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みなし譲渡として譲渡所得税が課税されてしまうケースを丁寧に解説!

みなし譲渡として譲渡所得税が課税されてしまうケース

通常、財産を譲渡した際の所得には譲渡所得税が課税されます。ですが譲渡所得が生じていなくても、譲渡所得が生じたものとみなして、譲渡所得税が課税されるケースがあります。

これを「みなし譲渡所得」と言い所得税や消費税がかかります。みなし譲渡所得にはいくつかのパターンがあり、個人が法人に贈与した場合、限定承認した場合などそれぞれ異なります。

実際のところ、みなし譲渡所得の話は難しいので、税理士などの専門家に相談するのもおすすめです。思いがけず多額の税金がかかることがあります。

今回はみなし譲渡所得や、譲渡所得についても詳しく紹介していきます。相続の予定がある人は是非、紹介してください。

[ご注意]
記事は、公開日(2019年5月23日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

譲渡所得とは?譲渡所得税の計算方法

「みなし譲渡所得」について理解するためには、そもそも「譲渡所得」について理解していなければなりませんので、まずは、「譲渡所得」について説明します。

譲渡所得とは、一般的に、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます(ただし、事業用の商品などの棚卸資産や山林などの譲渡による所得は、譲渡所得にはならず、事業所得になります。)

ここでは、特に、土地や建物についての譲渡所得について説明します。

譲渡所得の金額は、次のように計算します。

収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額 = 課税譲渡所得金額
収入金額
通常土地や建物を売ったことによって買主から受け取る金銭の額
取得費
売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費など。建物の取得費は、購入代金又は建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります
譲渡費用
土地や建物を売るために直接かかった費用。修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用、売った代金の取立てのための費用などは譲渡費用になりません。

そして、特別控除額は、次のようになっています。

  • 収用等により土地建物を譲渡した場合 ・・・ 5,000万円
  • マイホームを譲渡した場合 ・・・ 3,000万円
  • 特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合 ・・・ 2,000万円
  • 特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合 ・・・ 1,500万円
  • 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合・・・1,000万円
    ※長期譲渡所得の場合に限ります。
  • 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合 ・・・ 800万円

特別控除額の最高限度額は、年間の譲渡所得全体を通じて5,000万円です。

不動産に対する譲渡所得税の税率は、長期譲渡所得と短期譲渡所得とで異なります

長期譲渡所得
20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
短期譲渡所得
39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)

不動産を売った年の11日現在で、その不動産の所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得に、5年以下の場合は短期譲渡所得になります。

例えば、30年前に1,000万円で取得した不動産を3,000万円で譲渡しその譲渡費用が100万円だった場合は、長期譲渡所得なので税率は20.315%となり、譲渡所得税額は、「3,000万円-(1,000万円+100万円)×20.315%3859850円」となります(特別控除がない場合)。

贈与・遺贈・相続によって取得した財産を譲渡したときにも譲渡所得が生じる

贈与・遺贈・相続によって取得した財産を譲渡したときにも譲渡所得が生じ、譲渡所得税がかかります。

なお、遺贈とは、遺言によって財産を取得させることをいいます。

贈与・遺贈・相続によって取得した財産の課税譲渡取得金額は、贈与者・遺贈者・被相続人(亡くなった人)がその財産を取得した際の取得費を用いて計算します。

取得費が分からない場合などには、取得費を売った金額の5%相当額とすることができますが、この場合には、相続人などが支払った登記費用などを取得費に含めることはできません。

また、長期譲渡所得となるか短期譲渡所得となるかについては、贈与者・遺贈者・被相続人の所有期間と、受贈者(贈与を受けた人)・受遺者(遺贈を受けた人)・相続人の所有期間を通算して判定されます。

みなし譲渡所得とは?

みなし譲渡所得とは、譲渡所得が生じていないにもかかわらず、譲渡所得とみなされ、譲渡所得税の課税対象となる金額のことです。

次のいずれかに当たる場合は、時価相当額の代金を受け取ったものみなされ、譲渡所得金額が計算されます。

  • 個人が法人に贈与した場合
  • 時価の半額未満で譲渡した場合
  • 限定承認をした場合

以下、それぞれについて説明します。

個人が法人に贈与した場合

法人に財産を贈与した場合は、その財産を時価で譲渡したものとみなして、課税譲渡所得金額を計算します。

個人に贈与した場合は贈与者には譲渡所得税はかかりませんが、法人に贈与した場合は贈与者に譲渡所得税がかかるので、注意が必要です。

時価の半額未満の金額で譲渡した場合

時価の半額未満の金額で譲渡した場合も、その財産を時価で譲渡したものとみなして、課税譲渡所得金額を計算します。

譲渡先が法人か個人かにかかわらず、同様の取り扱いになります。

例えば、Aさんが1,000万円で取得した土地が値上がりして時価3,000万円になったとします。

Aさんは、この土地を1,000万円で譲渡したとします。

この場合、Aさんは1,000万円で取得した土地について、同じく1,000万円で譲渡したので、プラス・マイナスはゼロで、譲渡所得はありませんが、みなし譲渡所得によって、Aさんの課税譲渡所得金額は、3,000万円-1,000万円=2,000万円となります(譲渡費用と特別控除額はないものとした場合)。

限定承認をした場合

限定承認とは、相続人が相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈(遺言による遺産の全部又は一部の処分)を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることをいいます。

例えば、相続人が相続によって1,000万円を得たところ、600万円の被相続人の債務があり、さらに、相続人以外の人に500万円を遺贈する旨の遺言があった場合、単純承認の場合は「1,000万円-600万円-500万円 = マイナス100万円」となり、相続人の100万円の持出しが生じてしまいますが、限定承認の場合は持出しは生じません。

つまり、簡単にいうと、限定承認とは、プラスの財産からマイナスの財産と特定遺贈(対象となる財産を特定した遺贈)される財産を差引いて余りが出た分だけ相続し、マイナスになったとしても相続人はマイナス分を負担しなくてよいという制度です。

限定承認をすると、相続開始時にその時の時価で被相続人から相続人に対して相続財産の譲渡があったものとみなされます。

そうすると、被相続人が取得した時よりも、その財産が値上がりしていれば、譲渡所得税がかかることになります。

また、マイホームを譲渡した場合の譲渡所得には、最高3,000万円の特別控除や税率軽減制度がありますが、譲渡が配偶者や親子などの等の特別な関係にある人の間で行われた場合は、いずれも適用を受けることができません。

限定承認の場合は、被相続人と相続人の間で譲渡が行われたとみなされ、また、被相続人と相続人は、この特例でいう特別な関係に当たることがほとんどなので、これらの控除や軽減制度を受けられることはほとんどないでしょう。

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この記事を書いた人

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