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遺留分を放棄させたい人や放棄を求められた人が知っておくべき全知識

遺留分を放棄させるには

「親に遺言書を書いてもらい多額の財産を手に入れた」少数かもしれませんが、そのような人もいます。

しかし、立ちふさがるのは親族の存在。「もらえるはずの財産がもらえない」と、黙ってはいません。その場合、遺留分(法律で定められた一定の相続人に保障されている最低限の取り分の割合)の返還を申し立てる可能性があります。

そのとき遺留分の放棄をしてもらえば、遺言書のとおり相続することができます。

この記事では、遺留分の放棄の方法や効果について詳しく解説します。遺言書によって財産を相続する人は知っておいたほうが良いでしょう。

[ご注意]
記事は、公開日(2019年1月8日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

遺留分の放棄とは?

遺留分とは、一定の相続人が、相続に際して法律上取得することが保障されている、遺産の一定の割合のことをいいます。

相続人となる人や各相続人の相続分については民法に定められていますが、これは遺言によって変更することができますし、生前贈与や死因贈与(贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与)によって相続財産が減ってしまったり無くなってしまったりすることもあります。

そのような場合でも、一定の相続人は、遺産の一定の割合を遺留分として取得することが保障されているのです。

そして、遺留分を侵害された人が、贈与や遺贈を受けた人に対し、遺留分侵害の限度で贈与や遺贈された財産の返還を請求することを遺留分減殺請求と言います。

そして、遺留分の放棄とは、遺留分減殺請求をする権利を放棄することを言います。

遺留分の放棄の効果

遺留分放棄の効果として、遺留分を放棄した人は、遺留分減殺請求をする権利を失います。

その結果、被相続人(亡くなって財産を残す人)が自由に処分できる財産が増えることになります。

なお、相続人の一人のした遺留分の放棄は他の相続人の遺留分に影響を及ぼしません(遺留分は増えません)。

遺留分の放棄の方法(被相続人の生前と死後)

遺留分の放棄は、家庭裁判所に遺留分放棄の許可を申立て、これが認容されると、遺留分を放棄することができます。

申立てができる時期は、相続開始前(被相続人の生前)に限られます。

相続開始後(被相続人の死後)に遺留分を放棄したい場合の手続きはなく、遺留分減殺請求権を時効成立前までに行使しないことによって権利は消滅しますし、また、遺留分を侵害する内容の遺産分割であっても相続人全員が同意していれば有効です。

遺留分の放棄と相続放棄の違い

遺留分の放棄と相続放棄の違いについて説明します。

遺留分を放棄しても、相続人であることには変わりありませんが、相続放棄をすると、元々相続人でなかったことになり、相続権自体を失います。

したがって、相続が開始されれば、相続人となり、遺言で処分方法が指定されているもの以外に遺産があれば、遺産を相続したり、遺産分割協議に参加することはできますが、相続放棄をした場合は、元々相続人でなかったことになるので、遺産を相続する余地や遺産分割協議に参加する余地はありません。

また、遺留分を放棄しても、相続人であることには変わりがないので、相続債務(被相続人の債務)がある場合は、相続債務を負ってしまいます。

一方、相続放棄の場合は、元々相続人でなかったことになるので、相続債務を負うことはありません。

もっとも、遺留分の放棄と相続放棄は、どちらかを選ぶというものでなく、被相続人の生前に遺留分を放棄したうえで、相続開始後に相続放棄をすることも可能です。したがって、相続債務が存在する可能性がある場合は、遺留分放棄を行っている場合であっても相続放棄を併せて行った方がよいでしょう。

また、遺留分の放棄は他の相続人に影響を及ぼしませんが(他の相続人の遺留分は増えません)、相続放棄をすると他の相続人の相続分が増えます。

さらに、遺留分の放棄は、被相続人の生前におこなうことができますが、相続放棄は相続開始後でなければできないという違いもあります。

以上を表にまとめると下表の通りです。

遺留分の放棄 相続放棄
放棄の対象(放棄される権利) 遺留分減殺請求権(相続権は放棄されない) 相続権
相続人としての地位 有する 元々相続人ではなかったことになる
相続の余地 ある ない
相続債務 負う 負わない
他の相続人への影響 影響なし 相続分が増える
相続開始前の放棄 できる(家庭裁判所の認容が必要) できない
相続開始後の放棄 手続きはないが、遺留分減殺請求権を時効成立前までに行使しないことによって権利は消滅する できる(家庭裁判所の受理が必要)
代襲相続との関係 被代襲者が遺留分を放棄していた場合は、代襲相続人は遺留分を主張できない 被代襲者が生前に相続放棄していることは制度上ありえない。
なお、代襲相続人は、被代襲者の遺産相続を放棄していた場合でも代襲相続できるし、被代襲者の遺産相続を承認していた場合でも代襲相続を放棄することができる。

また、相続放棄について詳しくは、関連記事をご覧ください。

遺留分の放棄の撤回

遺留分の放棄を許可する審判も、家庭裁判所の職権により取消すことができます。

このため、遺留分の放棄の撤回をしたい場合は、放棄を許可した家庭裁判所に遺留分放棄の許可を取消すことを申し立てます。

家庭裁判所によって認められた場合のみ撤回することができます。

なお、撤回の申立てができるのは、原則として、相続開始前とされています。相続開始後に遺留分放棄の撤回をすることは例外的に特殊な場合に限られます。

撤回が認められるのは、遺留分を放棄に至った事情に重要な変更があった場合に限られます。

例えば、放棄の代償として受けるはずの贈与が履行されないとか、兄が家業を継ぐという条件で放棄したのに自分が継ぐことになったとか、養子に出ることになったため実親の遺留分を放棄したが養子話が立ち消えたとかいう事情がある場合には、撤回が認められる余地があるものと思われます。

一方、敬愛する兄に遺産を譲ろうと遺留分を放棄したが兄との関係が悪化したため撤回したいという場合は、認められない可能性があります。

なお、遺留分の放棄を撤回することに被相続人も合意している状況であれば、必ずしも撤回の手続きを行わなくても、被相続人が遺留分を侵害するような遺贈や贈与をしないようにするとか、遺留分に相当する生前贈与を受けるといった解決方法もあり得ます。

ただし、贈与によって解決する場合は、相続の場合と比べて税金面で有利・不利があるため、事前に税理士に相談することをお勧めします。

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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