弁護士監修記事

原戸籍とは。改製原戸籍とは。取り方と読み方・見方を見本で説明!

相続手続きや家系図の作成のために、改製原戸籍謄本が必要になることがあります。

この記事では、改製原戸籍謄本の取り方や見方について、分かりやすく説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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原戸籍・改製原戸籍の読み方

原戸籍、改製原戸籍は、それぞれ、「げんこせき」、「かいせいげんこせき」と読みます。

また、「はらこせき」と言うこともあります。

「げんこせき」と言うと、現在の戸籍という意味の「現戸籍」と混同するので、それを避けるために「はらこせき」と言うこともあるのです(略して「はらこ」という人もいます)。

原戸籍とは?改製原戸籍とは?原戸籍と改製原戸籍の違いは?

原戸籍と改製原戸籍に違いはありません。

正式名称は改製原戸籍ですが、長いので原戸籍とよばれることがあるというだけの話です。

改製原戸籍(=原戸籍)とは、現行以前の戸籍制度による戸籍のことをいいます。

戸籍制度は、戸籍法の改正による戸籍の管轄省令により変更されます。

戸籍制度が変更されて、戸籍を作り変えた(改製した)場合に、その元になった戸籍のことを、改製原戸籍というのです。

なお、改製原戸籍について、全員分を謄写(コピー)したものことを改製原戸籍謄本(かいせいげんこせきとうほん)といい、一人の記載部分のみを抄写(抜き出してコピーすること)したものを改製原戸籍抄本(かいせいげんこせきしょうほん)と言います。

現在交付可能な改製原戸籍には次の2つの種類があります。

  • 昭和22年の法改正に伴う、昭和22年司法省訓令による改製原戸籍および昭和32年法務省令による改製原戸籍
  • 平成6年の法改正に伴う、平成6年法務省令による改製原戸籍

どちらの改製原戸籍のことか区別するために、前者を「昭和改製原戸籍」(または「昭和原戸籍」)、後者を「平成改製原戸籍」(または「平成原戸籍」)とよぶことがあります。

昭和の改製では、昭和23年1月1日に新しい戸籍法が施行されましたが、戦後の混乱のため実際に改製されたのは昭和32年から昭和40年頃になりました。

この改製以前の戸籍が家を基本単位としていたのに対し、夫婦を基本単位とする戸籍に変更され、戸主の欄が廃止され、筆頭者の欄が新設されました。

また、華族、士族、平民、新平民などの身分事項欄は廃止されました。

平成の改製は、戸籍事務のコンピュータ化に応じた改製です。

以前は、戸籍謄本を交付するときには、戸籍簿という帳簿から戸籍原本を取り出して、それを謄写(コピー)して、戸籍謄本として交付していました。

しかし、現在、ほとんどの自治体で(戸籍は地区町村ごとに管理しています)、戸籍事務がコンピュータ化されており、戸籍原本を謄写して謄本を作成する必要はなくなりました。

コンピュータ化される前の戸籍は、改製原戸籍として管理されています。

2018年時点で、全国1,896の自治体のうち、4の自治体を除く1,892の自治体で、戸籍事務がコンピュータ化されています。

コンピュータ化されていない自治体では、平成改製原戸籍は存在しません。

改製原戸籍謄本が必要な場合

改製原戸籍謄本が必要となるケースは、主に、相続手続きか家系図の作成です。

多くの相続手続きで、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要になります。

出生から死亡までの戸籍謄本には、ほとんどの場合、戸籍謄本だけでなく除籍謄本や改製原戸籍謄本が含まれます。

除籍謄本とは、戸籍に記載されている人の全員が除籍された戸籍の謄本のことをいいます。

養子縁組、婚姻、離婚、分籍、転籍、失踪宣告、死亡などがあると、その人は記載されている戸籍から除籍されます。

戸籍に記載されている人の全員が除籍されると、その戸籍自体が戸籍簿から除かれます。

このようにして除かれた戸籍の謄本のことを除籍謄本というのです。

出生から死亡までの戸籍謄本の取り方としては、まず、死亡の記載がある戸籍謄本または除籍謄本を取ります。

戸籍謄本等には、前の戸籍の情報が記載されているので、それを元に戸籍を一つ一つ遡り、出生の記載がある戸籍に辿り着くまで繰り返します。

その過程で、取得されることになるのが改製原戸籍謄本です。

戸籍の収集過程で、少なくとも、生まれたのが昭和の改製より前の場合は2通、昭和の改正以後の場合は1通の改製原戸籍謄本を経由するはずです(平成の改製以後の生まれた場合や、本籍地の自治体の戸籍事務がコンピュータ化されていない場合は改製原戸籍謄本をまったく経由しません)。

