税理士の旧報酬規程を詳しく説明!
[ご注意]
記事は、公開日(2020年4月7日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
税理士の旧報酬規程
2002年3月までは税理士報酬の上限額を定めた税理士報酬規程がありましたが、現在は廃止され各税理士事務所が自由に報酬を設定しています。 相場感を掴むための目安となるので、紹介します。 旧報酬規程による相続税申告の税理士報酬の上限額は、次の5つの項目の合計額になります。- 税務代理に関わる基本報酬
- 税務代理に関わる加算報酬1
- 税務代理に関わる加算報酬2
- 税務代理に関わる加算報酬3
- 税務書類の作成報酬
税務代理に関わる基本報酬
税務代理に関わる基本報酬の額は、10万円です。税務代理に関わる加算報酬1
税務代理に関わる加算報酬1は、遺産総額によって下の表のとおりです。遺産総額 | 報酬 |
---|---|
5,000万円未満 | 20万円 |
5,000万円以上7,000万円未満 | 35万円 |
7,000万円以上1億円未満 | 60万円 |
1億円以上3億円未満 | 85万円 |
3億円以上5億円未満 | 110万円 |
5億円以上7億円未満 | 135万円 |
7億円以上10億円未満 | 170万円 |
10億円以上 | 180万円~ ※遺産総額が1億円増すごとに10万円を加算 |
税務代理に関わる加算報酬2
相続人1人増すごとに、加算報酬1の10%を加算します。税務代理に関わる加算報酬3
業務が著しく複雑な場合は、「加算報酬1+加算報酬2」に最大100%を加算します。税務書類の作成報酬
上記の税務代理に関わる報酬額の50%相当額を加算します。設例を基に報酬額をシミュレーション
遺産が5,000万円で相続人が4人でのケースで計算してみます。 (10万円+35万円+35万円×30%)×1.5=83万2,500円 報酬の上限額は83万2,500円となります。 相続税の仕組みや計算方法には難しい点がたくさんあります。正しく、そして不利益が出ないようにするために、ぜひ専門の税理士などに相談してみることをご検討ください。税理士費用を比べる際の注意点
料金表をウェブサイト等に掲載している税理士事務所も多いので、インターネットで税理士費用を比較することができます。 しかし、料金表に含まれていない細かな別途費用が多数設定されている事務所もあるので、費用を比較する際は、同条件で比べる必要があります。 別途費用をあまり設定せずに込々の料金表を載せている事務所と、料金表はあくまで基本料金という事務所を単純比較してしまうと、不公平な比較になっていまい、結果として、別途費用がかさんで依頼者が損してしまうことがあります。土地がある場合は特に費用で税理士を選ぶべきではない
土地には様々な評価減の制度があり、それらを駆使することによって、土地の評価額は大きく変わります。 土地の評価額は税理士が計算しても通常同じにはならず、相続税の経験豊富な税理士ほど評価額を下げることができるでしょう。 評価額が下がれば相続税の金額も下がります。 土地の評価を下げられるポイントを調査し適用するのは大変手間のかかる作業です。そのような仕事を丁寧にやるためには、どうしても費用が増します。 しかし、かかる手間、かかる費用以上に大きく税額を下げられるからそこに注力するわけなので、安易に費用の安い税理士に依頼すると、安くなった費用以上に税額が高くなり損をしてしまします。 相続税の申告を税理士に依頼する理由は、単純に手間を節約するためだけではないのです。相続税を節税することができるのです。 税理士に選び方については、関連記事をご覧ください。この記事を書いた人
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