香典に税金はかかる?いくらまで非課税?課税されるなら相続税?
高額な香典をいただいたら、その気持ちは嬉しいけれど、税金がかかるかもしれません。
では、課税されるとしたら、相続税でしょうか?贈与税でしょうか?所得税でしょうか?
この記事では、このような香典に関する疑問について、税理士がわかりやすく説明します。
是非、参考にしてください。
[ご注意]
記事は、公開日(2020年7月8日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
相続問題でお悩みの方は
まずは弁護士にご相談ください
香典に税金はかかる?
香典に税金がかかるかどうかについて、まず結論をお伝えしたうえで、香典と相続税、贈与税及び所得税のそれぞれの関係について説明します。
基本的には香典に税金はかからない
基本的には香典に税金はかかりません。
ただし、社会通念上、相当と認められる範囲を超えた部分については、個人からの香典には贈与税、法人からの香典には所得税等がかかる可能性があります。
香典に相続税はかかる?
香典に相続税はかかりません。
香典は相続財産ではないからです。
なお、相続財産ではないので遺産分割の対象とはならず、必ずしも相続人が取得するものではありません。
香典は、喪主が取得するという説と、法定相続分に応じて相続人が取得するという説がありますが、いずれにせよ、香典は葬儀費用に充当され、喪主や相続人が取得できるのは余剰分が出た場合のみです。
香典に贈与税はかかる?
個人から受ける香典は、香典を贈る人と受ける人との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税は課税されません。
社会通念上とは、「常識的に考えて」というような意味です。
贈る人と受ける人との関係等に照らして社会通念上相当と認められる金額を超える部分については、贈与税が課税される可能性があります。
非課税となる香典の金額は、贈る人と受ける人の関係等によるため、一概に「いくらまで非課税」ということはできません。
高額の香典を受けた場合は、税理士に相談することをお勧めします。
香典に所得税はかかる?
法人から受ける香典についても、香典を贈る法人と受ける人との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、非課税です。
社会通念上相当と認められる金額を超える部分については、一時所得として所得税、復興特別所得税及び住民税が課税される可能性があります。
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。
- 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
- 競馬や競輪の払戻金
- 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
- 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除きます。)
- 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
一時所得の金額は、次のように算式します。
【総収入金額】-【収入を得るために支出した金額】-【特別控除額(最高50万円)】=【一時所得の金額】
なお、収入を得るために支出した金額とは、その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります。
一時所得は、その所得金額の1/2に相当する金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。
詳しくは、税理士に相談することをお勧めします。
香典返しの費用は相続税の計算時に控除できない
葬式費用は、相続税の計算の際に、遺産総額から控除する(差し引く)ことができますが、香典返しのためにかかった費用については、控除することはできません。
香典返しとは、香典を受けた返礼におくる品物のことです。
なお、会葬御礼のためにかかった費用については、葬式費用の一部として相続税の計算の際に控除することができます。
会葬御礼とは、通夜や葬式への参列の返礼に渡す品物のことです。
相続税の葬式費用控除について詳しくは「相続税の計算時に控除できる葬儀(葬式)費用の範囲を具体的に説明!」をご参照ください。
まとめ
以上、香典にかかる税金について説明しました。
相続税申告、贈与税申告、所得税確定申告については税理士に相談することをお勧めします。また、相続人同士でのトラブルなどは弁護士に相談しましょう。
この記事を書いた人
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