弁護士監修記事

相続専門弁護士の方が相続問題に強い?選び方と費用は?

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当サイトのような相続関連のサイトを運営していると、Google等で「相続専門弁護士」といった語で検索する方が多くいらっしゃることがわかります。

そこで、この記事では「相続専門弁護士」について説明します。

弁護士選びの参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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依頼するなら相続専門の弁護士がいい?

弁護士は法律全般の専門家ですが、特定の分野に特化して経験を積んでいる弁護士もいます。

相続に特化し、相続問題を中心的に取り扱う弁護士もいます。

このような弁護士を「相続専門弁護士」というとすれば、「相続専門弁護士」に依頼することは有益なケースがあると思います。

なお、「専門」を「専業」という意味ととらえれば、相続問題「のみ」取り扱う弁護士はおそらくあまりいないのではないかと思います。

しかし、依頼者にとって重要なことは、より良い結果を得ること(例えば、希望する遺産分割を実現すること)であって、そのためには、弁護士が相続問題の経験が豊富であることは有用ですが、相続専門(専業)であることにこだわる必要はないでしょう。

単純計算で言っても、相続専門(専業)でキャリア1年の弁護士よりも、相続案件の割合は1割程度でもキャリア30年の弁護士の方が、3倍の相続案件をこなしている計算になりますし、また、相続以外の案件での経験や人生経験等も相続案件に活きてきます。

しがって、相続問題で弁護士を探すに当たっては、相続専門(専業)であることにこだわる必要はなく、相続問題の経験やその他の案件等での経験が豊富な弁護士を選ぶとよいでしょう。

なお、日本弁護士連合会(以下「日弁連」)の「業務広告に関する指針」では、専門分野と得意分野の表示について、次のとおり定められています。

(1) 専門分野は、弁護士等の情報として国民が強くその情報提供を望んでいる事項である。一般に専門分野といえるためには、特定の分野を中心的に取り扱い、経験が豊富でかつ処理能力が優れていることが必要と解されるが、現状では、何を基準として専門分野と認めるのかその判定は困難である。専門性判断の客観性が何ら担保されないまま、その判断を個々の弁護士等に委ねるとすれば、経験及び能力を有しないまま専門家を自称するというような弊害も生じるおそれがある。客観性が担保されないまま専門家、専門分野等の表示を許すことは、誤導のおそれがあり、国民の利益を害し、ひいては弁護士等に対する国民の信頼を損なうおそれがあるものであり、表示を控えるのが望ましい。専門家であることを意味するスペシャリスト、プロ、エキスパート等といった用語の使用についても、同様とする。

(2) 得意分野という表示は、その表現から判断して弁護士等の主観的評価にすぎないことが明らかであり、国民もそのように受け取るものと考えられるので、規程第3条第2号又は第3号に違反しないものとする。ただし、主観的評価であっても、得意でないものを得意分野として表示する場合は、この限りでない。

これによると、弁護士は、「相続専門」、「相続のスペシャリスト」、「相続のプロ」、「相続のエキスパート」といった表示は控えるのが望ましく、一方、「相続案件が得意」といった表示については、そのような自認がありさえすれば、規程に違反しないということなります。

なお、この「規程」とは、日弁連の定める「弁護士等の業務広告に関する規程」のことであり、その第3条第2号及び第3号において、次のとおり定められています。

第三条 弁護士等は、次に掲げる広告をすることができない。

二 誤導又は誤認のおそれのある広告

三 誇大又は過度な期待を抱かせる広告

また、「相続に強い」、「詳しい」、「精通している」、「経験が豊富」といった表示についても、その判断の客観性が担保されていないのであれば、同様に控えるのが望ましいと言えるのかもしれません。

よって、弁護士を選ぶに当たっては、相続問題に精通していることが客観的に判断できることを重視するとよいでしょう。

また、コミュニケーションがとりやすいか、費用が不合理に高くないかといった点も、併せて重要です。

相続問題で弁護士の選び際のポイント

前述のとおり、相続問題で弁護士を選ぶ際のポイントとして、次の3つが重要であると思います。

  • 相続問題に精通していることが客観的に判断できる
  • コミュニケーションがとりやすい、信頼できる、熱意が感じられる
  • 費用が不合理に高くない

これらのポイントについて、以下、説明します。

相続問題に精通していることが客観的に判断できる

弁護士の事務所のウェブサイトに「相続問題に強い」、「相続問題に詳しい」等の表示があることがあります。

このような表示があることによって、その事務所が、相続問題の受任に関心が高いことはわかりますが、自己アピールだけでは、本当に相続問題に精通しているのかはわかりません。

