして、他の書類には契印をする方法があります。

また、相続関係説明図を添付すると、コピーの提出すら不要です。

相続関係説明図とは?

相続関係説明図とは、亡くなった人の相続人が誰で、各相続人が亡くなった人とどのような続柄なのかという相続関係を説明するための家系図のような図のことです。

しかし、相続関係説明図によって還付を受けられるのは戸籍謄本の類のみで、住民票の除票や印鑑登録証明書等の原本還付を受けることはできません。

法定相続情報一覧図とは?

また、法定相続情報一覧図の写しを提出した場合は、原本すら提出不要です(法定相続情報一覧図の作成時に戸籍謄本等が必要なので、戸籍謄本等自体がまったく不要になるわけではありません)。

法定相続情報一覧図とは、法定相続人が誰で各法定相続人は被相続人とそれぞれどのような間柄なのかという情報を一覧化した図のことです。

相続関係説明図と法定相続情報一覧図は、とても似ています

違いとしては、次のような点が挙げられます。

  • 相続関係説明図は公的な制度にのっとったものではありませんが、法定相続情報一覧図は法定相続情報証明制度という公的な制度にのっとって作成されます。
  • 相続関係説明図は記載すべき事項が比較的あいまいですが、法定相続情報一覧図は比較的しっかりと決められています。

なお、法定相続情報一覧図の写しを提出した場合に提出が不要になるのは、戸籍謄本の類のみで、住民票の除票や印鑑登録証明書等の提出は必要です。

まとめ

以上、相続手続きの必要書類について説明しました。

相続手続きについて不明な点がある場合は、登記については司法書士に、相続税申告についてついては税理士に、その他手続きについては、司法書士や行政書士に相談するとよいでしょう。

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

相続専門のポータルサイト「いい相続」は、相続でお悩みの方に、全国の税理士・行政書士など相続に強い、経験豊富な専門家をお引き合わせするサービスです。
「遺産相続弁護士ガイド」では、遺産分割や相続手続に関する役立つ情報を「いい相続」編集スタッフがお届けしています。また「いい相続」では、相続に関連する有資格者の皆様に、監修のご協力をいただいています。
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