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相続税の延滞税がかかる場合と免除される場合【延滞税の計算例付き】

相続税に強い税理士
期限内に相続税を納付しなければ、延滞税がかかることがあります。 期限ギリギリに慌てて計算したために計算ミスしてしまい、過少申告になってしまったら…。 もし、事情があって、期限内の申告が間に合わないと分かっている場合にもなすすべはないのでしょうか。 この記事では、延滞税がかかる場合と免除される場合の違いや、延滞税の計算方法、延滞税以外の附帯税(各種加算税)、お金がなくて相続税を納付できない場合の対処法(延納、物納)等について説明します。 是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、公開日(2020年9月9日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

延滞税とは?

延滞税とは、税金が定められた期限までに納付されない場合に、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課される、利息に相当する税金のことです。

延滞税がかかる場合

例えば次のような場合には延滞税が課されます。
  1. 申告などで確定した税額を法定納期限までに完納しないとき。
  2. 期限後申告書又は修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税額があるとき。
  3. 更正又は決定の処分を受けた場合で、納付しなければならない税額があるとき。
いずれの場合も、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じた延滞税を納付しなければなりません。法定納期限とは、国税に関する法律の規定により国税を納付すべき期限をいい、原則として法定申告期限と同一の日となります。

法定納期限とは

相続税の法定納期限(=法定申告期限)は、「その相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」です。相続は死亡によって開始します。つまり、「その相続の開始があったことを知った日」とは、「被相続人(死亡して財産を残す人)の死亡を知った日」のことです。なお、「被相続人の死亡を知った日」は、「社会通念上死亡を知り得た日」と解釈されているので、基本的には、死亡日ということになります。要するに、通常は、「被相続人の死亡日の翌日から10か月以内」が相続税の法定納期限ということです。例えば、亡くなったのが1月1日だとすると、11月1日が法定納期限です。 上の1のケースは、期限内に申告は済ませたものの、期限内に納付をしなかった場合です。 2について、期限後申告書は、申告期限後に初めて申告する場合に用いる申告書です。修正申告書は、期限内に申告したものの、その際に税額を実際より少なく申告していたため、申告内容を修正する場合に用いる申告書です。 いずれの場合も、原則として、法定納期限(期限後申告又は修正申告をした日ではありません)の翌日から延滞税が課せられます。 ただし、法定納期限後に次のような事由が生じて修正申告をした場合は、法定納期限の翌日から修正申告をした日までの延滞税は免除されます(修正申告をした日までに税額を納付しなかった場合は翌日から延滞税がかかります)。
  • 当初申告後に遺産分割した
  • 遺産分割をやり直した
  • 遺留分侵害額が確定した
  • 相続人に変動が生じた
  • 遺言書が発見された
3について、「更正」とは、申告内容について税務署が調査した結果、税額が正しくないと判断した場合に税額を更正する処分です。「決定」とは、無申告の場合に、税務署が調査して税額を決定する処分です。 いずれの場合も法定納期限(構成又は決定の処分を受けた日ではありません)の翌日から延滞税が課せられます。
延滞税は本税(例えば、相続税、贈与税など)だけを対象として課されるものであり、加算税などに対しては課されません。加算税とは、適切に申告しなかった人に対して加算される罰則的な意味合いの税金で、相続税についての加算税には、無申告加算税、過少申告加算税及び重加算税があります。

延滞税の計算期間の特例

期限内申告書の提出後1年以上経過して修正申告又は更正があった場合(重加算税が課された場合を除く)には、法定納期限から1年を経過する日の翌日から修正申告書を提出した日又は更正通知書を発した日までは延滞税の計算期間から控除されます。 また、期限後申告書の提出後1年以上経過して修正申告又は更正があった場合(重加算税が課された場合を除く。)には、その申告書提出後1年を経過する日の翌日から修正申告書を提出した日又は更正通知書を発した日までは延滞税の計算期間から控除されます。

延滞税の税率と計算方法

公正証書遺言の証人手数料 延滞税がかかる場合は、税務署が税額を計算し、通知書が送られてくるので、納税者が、税率や計算方法について知っておく必要性は高くありませんが、延滞税がどのくらいになるか、あらかじめ計算したいという方もいらっしゃるでしょうから、以下、説明します。

税率

相続税等の税金を法定納期限までに納付しなかった場合、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて延滞税が課されますが、その割合(税率)は、(1)「納期限の翌日から2か月を経過する日まで」と、(2)「それ以降」とで異なり、(2)の期間の方が高くなります。 納期限は、次のとおりです。
  1. 期限内に申告された場合には法定納期限
  2. 期限後申告又は修正申告の場合には申告書を提出した日
  3. 更正・決定の場合には更正通知書を発した日から1か月後の日
2や3の場合は、「法定納期限」と「納期限」が異なるので、ご注意ください。 延滞税が課せられるのは「法定納期限」の翌日からですが、税率が上がるのは「納期限」翌日の2か月後以降です。 2018年~2020年の延滞税の税率は、前述の(1)の期間は2.6%、(2)の期間は8.9%です。 延滞税の税率は、毎年1月1日から変更になる可能性があり、12月15日までに翌年の税率が告示されます。 2017年以前の税率が知りたい場合は、国税庁「No.9205 延滞税について」のページの「2 延滞税の割合」の項目をご参照ください。 また、2021年以降の税率は、この記事執筆日時点では未定ですが、時期になれば、上記のページに掲載されるでしょう。

