弁護士監修記事

不動産のみの遺産分割協議書の書き方とサンプル・ひな形ダウンロード

親が亡くなって遺産を相続することになったものの、経済的価値のあるものが不動産のみであるということもあります。

この記事では、そのような場合の遺産分割協議書の書き方について説明します。

ダウンロードして使える遺産分割協議書のサンプル(ひな形)も用意しましたので、是非、ご活用ください。

遺産分割協議書のサンプルは、ほかでも公開されているものがありますが、不動産のみの場合のものは、あまりないようなので、不動産のみの場合の遺産分割協議書のサンプルをお探しの人にとって最適なものを作成しました。

また、記事では遺産分割協議書を作成した後の不動産登記の流れについても説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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不動産に関する遺産分割協議書作成のポイント

誰がどの遺産を相続するかを明確にする

遺産分割協議書を作成するときに最も大切なことは、「誰が」「どの財産を」相続するかを明確に記載する必要があるということです。

そのため、相続人ごとに、その相続人がどの財産を相続するかを記載していくのが一般的です。

不動産の分割に関する記載方法

不動産の遺産分割に関しては、どの不動産を分割するかについて、登記簿の記載のとおりに記載する必要があります。

例えば、土地であれば、登記簿の甲欄の

  • 所在
  • 地番
  • 地目
  • 地積

を記載するようにします。

「長男が自宅を相続する」などという記載方法では「自宅」がどの不動産を指すのか明確でない場合がありますし、そもそも、そのような方法では登記ができません。

代償分割について

相続財産の中に、一筆あるいは一棟の不動産のような分割しにくい財産がある場合に、その不動産をある相続人が単独で相続する代わりに、他の相続人に自分の財産から現金でいくらかを支払う、という約束をする場合があります。

このような分割方法を代償分割と言います。

代償分割に関する合意も、遺産分割協議書の中で記載しておくことが大切です。

代償分割について詳しくは「代償分割により相続税を節税して贈与税も課税されないようにする方法」をご参照ください。

また、「土地を相続するなら知らなければならない土地の分割方法と手続の流れ」も参考になるかもしれません。よろしければ、ご参照ください。

遺産分割協議の時点で判明していない財産の分割について

遺産分割協議を行った後に財産が発見される場合もあります。

そのような可能性を踏まえて、もし協議の時点で判明していない財産が協議の後で発見された場合にどうするか、ということも事前に決めておいて遺産分割協議書に記載することで、後からトラブルが発生する可能性を低くすることができます。

遺産が不動産のみの場合の遺産分割協議書

遺産が不動産のみの場合の遺産分割協議書は次のようなかたちになります。

遺産分割協議書

 

被相続人 ○○○○(昭和〇〇年〇〇月〇〇日生まれ)
死亡日  平成〇〇年〇〇月〇〇日
本籍地  東京都△△区△△○丁目○番地○
最終の住所地 東京都△△区△△○丁目○番地○

 

被相続人○○○○(以下「被相続人」という。)の遺産相続につき、被相続人の妻○○○○(以下「甲」という。)、被相続人の長男○○○○(以下「乙」という。)、被相続人の長女○○○○(以下「丙」という。)の相続人全員が遺産分割協議を行い、本日、下記のとおりに遺産分割の協議が成立した。

 

1.甲は、以下の遺産を取得する
(1)土地

所  在   東京都△△区〇〇
地  番   ○○番○○
地  目   宅地
地  積   ○○.○○平方メートル

(2)建物

所  在  東京都△△区〇〇
家屋番号  〇〇番〇
種  類  居宅
構  造  木造瓦葺2階建て
床面積   1階部分 〇平方メートル

      2階部分 平方メートル

(3)動産

上記(2)の建物内にある家具家財等一切の動産

 

2.乙は、以下の遺産を取得する

(1)建物

(一棟の建物の表示)
所  在    神奈川県〇〇市△△○丁目○番地○
建物の名称   ○○○○マンション
(専有部分の建物の表示)
家屋番号    △△○丁目○番地○
建物の名称   ○○○号
種  類    居宅
構  造    鉄骨造1階建
床面積     ○階部分○○.○○平方メートル

(敷地権の目的たる土地の表示)
土地の符号   1
所在及び地番  ○○△丁目○番○
地    目  宅地
地    積  ○○○.○○平方メートル
(敷地権の表示)
土地の符号   1
敷地権の種類  所有権
敷地権の割合  ○○○○○分の○○○

 