また、家系図の作成についても、一つずつ前の戸籍に遡りつつ親族関係を調べるため、その過程で改製原戸籍謄本が必要になるでしょう。

改製原戸籍の保存期間

改製原戸籍の保存期間は、改製された年度の翌年から150年です。

改製原戸籍の保存期間が150年になったのは、平成22年6月1日からで、それ以前は、下表の通り、様式によって保存期間が異なっていました。

戸籍の様式 保存期間
明治19年式戸籍、明治31年式戸籍(明治31年式戸籍から昭和23年式戸籍に改製したものを除く)で原戸籍となったもの 80年
大正4年式戸籍で原戸籍になったもの(明治31年式戸籍から昭和23年式戸籍に改製したものを含む) 50年
昭和23年式戸籍で原戸籍になったもの(戸籍をコンピュータ化したもの) 100年

大正4年式戸籍の保存期間は50年でしたが、昭和の改製が初期に行われたケースでは、昭和の改製から平成22年に保存期間が150年に伸長されるまでの期間が50年以上あります。

したがって、大正4年式戸籍は、保存期間の伸長前に、保存期間経過を理由に廃棄されている可能性があります。

出生から死亡までの戸籍謄本を取るときに、途中の戸籍が、廃棄されている等して取れない場合は、身分事項に記載された情報から、その前の戸籍の当たりを付けて取得します。

詳しくは、役場か行政書士等の専門家に相談するとよいでしょう。

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改製原戸籍謄本を取れる人

改製原戸籍謄本に限らず、戸籍謄本や除籍謄本でも同じですが、戸籍謄本等を取ることができるのは、原則としては、その戸籍に記載されている人、戸籍に記載されている人の配偶者、戸籍に記載されている人の直系親族(祖父母、父母、子、孫など)です。

配偶者や直系親族が取る場合は、戸籍に記載されている人の続柄が確認できる戸籍謄本等の資料が必要ですが、その自治体にある戸籍で確認できる場合は役場の方で確認してくれるので用意する必要はありません。

また、配偶者や直系親族以外でも、正当な理由がある場合や、戸籍を取ることができる人の委任状がある場合は、戸籍を取ることができます。

例えば、遺産分割協議や相続手続きのために兄弟姉妹の戸籍謄本を取る場合は、正当な理由があると認められるでしょう。

戸籍謄本の請求書(申請書)に請求理由を記載して、それを証明するための資料を添付します。

請求理由は、戸籍謄本を相続手続きに利用する場合は、戸籍謄本の提出先を具体的に記載すると認められやすいでしょう。

そして、添付資料としては、被相続人(亡くなった人)の死亡が確認できる戸籍謄本や、自分が相続人であることが確認できる戸籍謄本があるとよいでしょう。

添付資料は、申請先の自治体にある戸籍で確認できる場合は不要です。

また、行政書士や司法書士等の専門家等に戸籍謄本の収集を依頼する場合は、委任状を書かなければなりません。

専門家に依頼する場合は、専門家の方で委任状の書式を用意していると思いますが、ない場合は自治体のウェブサイトから書式をダウンロードできる場合があるので、探してみるとよいでしょう。

それもない場合は、別の自治体の書式を利用しても大方の場合は問題ないと思いますし、自分で作成しても構いません。

金沢市の書式が記入例も付いていて分かりやすいので、紹介します。こちらを利用しても構わないと思います。

証明書類交付請求委任状の書式と記入例(Wordファイル)

改製原戸籍謄本はどこで取る?コンビニでは取れない

これも改製原戸籍謄本に限らずですが、戸籍謄本等は、本籍地の市区町村役場で取れます。

本来の市区町村役場でなくとも、総合支所(「支所」、「総合行政センター」という名称の場合もあります)でも取れます。

また、郵送で取り寄せることもできます。

なお、本籍地以外の役場では取れません。

また、改製原戸籍謄本はコンビニでは取れません。

なお、戸籍に記載されている人自身が現在戸籍の戸籍謄本を取る場合のみ、自治体によってコンビニ交付に対応している場合がありますが、改製原戸籍謄本や除籍謄本はコンビニでは取れないのです。

改製原戸籍謄本を取るために必要な料金(手数料)