計算方法

前述のとおり、納期限翌日の2か月以内とそれ以降とで延滞税の税率が異なるので、下の式のように計算します。 引用:国税庁「延滞税の計算方法」 (注2)延滞税の割合については、前述のとおりです。

延滞税の計算例

延滞税の計算例をいくつか紹介します。
    • 期限内に申告したが税額を納付しなかった場合
    • 計算間違いによって過少申告していたので修正申告した場合
    • 増額更正の処分を受けた場合
なお、いずれの場合も相続開始日は平成30年1月1日とし(したがって、法定納期限は平成30年11月1日)、期限内申告時の税額は1000万円とします。

期限内に申告したが税額を納付しなかった場合

令和241日に1000万円を納付したとします。 平成30112日から令和241日までの期間に延滞税がかかります。 平成30112日~平成3112日の62日間の税率は2.6%、平成3113日~令和241日の455日間の税率は8.9%です。 まず、税率が2.6%の期間の税額を計算すると、「1000万円×2.6%×62日÷365日≒44,164円(1円未満の端数切捨て)」となります。 次に、税率が8.9%の期間の税額を計算すると、「1000万円×8.9%×455日÷365日≒1,109,452円(1円未満の端数切捨て)」となります。 合計すると、「44,164円+1,109,452円=1,153,616円」となり、100円未満の端数を切捨てして、1,153,600円となります。

計算間違いによって過少申告していたので修正申告した場合

期限内にきちんと納付も済ませていたものの、そもそも税額が間違っていたケースです。 令和2年4月1日に修正申告をして500万円を納付したとします。 期限内申告書の提出後1年以上経過して修正申告があった場合(重加算税が課された場合を除く)には、法定納期限から1年を経過する日の翌日から修正申告書を提出した日までは延滞税の計算期間から控除されます。 そうすると、延滞税がかかる期間は、平成30年11月2日~令和元年11月1日の365日間となります。 修正申告の場合の納期限は修正申告書の提出日なので、税率が8.9%になる期間はなく、全期間の税率は2.6%となります。 そうすると、延滞税の税額は「500万円×2.6%×365日÷365日=13万円」となります。

増額更正の処分を受けた場合

期限内にきちんと納付も済ませていたものの、税務調査が入り、令和2年4月1日に500万円の増額更正の更正通知書が発され、令和2年9月1日に全額を納付したとします。 期限内申告書の提出後1年以上経過して更正があった場合(重加算税が課された場合を除く)には、法定納期限から1年を経過する日の翌日から更正通知書を発した日までは延滞税の計算期間から控除されます。 したがって、延滞税がかかる期間は、平成30年11月2日~令和元年11月1日、及び、令和2年4月2日~令和2年9月1日となります。 更正の場合の納期限は、更正通知書を発した日から1か月後の日なので、令和2年4月1日の1か月後の日である令和2年5月1日となります。 税率について、納期限(令和2年5月1日)の2か月を経過する日(令和2年7月1日)までは2.6%、それ以降は8.9%となります。 税率が2.6%の期間は、平成30年11月2日~令和元年11月1日(365日間、及び、令和2年4月2日~令和2年7月1日(91日間)なので、合計「365日+91日=456日」となります。 そうすると、税率が2.6%の期間の延滞税は、「500万円×2.6%×456日÷365日≒162,410円」(1円未満の端数切捨て)となります。 税率が8.9%の期間は、令和2年7月2日~令和2年9月1日の62日間です。 税率が8.9%の期間の延滞税は、「500万円×8.9%×62日÷365日≒75,589円」(1円未満の端数切捨て)となります。 合計すると、「162,410円+75,589円=237,999円」となり、100円未満の端数を切捨てして、延滞税は237,900円となります。

延滞税の納付方法

延滞税がかかる場合は、税務署から納付書が同封された通知が送られてきます。 延滞税のほかに各種加算税(後述)がかかる場合は、加算税の納付書も同封されています。 金融機関等に納付書を持参して税額を支払うことで納付することができます。

加算税

延滞税は税金を期限までに納付しなかった場合にかかりますが、期限までに申告しなかった場合や申告が過少だった場合には、加算税がかかります。 各種加算税については、以下の記事をご参照ください。  相続税を納付するためのお金がない場合 相続税を納付するためのお金がない場合、延納や物納といった方法もあります。 ・延納については以下の記事で説明しています。 ・物納については以下の記事で説明しています。

まとめ

以上、延滞税について説明しました。 相続税の申告に当たっては、延滞税がかからないようにするためには、以下の2点が重要です。
  • 期限内に申告・納付を済ませる
  • 相続税の計算を間違えないようにする
税理士報酬の節約のために自分で申告しようとして、結局、間に合わずに延滞税と無申告加算税がかかったり、計算を間違えて延滞税と過少申告加算税がかかってしまうと、手間がかかる上に、税理士報酬以上の附帯税がかかることになりかねません。 そのようなことにならないように、相続税に精通した税理士に依頼することを検討することをお勧めします。 初回無料相談に応じている税理士もいるので、まずは、気軽に相談してみるとよいでしょう。

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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