相続税の還付を受けられるかも?!期限までに必ずチェック!
[ご注意]
記事は、公開日(2019年12月19日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
相続税を払い過ぎてしまったら還付を受けられる
相続税の税額を過大に納めてしまった場合は、更正の請求という手続によって、過大であった税額の還付を受けることができます。相続税の還付を受けられるケース
相続税の還付を受けられるケースの例には、次のようなものがあります。- 税額の計算を誤って過大に算出してしまった
- 相続財産の価額を過大に評価してまって、その結果、税額も過大になった ※特に土地の評価方法は複雑で、過大に評価してしまうケースが多々あります
- 未分割だった財産が分割された ※このケースでは、各相続人の税額が変わっても、合計の税額は変わらないので、更正の請求をせずに、相続人間で清算することも多いです。この清算金には贈与税はかかりません。
- 未分割の財産が分割され、特例等を適用した
- 遺留侵害額請求がされ弁済した
- 遺言書が見つかった
- 認知や廃除などによって相続人に異動があった
更正の請求の期限
更正の請求の期限は、法定申告期限から5年以内です。 法定申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月です。 つまり、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から5年10か月以内が、更正の請求の期限です。 ただし、例外もあります。後発的理由により、事実が生じた日の翌日から2か月が期限となるもの
- 相続税の計算の基礎となった事実に関して訴訟となり、その判決が出て計算の基礎とした内容が変わった。
- 申告時に納税者に帰属するものとされていた所得等が、他の人に帰属するものとする更正決定が税務署から行われた。
- 帳簿書類の押収やその他の事情によって税金の計算が出来なかった場合に、その事情が解消した。
- 租税条約に基づいて、日本と他の国との権限ある当局間で、当初の申告と異なる内容の合意がされた。
後発的理由により、事実が生じた翌日から4か月が期限となるもの
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- 未分割だった財産が分割された
- 未分割の財産が分割され、特例等を適用した
- 遺留侵害額請求がされ弁済した
- 遺言書が見つかった
- 認知や廃除などによって相続人に異動があった
更正の請求の手続の流れ
更正の請求の手続は、概ね次のような流れで進みます。- 税務署に更正の請求書等の必要書類を提出
- 税務署による審査
- 更正通知書の送達
- 還付金の振込
1.税務署に更正の請求書等の必要書類を提出
申告をした税務署に更正の請求書等の必要書類を提出します。 必要書類には、次のようなものがあります。- 相続税の更正の請求書
- 申告に係る課税価格、税額等及び更正の請求による課税価格、税額等
- 付表(1から4)
- 修正申告書
- 根拠資料
- 本人確認書類の写し
- 遺産分割協議書
- 遺言書
- 調停調書
- 審判書
- 判決書
2.税務署による審査
税務署の審査には2~3か月ほどかかります。 この間に、電話や面談で聴き取り調査が行わることもあります。3.更正通知書の送達
審査結果は書留郵便で送達されます。 請求が認められなかった場合は、「更正すべき理由がない旨の通知」という文書が送達されます。 審査結果に不服がある場合は、その処分の通知を受けた日の翌日から起算して3か月以内にその処分をした税務署長に対して再調査の請求又は国税不服審判所長に対して審査請求をすることができます。4.還付金の振込
請求が認められた場合は、通知書の送達後に指定口座に還付金が振り込まれます。 請求から振込までは、半年ほどかかります。相続財産に土地がある場合は還付金のチャンス
土地の評価方法は複雑で、過大に評価してしまうケースが多々ありますので、相続財産に土地がある場合は、還付金を得られるチャンスです。 相続税に特化した税理士の中には、還付金が生じそうかどうかのチェックを無償で行っている事務所もあります。 相続財産に土地がある場合や、過大な税額を納付した可能性が少しでもある場合は、一度、相談してみるとよいでしょう。この記事を書いた人
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