高齢者見守りサービスを比較!見守りの必要がある場合は自治体へ
高齢の親が独り暮らしをしている場合などに、高齢者の生活に異変がないかどうかを、見守りサービスを利用して確認することができます。
見守りサービスには様々なタイプのものがありますが、不安に感じている事柄を整理したうえで、それぞれのサービスの特徴を理解し、最適なサービスを選択することが重要です。
この記事では、最適な見守りサービスを選択するうえで必要な情報をわかりやすく説明します。
また、見守りの必要を感じたら、見守りサービスに申し込む前に、まずは、自治体の設置する地域包括支援センターに相談することをお勧めします。
この点についても詳述しますので、是非、参考にしてください。
[ご注意]
記事は、公開日(2020年2月10日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
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目次
高齢者見守りサービスとは?
高齢者見守りサービスとは、独り暮らしの高齢者の生活に異変がないかどうかを見守り、異変があった場合には、離れて暮らす親族等に通知する等のサービスのことをいいます。
各自治体に設置された地域包括支援センターが提供するものから、民間企業等が提供するものまで様々なサービスがあります。
高齢者見守りサービスの利用目的
高齢者見守りサービスの選定に当たっては、見守りサービスの利用目的を明確にしておくべきです。
なぜなら、利用目的によって、利用すべきサービスが異なるからです。
高齢者見守りサービスは、例えば、次のようなことに役立てることができます。
- 転倒や急変時の救援
- 認知症のある方の徘徊への対応
- 社会的な孤立の防止
高齢者見守りサービスの種類
高齢者見守りサービスには、主に次の3つがあります。
- 高齢者の自宅を定期的に訪問して異変や困っていることがないかを確認するサービス
- センサー等によって高齢者の異変を検知して緊急通報するサービス
- GPS機能によって高齢者の居場所を検知して緊急通報するサービス
前述の利用目的ごとに適したサービスは下の表にようになります。
目的 | 適したサービスの種類 |
転倒や急変時の救援 | センサー等によって高齢者の異変を検知して緊急通報するサービス |
認知症のある方の徘徊への対応 | GPS機能によって高齢者の居場所を検知して緊急通報するサービス |
社会的な孤立の防止 | 高齢者の自宅を定期的に訪問して異変や困っていることがないかを確認するサービス |
以下、それぞれのサービスについて説明します。
センサー等によって高齢者の異変を検知するサービス
独り暮らしの高齢者に異変が生じたとき、高齢者自身が携帯電話を操作して救援を求めることができればよいですが、常に手元に携帯電話があるとは限りませんし、病状によっては携帯電話を操作できない場合もあります。
そのような場合に効果的なのが、センサー等によって高齢者の異変を検知して緊急通報するサービスです。
センサー等の異変を検知するための仕組みには、次のようなものがあります。
- センサーマット
- 人感センサー
- ドア開閉センサー
- 家電連動型センサー
- カメラ
- ドップラーセンサー
- ウェアラブル機器
- 手動通知装置
センサーは、高齢者の生活のリズムに異変がないかどうかを確認するためのものです。
例えば、マットレスや敷布団の上にセンサーマットを敷いておけば、起床時や就寝時にセンサーが反応して、離れて暮らす家族に起床や就寝を知らせることができます。
センサーには、センサーマット、人感センサー、ドア開閉センサー、家電連動型センサー等、様々な種類のものがありますが、見守り対象の高齢者の生活パターンに合わせて効果的なものの導入を検討するとよいでしょう。
複数の種類のセンサーを組み合わせると効果的な場合もあります。
また、通知方法について、問題がない場合は通知せずに通常の生活リズムと異なる場合にだけ緊急通知がされるような設定ができるものもあります。
緊急通知先は家族に設定することもできますし、セコムやアルソックといった警備会社の提供するサービスでは、近くの拠点に待機しているスタッフが駆けつけることができるものもあります。
また、高齢者の居室に設置したカメラと連動していて、異変を感じた場合には、室内の映像を確認することができるものもあります。
ドップラーセンサーとウェアラブル機器は、見守り対象者の心拍、呼吸、体動、血圧、体温等を計測するものです。
異変が生じた場合に家族等に通知される機能付きのものもあり、高齢者の見守りに利用することができます。
見守り対象の高齢者の体調に不安がある場合は、このような計測機能をもつ見守りサービスを併用するとよいでしょう。
手動通知装置は、見守り対象者自身が、異変を感じたときに通報をするための装置です。
異変が生じた高齢者が携帯電話によって通報できるとは限りません。
また、携帯電話が常に手元にあるとは限りませんし、異変が生じている最中に携帯電話を操作することが難しいケースもあるからです。
前述のセンサー等によって異変を自動検知できるケースもありますが、検知精度に完璧を求めることは難しく、また、異変が生じてからそれを検知するまでにタイムラグが生じることもあります。
高齢者自身が簡単な動作で緊急通知できる装置を併用することで、異変があった場合にすぐに通知される可能性を高めることができます。
通知先は、家族に設定することもできますし、センターによるものと同様、警備会社の提供するサービスを利用する場合は、警備会社にも通知がされるように設定しておいて、スタッフがすぐに駆け付けられるものもあります。
様々な形のものがありますが、寝たきり方の場合は押しボタン型が、動ける方の場合は肌身離さず身に付けていられるようなペンダント型のものがよいでしょう。
GPS機能によって高齢者の居場所を検知するサービス
徘徊の可能性がある場合は、GPS機能によって居場所を検知するサービスが、役立つことがあります。
外出時に必ず携帯電話を携帯する方ならGPS機能付きの携帯電話で十分ですが、そうでない場合は、見守り対象者が常に身に付けておける形状のものがよいでしょう。
高齢者の自宅を定期的に訪問して異変や困っていることがないかを確認するサービス
郵便局など、様々な企業が同種の訪問サービスを提供していますが、民間のサービスを申し込む前に、まずは、地域包括支援センターに相談することをお勧めします。
地域包括支援センターの専門相談員や、民生委員、地域ボランティアの方などによる定期訪問サービスを無償か、民間のサービスよりも安価に受けられることがあります。
見守りの必要性を感じたら、まず地域包括支援センターに相談
独り暮らしの高齢者の見守りについては、何かサービスを一つ導入すれば安心というわけでありません。
例えば、センサー型の見守りサービスでは感じることができない異変が生じることもあるでしょう。
どのような点に不安を感じているのかということや、どのような見守りサービスを利用すべきかということを地域包括支援センターの専門相談員に相談し、利用すべきサービスを選定するとよいでしょう。
地域包括支援センターの提携するサービスをより安価に受けられることもあります。
お近くの地域包括支援センターの探し方
支援が必要な高齢者がお住いの都道府県名をクリック(タップ)してください。
各都道府県の地域包括支援センターの一覧ページにリンクしています(都道府県でのホームページ更新等に伴い、掲載ページが変更になっている可能性があるため、ご了承ください)。
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熊本県 | 大分県 | 宮崎県 | 鹿児島県 | 沖縄県 |
まとめ
以上、見守りサービスについて説明しました。
地域包括支援センターを活用して、ご自身に過度の負担をかけずに、離れて暮らす高齢者をサポートすることを考えましょう。
この記事を書いた人
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