弁護士監修記事

アドバンスディレクティブとは。リビングウィルとの違いは?

人生の最終段階の治療やケアについて調べていると、「アドバンスディレクティブ」という言葉に出くわすことがあります。

「アドバンスディレクティブ」とは何なのでしょうか?

また、同様に「リビングウィル」という言葉に出くわすこともあるでしょう。

似たような意味をもつように感じられるかと思いますが、「リビングウィル」は「アドバンスディレクティブ」には、どのような違いがあるのでしょうか?

この記事では、以上のような疑問を解消し、人生の最終段階の医療・ケアに対して、早い段階から前向きに備えていただくために必要な知識をわかりやすく丁寧に説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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アドバンスディレクティブとは?

アドバンスディレクティブ(Advance Directive)とは、判断能力を失った際に自分に行われる治療やケアに関する意向を判断能力があるうちに意思表示することをいいます。

「事前指示」と訳され、これを書面にしたものは「事前指示書」とよばれています。

アドバンスディレクティブとして事前指示書に記すべき内容としては、例えば、「病状の悪化などにより、自分の考えを伝えられなくなった場合に、どのような治療を望むか?」という問いに対する自分の考えが挙げられます。

例えば、(1)心肺蘇生、気管挿管、人工呼吸器の使用や、集中治療室での治療など、心身に大きなつらさや負担を伴う処置を受けても、できる限り長く生きることを重視した治療を受けたいのか、それとも、(2)集中治療室への入院や心肺蘇生、気管挿管、人工呼吸器の使用などの、心身に大きなつらさや負担を伴う処置までは希望しないが、その上で少しでも長く生きるための治療を受けたいのか、それとも、(3)治療による延命効果を期待するよりも、できる限り苦痛の緩和や快適な暮らし(自分らしい生活)を大切にした治療を受けたいのかという、自分の意向を事前指示書に示しておきます。

アドバンスディレクティブは尊重されますが、必ず額面通りに実行されるわけではありません。

アドバンスディレクティブに示されている患者さんの意向と、医療・介護従事者(医師や看護師など)の考える、一番良いと思われる治療やケアの内容が食い違うことがあるためです。

そのような場合に備えて、アドバンスディレクティブの中に、自分の代わりに治療やケアの内容について医療・介護従事者と話し合ってほしい家族や友人を指示しておくことができます。

また、事前にあらゆるケースを想定して網羅的かつ具体的に意向を示すことは不可能なので、アドバンスディレクティブの内容から患者さんの意向が汲み取りにくい場合も、アドバンスディレクティブによって指定された代理人は、治療やケアの内容について、医療・介護従事者と話し合うことになるでしょう。

そしてさらに、アドバンスディレクティブの内容と医療・介護従事者の判断が合致する場合でも、医療・介護従事者はアドバンスディレクティブによって指定された代理人に確認をするでしょう。

このように、アドバンスディレクティブには、治療やケアに関する意向と、代理人の指定の2つの要素があり、誰に代理人になってもらうかという点も大変重要になってきます。

アドバンスディレクティブとリビングウィルの違い

人生の最終段階の治療やケアについて調べていると、「リビングウィル」(Living Will)という言葉に出くわすことがあります。

リビングウィルとは、判断能力を失った際に自分に行われる治療やケアに関する意向について判断能力があるうちに表示される意思のことをいいます。

リビングウィルには、アドバンスディレクティブと違って、代理人の指定は含まれません。

自分の考えを伝えられなくなったときの治療やケアにおいては、前述のとおり、代理人が大変大きな役割を果たします。

したがって、リビングウィルよりもアドバンスディレクティブを残す方がよりよいでしょう。

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは?

アドバンスディレクティブからさらに発展させたものに、アドバンスケアプランニング(「Advance Care Planning」、略称「ACP」)があります。

アドバンスケアプランニングは、アドバンスディレクティブをするに至るまでのプロセス全体を指す概念で、「人生会議」という愛称が付けられています。

アドバンスケアプランニングは、下の図のような流れで行われます。

(出典:大阪府

上の図のStep5の記録がアドバンスディレクティブです。

前述のとおり、リビングウィルにない事項については、アドバンスディレクティブによって定められた家族等の代理人が本人の意思を推察して本人に代わって意思表示をしますが、代理人がアドバンスケアプランニングにかかわることによって、代理人が本人の意思を推測しやすくなります。

また、本人がかかりつけ医としっかりとコミュニケーションをとったうえで(上の図のStep3)リビングウィルを作成することで、リビングウィルの精度が高まります。

また、かかりつけ医にとっても、本人としっかりとコミュニケーションを取っておくことで、本人の意思を推察しやすくなります。

アドバンスケアプランニングについて詳しくは「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)=人生会議とは?進め方は?」をご参照ください。

まとめ

以上、アドバンスディレクティブについて説明しました。

前掲のアドバンスケアプランニングの記事も参考にして、気が向いた時に、もしものための備えを進めてみるとよいでしょう。

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