その判断のためには、客観的な指標が必要です。

この点、判断の指標の一つとして、次の点が挙げられます。

  • 相続に関する弁護士向けの著書出版、論文執筆やセミナー講師等の実績がある
  • 相続に関する有名な裁判例の担当実績がある
  • 弁護士になってから一定程度の年数を経て相続事件等の受任件数が多い
  • 費用体系が明確

以下、それぞれの点について説明します。

相続に関する弁護士向けの著書やセミナー講師の実績がある

一般の方向けの著書やセミナーは、一般的な弁護士の知識があれば可能ですが、弁護士向けの書籍やセミナーについては、その問題に精通していなければ難しいでしょうから、指標となりえます。

ただし、流通していない書籍の執筆実績を広告目的で掲げているケースもあるので、書名や出版社名で検索する等の裏取りは必要です。

例えば、書名で検索してもほとんど情報が出てこなかったり(Amazonのような大きなサイトで取り扱いがない、東京都立図書館のような大きな図書館に蔵書がない等)、出版社名で検索してもサイトが存在せず、出版社の住所が事務所と同じ住所になっているケースもあります。

相続に関する有名な裁判例の担当実績がある

弁護士向けの専門誌に掲載されるような有名な相続関連の裁判例を担当している弁護士は、相続問題に精通している可能性が高いでしょう。解決事例をウェブサイトに掲載している事務所もありますが、これも判断材料の一つにはなりえますが、うがった見方をすれば、解決事例は創作可能です。この点、判決日や裁判所名が記載された裁判例であれば、創作はできないので、確かな指標となります。

また、サイト上の「相続の解決実績○○件」というような記載があるケースもありますが、これも判断材料の一つにはなりえますが、やはり、件数の裏取りが不可能であり、この件数が多ければ信頼できるとは言い切れません。

実績については確認が難しい向きもあり、また、弁護士としてのキャリアが一定年数以上あれば、相続についてもある程度の経験を積んでいるでしょうから、実績の詳細にはこだわらずに、他の点を重視するというのでもよいでしょう。

弁護士になってから一定程度の年数を経て相続事件等の受任件数が多い

ある程度の弁護士実績年数や多くの(数件程度ではない)相続事件の受任件数をこなしているというキャリアは相続に精通しているという客観的な指標の目安になるのではないかと思われます。

費用体系が明確

相続問題の経験があまりない場合、この分野の料金表が用意されていないことがあります。

コミュニケーションがとりやすい、信頼できる、熱意が感じられる

相続問題でより良い結果を得るためには、コミュニケーションがとりやすく、信頼でき、熱意が感じられる弁護士に依頼することが重要です。

無料相談に応じている弁護士もいるので、依頼前の面談時に、この3点から弁護士を評価してみてください。

インターネット等の情報を基にある程度絞り込んだ上で、複数の弁護士の話を聞き比較してみるのもよいでしょう。

相談したからといって、依頼しなければならないわけでないので、まずは気軽に電話してみるとよいでしょう。

ポイントとしては、親身になってあなたの話に耳を傾けてくれるか、説明がわかりやすいか、質問に丁寧に答えてくれるか、費用についても事前に明確にしてくれるか、契約を急かさないか、なるべく良い結果が得られるように努めようとする姿勢が感じられるか等が挙げられます。

ただし、相談時間には限りがあるため、相談者の話が脱線してしまったときは、貴重な相談時間を無駄にしないため、弁護士が軌道修正を促すことがあります。このような軌道修正は必要なことなので、これをもって、「話を最後まで聞いてくれないから、この弁護士は駄目だ!」と決めつけるのは早計でしょう。

費用が不合理に高くない

費用については、前述のとおり、費用体系が明確で存在していて、質問に丁寧に回答してくれる弁護士が望ましいでしょう。

また、不合理に高額な事務所は避けた方がよいでしょう。

安ければよいというわけではありませんが、相場よりも高いのであれば、納得のいく説明が得られるとよいでしょう。

近くの弁護士を選ぶべき?

