相続の確定申告は不要だが、相続税申告と準確定申告は必要な場合あり ? ?

相続の確定申告をする必要はないが、相続税申告は必要

この記事では、相続に関する税申告について説明します。

是非、参考にしてください。

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[ご注意]
記事は、公開日時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

遺産相続での確定申告は原則不要

確定申告とは、一年間の所得(儲け)に対する所得税と復興特別所得税の税額を申告して納付する手続きです。

相続財産も確定申告の対象となると勘違いされている方がいますが、相続財産については原則として確定申告は必要ありません。

確定申告が必要な場合

相続の際に必要となることがある税の申告には、主に次の3があります。

  • 亡くなった人の相続税の申告
  • 亡くなった人の準確定申告(亡くなった人の亡くなった年等の所得税の確定申告)
  • 相続人が取得した相続財産から生じた所得にかかる所得税の確定申告

また、次の場合には、必須ではありませんが、申告すると控除が受けられます。

  • 一定の寄付金を支払った場合

以下、それぞれについて説明します。

相続税の申告

財産を相続した場合には、所得税でなく相続税が課されますが、相続税には基礎控除があり、相続税の課税対象となる遺産額が基礎控除額以下の場合は、相続税がかからず申告は不要です。

基礎控除額は、以下の計算式によって計算することができます。

3,000万円+600万円+法定相続人の数

法定相続人とは、相続することができると法律で定められた人のことです。法定相続人の数え方については、関連記事の「法定相続人の数え方」の項目をご覧ください。

なお、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例等、申告要件のある規定を利用した結果として税額がなくなる場合は、申告が必要です。

つまり、相続税の申告の要否は、税額の有無ではなく、課税対象の遺産額が基礎控除額を超えるかどうかによります。

相続税の申告については、以下の記事もご覧ください。

準確定申告(亡くなった年等の所得税の確定申告)

納税者が亡くなった場合は、自分で確定申告を行うことができないので、相続人が代わりに確定申告を行います。

この確定申告のことを準確定申告といいます。

相続人が取得した相続財産から生じた所得にかかる所得税の確定申告

相続人が財産を相続した場合において、相続財産から所得が生じたときは、所得税の確定申告が必要となることがあります。

相続財産から所得が生じるケースには、主に次の2があります。

  • 相続財産から収益が生じた場合
  • 相続財産を売却して譲渡所得が生じた場合

以下、それぞれについて説明します。

相続財産から収益が生じた場合

財産を賃貸して、そこから一定額以上の所得が生じた場合は、確定申告が必要になります。

被相続人(亡くなった人)が賃貸していた財産を相続して、そのまま賃貸した場合、相続開始までの収益については被相続人の所得として準確定申告で申告します。

そして、相続開始後の収益については相続人の所得として相続人が確定申告します。

相続人が複数いる場合は、相続開始後から遺産分割までの間の収益については各相続人がそれぞれの法定相続分に応じて取得し、各相続人がそれぞれの所得を確定申告します。

遺産分割後の収益については、遺産分割協議によってその財産を取得することになった相続人が、その財産の賃料を取得することになります。

なお、被相続人の賃貸事業を相続人が引き継ぐ場合は、確定申告以外にも必要な手続きがあるので、相続に精通した税理士に一度相談しておくことをお勧めします。

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相続財産を売却して譲渡所得が生じた場合

譲渡所得とは、一般的に、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます(ただし、事業用の商品などの棚卸資産や山林などの譲渡による所得は、譲渡所得にはならず、事業所得等になります。)

ここでは、特に、土地や建物についての譲渡所得について説明します。

譲渡所得の金額は、次のように計算します。

収入金額 - (取得費 + 譲渡費用- 特別控除額 = 課税譲渡所得金額
収入金額

収入金額は、通常土地や建物を売ったことによって買主から受け取る金銭の額です。

取得費

取得費には、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます。なお、建物の取得費は、購入代金又は建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。

譲渡費用

譲渡費用とは、土地や建物を売るために直接かかった費用のことです。

修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用、売った代金の取立てのための費用などは譲渡費用になりません。

特別控除額

そして、特別控除額は、次のようになっています。

  • 収用等により土地建物を譲渡した場合 ・・・5,000万円
  • マイホームを譲渡した場合 ・・・3,000万円
  • 特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合 ・・・2,000万円
  • 特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合 ・・・1,500万円
  • 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合・・・1,000万円
    ※長期譲渡所得の場合に限ります。
  • 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合 ・・・800万円

特別控除額の最高限度額は、年間の譲渡所得全体を通じて5,000万円です。

譲渡所得税の税率は、短期譲渡所得と長期譲渡所得とで異なります。

短期譲渡所得

譲渡した年の11日現在で、所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得に、5年以下の場合は短期譲渡所得になります。

長期譲渡所得

長期譲渡所得の場合は20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)、短期譲渡所得の場合は39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)です。

例えば、30年前に1,000万円で取得した不動産を3,000万円で譲渡しその譲渡費用が100万円だった場合は、長期譲渡所得なので税率は20.315%となり、譲渡所得税額は、「3,000万円-(1,000万円+100万円)×20.315%3859,850円」となります(特別控除がない場合)。

贈与・遺贈(遺言によって財産を取得させること)・相続によって取得した財産を譲渡したときにも譲渡所得が生じ、譲渡所得税がかかります。

換価分割の場合も、遺産分割前とはいえ相続財産を譲渡するわけですから、同様に譲渡所得税がかかります。

贈与・遺贈・相続によって取得した財産の課税譲渡所得金額は、贈与者・遺贈者・被相続人(亡くなった人)がその財産を取得した際の取得費を用いて計算します。

取得費が分からない場合などには、取得費を売った金額の5%相当額とすることができますが、この場合には、相続人などが支払った登記費用などを取得費に含めることはできません。

また、長期譲渡所得となるか短期譲渡所得となるかについては、贈与者・遺贈者・被相続人の所有期間と、受贈者(贈与を受けた人)・受遺者(遺贈を受けた人)・相続人の所有期間を通算して判定されます。

なお、相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合には、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。

この特例のことを取得費加算の特例といいます。

また、譲渡所得が生じていなくても譲渡所得とみなされ、譲渡所得税がかかる場合もあります。

一定の寄付金を支払った場合

一定の寄付金を支払った場合は、相続税申告時に申告すると寄付した相続財産の相続税が非課税となり、さらに所得税申告時に申告すると所得税の控除を受けることができる場合があります。

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