税理士監修記事

宅地造成費の金額表の見方と計算方法、評価明細書の記載例

宅地比準方式によって農地や雑種地などを評価する際に、宅地造成費を控除することができます。

この宅地造成費はどのように計算すればよいのでしょうか?

税理士が出来るだけわかりやすく丁寧に説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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宅地造成費の金額表の確認方法

市街地農地、市街地周辺農地、市街地山林、市街地原野、市街地雑種地を評価する場合における宅地造成費の金額は、都道府県ごとの「宅地造成費の金額表」に記載されています。

宅地造成費の金額表は、次の手順で確認できます。

  1. 国税庁の「財産評価基準書」のサイトにアクセス
  2. 相続又は贈与によって土地を取得した年のボタンをクリック
  3. 土地のある都道府県をクリック
  4. 「その他土地関係」欄の下の「宅地造成費の金額表」をクリック

宅地造成費の金額表(東京都及び神奈川県の例)

ここでは、令和元年の東京都(神奈川県も同じ)の宅地造成費の金額表を紹介します。

金額表は年と都道府県によって異なりますが、金額以外のルール等は他道府県でも同じなので、他道府県の方も参考にして構いません。

宅地造成費の金額は、平坦地と傾斜地の区分によりそれぞれ次表に掲げる金額のとおりです。

平坦地の宅地造成費

工事費目造成区分金額

整地費整地を必要とする面積1平方メートル当たり700
伐採・抜根費伐採・抜根を必要とする面積1平方メートル当たり1,000
地盤改良費地盤改良を必要とする面積1平方メートル当たり1,800
土盛費他から土砂を搬入して土盛りを必要とする場合の土盛り体積1立方メートル当たり6,500
土止費土止めを必要とする場合の擁壁の面積1平方メートル当たり68,600

「整地費」とは、①凹凸がある土地の地面を地ならしするための工事費又②土盛工事を要する土地について、土盛工事をした後の地面を地ならしするための工事費をいいます。

「伐採・抜根費」とは、樹木が生育している土地について、樹木を伐採し、根等を除去するための工事費をいいます。したがって、整地工事によって樹木を除去できる場合には、造成費に本工事費を含めません。

「地盤改良費」とは、湿田など軟弱な表土で覆われた土地の宅地造成に当たり、地盤を安定させるための工事費をいいます。

「土盛費」とは、道路よりも低い位置にある土地について、宅地として利用できる高さ(原則として道路面)まで搬入した土砂で埋め立て、地上げする場合の工事費をいいます。

「土止費」とは、道路よりも低い位置にある土地について、宅地として利用できる高さ(原則として道路面)まで地上げする場合に、土盛りした土砂の流出や崩壊を防止するために構築する擁壁工事費をいいます。

傾斜地の宅地造成費

傾斜度金額
3度超5度以下17,900/
5度超10度以下22,100/
10度超15度以下33,900/
15度超20度以下48,200/
20度超25度以下53,300/
25度超30度以下55,500/

「傾斜地の宅地造成費」の金額は、整地費、土盛費、土止費の宅地造成に要するすべての費用を含めて算定したものです。なお、この金額には、伐採・抜根費は含まれていないことから、伐採・抜根を要する土地については、「平坦地の宅地造成費」の「伐採・抜根費」の金額を基に算出し加算します。

傾斜度3度以下の土地については、「平坦地の宅地造成費」の額により計算します。

傾斜度については、原則として、測定する起点は評価する土地に最も近い道路面の高さとし、傾斜の頂点(最下点)は、評価する土地の頂点(最下点)が奥行距離の最も長い地点にあるものとして判定します。

宅地への転用が見込めないと認められる市街地山林については、近隣の純山林の価額に比準して評価することとしています。したがって、宅地であるとした場合の価額から宅地造成費に相当する金額を控除して評価した価額が、近隣の純山林に比準して評価した価額を下回る場合には、経済合理性の観点から宅地への転用が見込めない市街地山林に該当するので、その市街地山林の価額は、近隣の純山林に比準して評価することになります。

宅地造成費の計算例(東京都及び神奈川県の例)

令和元年の東京都(神奈川県も同じ)の宅地造成費の金額表による計算例を紹介します。

他道府県も計算方法は同です(金額が違うだけです)。

平坦地の計算例

設例

面積「400平方メートル」、一面が道路に面した間口20m、奥行20mの土盛り1mを必要とする画地で、道路面を除いた三面について土止めを必要とする正方形の土地である場合

(略図)

「市街地農地等の評価明細書」の記載例

※上記評価明細書の①は、評価する農地等の面積を指します。

傾斜地の計算例

設例

道路の地表に対し傾斜度9度の土地面積「480平方メートル」、全面積について伐採・抜根を要する場合

(略図)

「市街地農地等の評価明細書」の記載例

まとめ

以上、宅地造成費について説明しました。

宅地比準方式は、税理士でも、土地評価の経験があまりない場合は、正しく、かつ、できるだけ低く評価することは難しいものです。

一般の方がご自分で土地の評価をしたがために、土地の評価方法を間違ってしまい税務調査によって過少申告が指摘され追徴課税がなされたり、反対に高く評価してしまい税額も高くなってしまったり(この場合、税務署は「もっと安くなりますよ」とは言ってくれません)といったケースが多数生じています。

土地の評価に精通した税理士なら、あらゆる評価減の制度を駆使して、評価額を目一杯下げることが可能です。

土地を相続や贈与によって取得した場合、税の申告は、土地の評価に精通した税理士に相談して進めることを強くお勧めします。

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