3.(1)次の不動産は、乙及び丙が各2分の1の割合をもって共有で相続する。

所   在  東京都〇〇市〇〇町△丁目
地  番  〇番〇
地  目  宅地
地  積  ○○.○○平方メートル

(2)乙及び丙は、共同して前項の不動産を売却し、その売買代金から売却に要する一切の費用を控除した残金を、前項の共有持分割合に従って取得する。

(3)乙及び丙は、第1項の不動産を売却し買主に引き渡すまで、これを共同して管理することとし、その管理費用は、第1項の共有持分割合に従って負担する。

 

4.(1)次の不動産は、乙が相続する。

所   在  東京都〇〇市〇〇町△丁目
地  番  〇番〇
地  目  宅地
地  積  ○○.○○平方メートル

(2)乙は前項の不動産を相続する代償金として、丙に対し、金○○円を支払う。

 

5.本遺産分割協議書に記載のない遺産及び本遺産分割の後に判明した遺産(負債も含む)については、甲が全て相続する。

 

以上のとおり、甲乙丙相続人全員による遺産分割協議が成立したことを証明するため、本協議書を3通作成し、甲乙丙相続人全員が署名押印のうえ、各1通ずつ所持する。

 

平成〇〇年〇月〇日(作成日の日付)

 

住所   東京都△△区△△○丁目○番地○
生年月日     昭和〇〇年〇〇月〇〇日
相続人甲(妻)      〇〇〇〇  実印

 

住所 神奈川県〇〇市△△町○丁目○番地○
生年月日     昭和〇〇年〇〇月〇〇日
相続人乙(長男)     〇〇〇〇  実印

 

住所  埼玉県〇〇市〇〇町○丁目○番○号
生年月日     昭和〇〇年〇〇月〇〇日
相続人丙(長女)      〇〇〇〇 実印

1は、戸建てのように土地とその上の建物を相続人の一人が相続する場合です。

2は、マンションを相続人の一人が相続する場合です。

3は、土地を2人の相続人が共有するかたちで相続し、その後、換価分割(売却して金銭にかえてから相続人間で分割すること)を想定している場合です。

4は、相続人の一人が相続する代償として、他の相続人に代償金を支払う代償分割とよばれる分割方法です。

この不動産のみの遺産分割協議書のサンプル(ひな形)は、以下のリンクからダウンロードできます。

不動産のみの遺産分割協議書のサンプル(ひな形)のダウンロード

また、不動産以外の財産もある場合の遺産分割協議書のサンプルが必要な場合は、以下のリンクからダウンロードしてご活用ください。

不動産以外の財産もある場合の遺産分割協議書のサンプル(ひな形)のダウンロード

遺産分割協議書作成後の相続登記で必要な書類

遺産分割協議で所得者が決まった場合は、被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍謄本等が必要となるほか、遺産分割協議書と、相続人全員の印鑑登録証明書が必要になります。

被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍謄本等には、以下の両方が必要になります。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

また、代襲相続がある場合や、亡くなった人の兄弟姉妹が相続人となる場合は、さらに多くの戸籍謄本が必要になります。

代襲相続とは、相続人となるべき者(被代襲者)が、相続開始以前に死亡しているときや相続欠格または廃除により相続権を失ったときにおいて、その被代襲者の直系卑属(代襲者)が被代襲者に代わって、その受けるはずであった相続分を相続することをいいます(「代襲相続とは?範囲は?孫や甥・姪でも相続できる代襲相続の全知識」参照)。

代襲相続がある場合は、被代襲者の出生から死亡まで(死亡していない場合は現在まで)の戸籍謄本と、代襲者全員の現在の戸籍謄本が必要になります。

また、兄弟姉妹が相続人となる場合は、被相続人の父母それぞれの出生から死亡までの戸籍謄本が必要になります。

戸籍謄本の収集方法については「相続に必要な戸籍謄本を自分で簡単に収集するための重要なポイント」をご参照ください。

また、印鑑登録証明書は、各相続人の住所地の市区町村役場で取得することができます。

各相続人に取得して送ってもらうか、代理人選任届(いわゆる委任状)を書いてもらい、代わりに取得することもできます。

相続登記の必要書類については、「相続登記の必要書類と取得方法をケース別に紹介!自分でできる相続登記」も併せてご参照ください。

まとめ

以上、不動産のみの遺産分割協議書について説明しました。

遺産分割のトラブルについては弁護士に相談することをお勧めします。

トラブルではなく、遺産分割協議書の書き方について相談したい場合は、弁護士のほか、司法書士や行政書士でも構いません。

専門家をうまく活用して、相続で余計な負担を背負い込まないようにしましょう。

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