改製原戸籍謄本・改製原戸籍抄本を取るために必要な料金(手数料)は、1通あたり750円です。

なお、除籍謄本・除籍抄本も同じで750円、戸籍謄本・戸籍抄本は450円です。

行政書士等に戸籍謄本類の取得の代行を委任する場合、安いところでは1通当たり3,000円ほどの費用で受けているようです。

改製原戸籍謄本の取り方

改製原戸籍謄本を役場の窓口で取る場合は、次の書類を提出します。

なお、取得する戸籍に記載されている人以外の人が請求する場合は、以下で説明する書類以外に、前述の添付資料が必要になることがあります。

  • 請求書(役場に用紙があります)
  • 印鑑(認印可)
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード(個人番号カード)、写真付き住民基本台帳カード、身体障害者手帳、在留カード、特別永住者証明書、運転経歴証明書のうち、いずれか1点)
  • 手数料(1通につき750円)

改製原戸籍謄本男郵送での取り寄せ方

改製原謄本を郵送で取り寄せる場合は、次のものを同封して請求します。

なお、前述の通り、取得する戸籍に記載されている人以外の人が請求する場合は、以下の書類以外に、添付資料が必要になることがあります。

添付した資料の還付を求める場合は、その旨を付箋等に書いておくとよいでしょう。

  • 請求書(ウェブサイトで用紙をダウンロードできる自治体が多い。消せるボールペンや鉛筆は使用不可)
  • 本人確認および現住所確認書類のコピー(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード(個人番号カード)、写真付き住民基本台帳カード、身体障害者手帳、在留カード等のうちのいずれか1点。現住所の記載が裏面にある場合は裏面のコピーも必要)
  • 手数料分の定額小為替(1通につき750円。郵便局で購入。コンビニでは購入できない)
  • 返信用封筒(住所氏名を記入し切手を貼付。住所は請求者の現住所でなくてはならない)

改製原戸籍謄本の見本と見方

改製原戸籍謄本の見本と見方について、平成改製原戸籍の謄本と昭和改製原戸籍の謄本とそれぞれ説明します。

平成改製原戸籍の謄本の見本と見方

下図は平成改製原戸籍の謄本の見本です。

1枚目の右上に「改製原戸籍」あり、2枚目の左に「この謄本は……」とありますので、この書類が改製原戸籍謄本であることが分かります。

1枚目の「改製原戸籍」の左に、「平成六年法務省令……改製につき平成拾九年拾壱月参日消除」とありますから、この戸籍が平成の戸籍改製によって平成19年11月3日に消除されたものであることが分かります。

そして、その左に本籍地と戸籍筆頭者の氏名が記載されています。

ここまでの情報で、この戸籍の次の戸籍の戸籍編製日と本籍地と戸籍筆頭者の氏名が以下のとおりわかったので、これを元に次の戸籍を探し当てることが可能になりました。

  • 戸籍編製日:平成19年11月3日
  • 本籍:東京都北区王子本町一丁目十五番地
  • 戸籍筆頭者:北田二郎

また、戸籍に記載されている各人の前の戸籍に遡りたい場合は、以下のようにして前の戸籍の情報をさらっていきま

まず、夫の二郎から見ていきます。

少し「見本」の「本」の字に隠れてしまっていますが、「昭和参拾四年拾壱月七日……東京都北区王子本町一丁目十五番地北田幸太戸籍より入籍」とありますから、二郎の前の戸籍は、同じ本籍にある二郎の父である北田幸太の戸籍にあったことが分かります。

また、妻の由美子は、「見」の文字に少し隠れてしまっていますが、「東京都北区赤羽一丁目一番地赤羽和夫戸籍より入籍」とありますので、こちらもこの情報から前の戸籍を辿ることができます。

そして、長男の雄太は、この戸籍が編製された昭和34年11月7日よりも後に出生することによってこの戸籍に入籍しているので、これより前の戸籍はないことが分かります。

最後に、長女の早苗も、この戸籍の編製後に出生することによってこの戸籍に入籍しているので、これより前の戸籍はありません。

そして、早苗には婚姻による除籍の記録が残っています。

名の欄に罰点が付いていることからも除籍になったことが分かります。

早苗は改製後の二郎の戸籍にはいかず、改製の前に、婚姻によって、夫の氏の新戸籍を編製し、そちらの戸籍に移っていることが分かります。

昭和改製原戸籍の謄本の見本と見方

下図は昭和改製原戸籍の謄本の見本です。

こちらも、平成改製のものと同様、改製原戸籍謄本であることが分かります。

昭和改製原戸籍では、戸籍筆頭者欄が「前戸主」となっています。

家制度の戸籍であることが分かります。

戸主の幸太は、出生によって父宗太郎を戸主とする戸籍に入籍していましたが、大正4年1月1日に宗太郎が死亡したことにより家督を相続し、同月5日に受付がなされ、この戸籍が編製されたことが分かります。そして、昭和の戸籍改製によって、新戸籍が改製され、この戸籍は改製原戸籍となったことが分かります。

