弁護士監修記事
家族葬とは?費用の相場は?参列者をどこまで呼ぶべき?通夜はやる?

ご家族が亡くなった際、火葬までの限られたお別れの時間は、なるべく心穏やかに過ごしたいものでしょう。
しかしながら、一般的な通夜・葬儀を執り行うと、遺族は弔問客の対応に追われ、故人と過ごせる貴重な最期の時間が瞬く間に過ぎ去ってしまうおそれがあります。
そこで、故人とのお別れの時間を大切にするための選択肢として、「家族葬」があります。
この記事では、家族葬についてわかりやすく説明します。
参考にしていただけましたら、幸いです。
[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。
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家族葬とは?一般葬、一日葬、直葬、密葬との違いは?
「家族葬」とは、親族や親しい友人など、親しい関係者のみが出席して執り行う葬儀のことをいいます。家族葬の参列者は施主が選定することができ、参列者数を事前にある程度確定させることができます。通常の家族葬の想定する参列者数は50名未満です。
これに対して、親族以外に、近所の人や故人と生前付き合いのあった人が出席する、出席者の範囲が広い伝統的な葬儀のことを「一般葬」といいます。一般葬では、訃報を聞きつけた人は誰でも参列する可能性があり、施主の想定をよりも多くなったり少なくなったりすることがあります。通常の一般葬の参列者数は50名以上です。
家族葬は一般葬よりも参列者が少ない分だけ費用が安くなりますが、仕組み上、費用が安くなった分以上に香典で得られる金額が減ってしまいます。
また、家族葬では、通夜・告別式、火葬等は一般葬と同様に執り行われます。これに対して、通夜は執り行わず、告別式と火葬のみを執り行う葬儀のことを「一日葬」といいます。さらに、通夜・告別式を執り行わず、親族や親しい友人など親しい関係者のみが出席して火葬のみを執り行う葬儀のことを「直葬」といいます。
ここまでの説明をまとめると、下の表のようになります。
葬儀の種類 | 参列する可能性のある人 | 参列者の例 | 参列者の想定数 | 通夜の有無 | 告別式の有無 |
一般葬 | 訃報を聞いた人 |
| 50名以上 | 有り | 有り |
家族葬 | 施主から招待された人 |
| 50名未満 | ||
一日葬 | 無し | ||||
直葬 | 無し |
また、家族葬と同様、親族や親しい友人だけで行われる葬儀に「密葬」がありますが、密葬は、密葬の後に、日を改めて、多くの人が参列する「本葬」を実施する点が、家族葬と異なります。
例えば、会社の社長が亡くなったときに、身内だけで密葬をした後、日を改めて、取引先等が参列する本葬(社葬)を会社主催で実施したりします。
密葬と本葬を分けて実施する形式は、主に著名人の葬儀で用いられるもので、一般の人の葬儀でこのような形式がとられることはほとんどないでしょう。
家族葬のメリット
家族葬には、次のようなメリットがあります。
- 遺族が参列者の対応に追われることなく落ち着いて故人とのお別れの時間がとれる
- 参列者が身内だけなので、気兼ねなく自由な葬儀ができる
- 費用が抑えられる
ただし、費用の点については、節約できた分以上に香典が減ることが想定されるので、デメリットであるともいえるでしょう。
家族葬のデメリット
一方、家族葬には次のようなデメリットがあります。
- 招待されなかったことを不満に思う方がいることがある
- 葬儀後の弔問客が増える可能性がある
- 誰を呼んで誰を呼ばないかを考えるのが煩雑
1点目については、事前に訃報の連絡時に、家族葬であることを丁寧に説明することで、ある程度、理解を得られる可能性があります。
家族葬の費用の相場
家族葬は、精進落としの料理や会葬御礼の返礼品がないプランであれば、最低、40万円程度から実施することができます。
料理や返礼品のグレードや数量に応じて、金額が加算されます。
また、どのくらいの規模、グレードの会場を利用するか、お花などで祭壇や会場をどのくらい装飾するかによっても金額が変わってきます。
複数の葬儀社から見積もりをとって比較することをお勧めします。
また、見積もりを比較する際は、見積もり金額に含まれる内容を確認し、内容を揃えたうえで金額を比較しなければ意味がありません。
内容を確認する際は、可能な限り具体的に確認すべきです。
例えば、パンフレットに「祭壇設置費用:○万円~」とあって、その横に豪華な祭壇の写真が載っていた場合に、記載の金額で写真のような祭壇が設置できると考えるのが当然かと思いますが、写真はイメージであって、このような祭壇にしたい場合は追加費用が必要である旨の説明が後からあることもあります。
このようなことにならないように、金額に含まれる内容をできる限り具体的に確認していくことが重要です。
このような確認に対して明確に返答しない葬儀社は、検討対象から外した方が無難でしょう。
まとめ
以上、家族葬について説明しました。
故人とのお別れの時間が充実したものとなりますことをお祈りしております。
また、身近な方が亡くなると、葬儀だけでなく、役所や相続関連の手続きも必要です。
以下の記事も参考になれば幸いです。
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