国際相続で弁護士が必要な理由、費用の相場、選び方

 亡くなった人もしくは相続人が、外国人であるか、もしくは外国に住んでいる場合、遺産が外国にある場合、又は、外国で作成された遺言がある場合などは、日本の法律だけでなく外国の法律も関係してくるため、一般的な相続よりも相続手続きがより難しくなる傾向にあります。

このような国際相続のケースでも、弁護士に相談・依頼すれば、手続きをつつがなく進めることができるでしょう。

この記事では、国際相続で弁護士が必要な理由や、弁護士費用の相場、弁護士の選び方等について、わかりやすく説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、公開日(2021年5月13日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

国際相続とは?

「国際相続」という言葉は、法律用語ではなく明確な定義があるわけではありませんが、一般に、相続財産や相続関係者が国境をまたぐ相続のことをいい、すなわち、何らかの国際性をもつ相続のことをいいます。

例えば、次のような場合の相続のことを「国際相続」とよぶことがあります。

  • 被相続人(亡くなった人)が外国人である
  • 被相続人が外国に居住している
  • 相続人又は受遺者(遺言によって財産をもらい受ける人)の中に外国人がいる
  • 相続人又は受遺者の中に外国に居住している人がいる
  • 遺産(の一部)が外国にある
  • 外国法の下で作成された遺言がある

国際相続で弁護士が必要な理由

国際相続でない一般的な相続では、相続人間で争いでなければ、弁護士に依頼せずに遺産分割をすることも可能ですが、国際相続については、争いがある場合は勿論、争いがない場合であっても、弁護士の関与なく遺産分割を完了させることは極めて難しいでしょう。

その理由は、次のとおりです。

  • 外国法の適用を受ける可能性がある場合、一般の方では、外国法の調査・解釈は難しい
  • 外国法の下で作成された遺言の有無を調査しその有効性の判断等を行う必要がある場合、一般の方では難しい。
  • 外国に相続人がいる可能性がある場合はその国で身分関係を調査する必要があり、一般の方では、このような調査は難しい。
  • 外国に遺産が存在する可能性がある場合、一般の方では、その存否及び権利関係等を調査することが難しい。
  • 相続人や受遺者に外国人がいる場合、外国語で遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成しなければならないが、たとえその言語に精通していたとしても、法的な問題に留意しつつ、外国語で協議し文書を作成することは、一般の方には難しい。
  • 外国に遺産がある場合、名義変更の手続きをするのに、その国の言語と手続きに精通していなければ難しく、また、国によってはプロベイト(プロベートともいいます。「PROBATE」)という特別な検認裁判等の手続きが必要になることもある(アメリカなど)。また、日本にある遺産の取得者が外国人の場合も、特別な書類が必要になることがあり、一般の方では対応が難しい。

国際相続の弁護士費用の相場

弁護士によって報酬体系はそれぞれ異なります。

また、一口に「国際相続」といっても、前掲のとおり様々なケースがあり、ケースによっても報酬の計算方法は異なります。例えば、外国にある遺産の名義変更をしたいというケースと、外国人である他の相続人との間で遺産分割を巡って争いがあり、協議や法的手続きの代理を依頼したいという場合では、一般に、弁護士が稼働する時間数や手続きにかかる煩雑さの程度等から、後者の方が弁護士費用は高額になるでしょう。

したがって、国際相続の弁護士費用の相場について一概に論じることは難しいのですが、一般的な国内相続の場合と比べて、少なくとも2割程度は高額になると考えておいた方がよいでしょう。

なお、国内相続の場合の弁護士費用については、「遺産相続の弁護士費用の相場。誰が払う?払えない場合の対処法」をご参照ください。

国際相続での弁護士の選び方

国際相続では、弁護士をどのように選べばよいのでしょうか?

国際相続では、外国法や外国の手続きが関係するケースが多く、そのような場合は、日本の弁護士資格と併せて、当該国の弁護士資格を保有している弁護士に依頼するとよいように思われるでしょう(なお、アメリカの場合は州ごとに法律が異なり、弁護士資格も州ごとに受験資格や合否判定等が異なります。)。

しかし、日本の弁護士資格のほかに外国の弁護士資格も保有している弁護士の専門分野は、相続ではなく、外国とのビジネス法務に関する案件を基本として扱う弁護士が多いため、その国(又は州)の弁護士資格を保有しているからといって、その国の相続法に精通しているとは限りませんし、相続については対応していないという弁護士も多いでしょう。

依頼する弁護士が当該国の弁護士に資格を保有していなくても、国際相続に精通している弁護士は、必要に応じて現地の弁護士と連携して解決に当たってくれますので、当該国の弁護士資格の有無にはこだわる必要はないでしょう。

なお、当サイトにも相続問題に注力している弁護士が掲載されているので、まずは相談してみるとよいでしょう。

まとめ

以上、国際相続で弁護士が必要な理由や、費用の相場、選び方などについて説明しました。

国際相続では、弁護士の関与なしに手続きを進めることは難しく、意図せず当該国の法令に抵触してしまったり、遺産が塩漬けになってしまうリスクがあるため、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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