次に、幸太の妹の昌の記載を見てみると、明治5年9月16日に出生しており、この戸籍が編製される前に出生していることから、昌は、幸太が家督相続をした際にこの戸籍に一緒に移ってきたことが分かります。そして、昌は、昭和の戸籍改製によって、この戸籍から除籍されています。

つまり、改製後の幸太の戸籍には移っていません。

昭和の戸籍改製は、家単位の戸籍から、夫婦単位の戸籍への改製です。

改製後の新戸籍で戸籍筆頭者となった幸太の妹である昌は、新制度の下では、兄の戸籍に入ることはできないのです。

昌は、自分を筆頭者とする自分しかいない新しい戸籍を編製し、その戸籍に移っていることが分かります。

次に、幸太の妻の由紀についての記載を見てみます。

由紀は、幸太の家督相続後に婚姻しているため、この戸籍に幸太との婚姻によって入籍しています。

その前は実家である滝野川町の戸籍にいて、そこで出生したことが分かります。

なお、由紀が婚姻する前の戸籍では、由紀の弟が戸主になっていることが分かります。

由紀は、幸太と共に、改製された新戸籍に移ったことが分かります。

続いて、幸太の長男の一郎について見てみます。

一朗は、この戸籍の編製後に出生することによって、この戸籍に入籍していることから、これ以前の戸籍はありません。

そして、そのまま、幸太と由紀と共に、改製された新戸籍に移っています。

最後に、幸太の二男の二郎について見てみます。

二郎もまた、この戸籍の編製後に出生することによってこの戸籍に入籍しており、これ以前の戸籍はありません。

そして、婚姻によって、この戸籍から除籍されています。

新しい戸籍の本籍は、実家であるこの戸籍と同じ本籍にしたようです。

改製原戸籍謄本の有効期限

改製原戸籍謄本自体には有効期限は設定されていませんが、改製原戸籍謄本の提出先が「発行から〇か月以内のもの」と指定していることはあります。

次の手続きに必要な戸籍謄本等には有効期限は設定されていません。

  • 法定相続情報証明制度
  • 相続登記
  • 相続による自動車の移転登録

また、預貯金や有価証券の相続手続きについては、金融機関によっては有効期限が定められていることがあります(その場合は概ね発行から6か月程度)。

相続税の申告の場合は、有効期限は設定されていませんが、「被相続人の死亡から10日を経過した日以後に作成されたもの」という条件が指定されています。

改製原戸籍の附票

住民票の氏名等の情報を戸籍の氏名等の情報と一致させるため、住民票と戸籍を連携させるものとして「戸籍の附票」があります。

戸籍の附票には、その戸籍にいる間の住所の履歴が記載されています。

戸籍の附票は、戸籍を単位に作成され、その戸籍が改製や消除されるまでの間の住所の履歴を記録し続けます。

戸籍が改製されたときは、附票も改製された戸籍についてきて改製原戸籍の附票となります。

戸籍の附票は、相続登記で、登記簿上の住所と住民票の除票上の住所が異なる場合等に必要になります。

例えば、亡くなった人が生前に不動産を登記し、その後に戸籍の改製があり、さらにその後に住所の移動があり、そして亡くなった場合、登記簿上の住所と住民票の除票上の住所が異なり、登記簿上の住所は改製原戸籍の附票に記載されています。

このような場合に、この不動産を相続して登記する人は、登記するために、原則として、改製原戸籍の附票が必要になります。

しかし、改製原戸籍の附票の保存期間は5年です。

保存期間が経過すると廃棄されることがあります。

本来必要な附票がない場合でも登記できないわけではありませんが、追加の書類が必要になり手続きが煩雑になります。

どのような書類を提出すべきかは、その不動産の所在地を管轄する法務局又は司法書士に問い合わせるとよいでしょう。

まとめ

以上、除籍謄本について説明しました。

戸籍謄本等の取得を含め、相続手続きについては、弁護士や司法書士、行政書士に相談するとよいでしょう。

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