弁護士の事務所の所在地が遠いと、面談に行くのに時間とお金がかかります。

また、依頼後に弁護士が他の相続人と協議する際に、協議場所が弁護士の事務所の所在地から遠い場合は、出張の日当や宿泊費・交通費が必要になることがあります。

日当の相場は、半日で3万~5万円1日で5万~10万円です(宿泊費・交通費の実費は別)。

調停や審判になった場合も、同様です。

調停は相手方(複数いる場合はその内の誰か)の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定めた家庭裁判所で行われ、審判は被相続人(亡くなった人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定めた家庭裁判所で行われます。

日当等の費用をおさえるには、なるべく地元の弁護士に依頼するとよいという考え方もできますが、弁護士との面談も、協議・調停・審判も、現代は、電話会議で行うことができるので、弁護士の事務所の場所は、今は、それほどこだわる必要はないでしょう。

また、対面で行う場合でも、日当等の金額は希望する遺産分割の実現によって得られる利益に比べて少額であるケースが多いでしょうから、事務所の場所にこだわり過ぎずに、まずは近くの弁護士を探してみて、気に入る弁護士が見つからなかった場合は、遠方でも気に入る弁護士に依頼した方がよい場合もあります。

どこの弁護士が良いかわからない…という場合は、まずはインターネットで検索してみても良いでしょう。

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相続分野の弁護士ランキングはある?

弁護士を探す際に「相続 弁護士 ランキング」といったキーワードで探す人が多いようです。

しかし、「相続弁護士ランキング」なるランキングは、公的なものはありませんし、民間の格付け機関によるものも存在しないようです。

企業法務の分野では、日本経済新聞社が毎年、企業や弁護士にアンケート調査をおこなって集計しているランキングがありますが、相続分野では、そのようなランキング付けは行われていないようです。

また、事務所の所属弁護士数ランキングは存在していますが、所属弁護士数が多い事務所が必ずしも遺産分割案件に強いというわけではありませんので、遺産分割の弁護士を、所属弁護士数ランキングを元に選ぶというのは合理的ではないでしょう。

弁護士の口コミの確認方法

レストラン等を選ぶ際はウェブ上で口コミ(クチコミ)を確認してお店を選ぶということをしている人も多く、レストラン等の口コミを投稿し閲覧できるサイトも多くあります。

しかし、弁護士については、そのような口コミが充実したサイトはあまりありません。

現状、弁護士の口コミを掲載しているサイトの一つに、Googleマップがあります。

Googleマップでは拠点ごとに口コミが掲載される仕組みになっています。

したがって、同じ事務所でも東京のオフィスと大阪オフィスでは異なる口コミが掲載されています。

このような口コミを閲覧できる機能は、一見、弁護士選びに有用に思われますが、注意点もあります。

一つ目の注意点としては、口コミの掲載数があまり多くないということです。

まだ口コミが一つも掲載されていない事務所も多いです。

二つ目の注意点としては、口コミは誰でも投稿でき、その口コミが事実に基づくものか検証されていないという点です。

Googleマップの口コミは、Googleアカウントさえあれば、誰でも投稿することができます。

その口コミが事実に基づく正当なものかどうかは分からないので、あくまで参考程度に留めておくことが賢明でしょう。

Googleマップ:https://www.google.com/maps/

相続問題の弁護士費用

弁護士に依頼した場合の費用について説明します。

弁護士費用は誰が払う?

弁護士費用を払うのは、「弁護士に依頼した人」です。

当事者間に利害の対立がある場合、弁護士は、依頼者の利益になるように主張を組み立て、相手方と交渉します。

なお、弁護士は、裁判所のような中立な機関ではないので、本質的に利害関係が対立する性質を有する相続人全員で一人の弁護士に依頼して妥当な遺産分割方法を決めてもらうというような利用方法は、本来、予定されている弁護士の利用方法ではありません。

このような利用方法であれば、家庭裁判所の遺産分割調停や遺産分割審判の手続きを利用する方が一般的でしょう(遺産分割調停については「遺産分割調停前に知っておくべき調停を有利に進める方法と調停の流れ」参照)。

弁護士費用の相場

相続問題の主な弁護士費用には、着手金と報酬金があります。

着手金は、弁護士に依頼した段階で支払うもので、仮に遺産分割協議で期待する結果が得られなかったとしても、返金はされません。

報酬金は、遺産分割協議や遺産分割調停が成立したときや、遺産分割審判が下ったときに、その段階で支払うものです。通常、報酬金は、取得することになった遺産の価額に対する割合で設定されます。

ばらつきはありますが、大体、着手金は30万~50万円、報酬金は取得した遺産額の1016%が相場といえると思います。

まとめ

以上、「相続専門弁護士」について説明しました。

相続専門であることにこだわり過ぎず、次のような点から弁護士を選ぶとよいでしょう。

  • 相続問題に精通していることが客観的に判断できる
  • コミュニケーションがとりやすい、信頼できる、熱意が感じられる
  • 費用が不合理に高くない

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