弁護士監修記事

使用貸借の借主の地位は原則相続しないが相続する場合もある!

使用貸借の借主としての地位は、原則として、相続できませんが、相続できる場合もあります。

この記事では、どのような場合に使用貸借の借主としての地位を相続できるのか、弁護士がわかりやすく説明しますので、是非参考にしてください。

なお、「親の所有する土地を子供が使用貸借することで相続税の節税になるか」という点については、別の記事(「貸宅地とは。評価方法と貸家建付地との違い、貸宅地による相続税対策」の「貸宅地にすると節税できる?」の項目)をご参照ください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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使用貸借の借主としての地位は原則相続しない

使用貸借の借主としての地位は原則として相続しません。

つまり、借主の相続人は、借主の死亡後に、使用貸借の目的物(借りていた物)を使用収益することは原則としてできません。

これは「使用貸借は、借主の死亡によって終了する。」と法律(民法5973項)に定められているためです。

借主が死亡すると使用貸借は終了するので、借主の相続人は借主として地位を相続できず、目的物を使用収益することは原則としてできないのです。

使用貸借の借主としての地位を相続できる場合もある

前述のとおり、使用貸借の借主としての地位は原則として相続できませんが、次のすべてに該当する場合には、使用貸借の借主としての地位を相続できるとする裁判例があります東京地方裁判所平成5年9月14日判決)。

  • 土地の使用貸借であり、かつ、その敷地上の建物を所有することを目的としている
  • 建物所有の用途にしたがって土地の使用を終えていない
  • 建物所有の用途にしたがって土地の使用を終えたときに土地の返還の時期が到来するものと解するのが相当でないような特段の事情がない

これらの要件について、以下、それぞれ説明します。

土地の使用貸借であり、かつ、その敷地上の建物を所有することを目的としている

契約の目的は、当事者の合意によりますが、黙示の合意でも足りると解されています。

例えば、貸主が、借主による建物の建築を認識していたにもかかわらず、特に異議を述べず黙認したような場合は、建物所有目的であることが認められる可能性が高いでしょう。

建物所有の用途にしたがって土地の使用を終えていない

建物の耐用年数が残っていて建物が使用されている場合は、この要件を満たすでしょう。

建物所有の用途にしたがって土地の使用を終えたときに土地の返還の時期が到来するものと解するのが相当でないような特段の事情がない

例えば、借主の死亡によって契約が終了することに合意していた等のような特段の事情がない限りは、この要件を満たすものと解されます。

使用借権の相続税評価額は0

財産を相続等によって取得した場合、相続税の計算上、相続財産の価額を評価しなればなりませんが、使用借権の相続税評価額は0です。

よくある質問

以上、使用貸借の借主としての地位の相続について説明しました。

最後にまとめとして、よくある質問とその回答を示します。

使用貸借の借主としての地位を相続できる?

原則として相続できません。

使用貸借の借主としての地位を相続できる場合は?

次のすべてに該当する場合には相続できるとする裁判例があります。(1)土地の使用貸借であり、かつ、その敷地上の建物を所有することを目的としている。(2)建物所有の用途にしたがってその使用を終えていない。(3)建物所有の用途にしたがってその使用を終えたときにその返還の時期が到来するものと解するのが相当でないような特段の事情がない。

「建物所有の用途にしたがって土地の使用を終えたときに土地の返還の時期が到来するものと解するのが相当でないような特段の事情」とは?

例えば、借主の死亡によって契約が終了することに合意があったといった場合には、この特段の事情があったといえるでしょう。

使用借権の相続税評価額は、どのように計算すればよいでしょうか?

使用借権は、相続税の計算上、評価しません。使用借権の相続税評価額は0です。

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