遺産目録(相続財産目録)とは?書き方と記載例、ひな形の書式
遺産分割をする前に、どのような遺産が存在するのか、遺産の全容を把握しておかなければなりません。
しかし、この作業は意外と手間がかかるのです。
家族であっても、違う世帯で生活していたら、親兄弟姉妹の財産を正確に把握している人はなかなか少ないのではないでしょうか。
遺産の一覧を目録にまとめることによって、相続人全員が遺産の全容を把握でき、遺産分割協議をスムーズに進めることができるようになります。
また、遺産目録は、遺産分割調停の申立時にも必要です。
この記事では、裁判所が作成した遺産目録のひな形の書式を紹介したうえで、書き方や記載例についても説明します。
是非、参考にしてください。
[ご注意]
記事は、公開日(2021年2月22日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
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遺産目録とは?
遺産目録とは、遺産の一覧表のことです。
遺産目録を作成する目的
遺産目録を作成する主な目的は、遺産分割協議や遺産分割調停を行うための資料とすることです。
分割後に未分割の遺産の存在が発覚した場合、遺産分割をやり直すことになることもあります。
そのようなことにならないように、始めに遺産を洗い出し目録というかたちにまとめておくと、遺産分割協議をスムーズに進めることができるでしょう。
遺産目録のひな形書式
遺産目録は、オリジナルの書式で作成しても問題ありませんが、裁判所のひな形書式を利用すると、時間の短縮になるでしょう。
裁判所のひな形書式は、遺産の種類ごとに土地、建物、その他(現金、預・貯金、株式等)に分け、さらにそれぞれを、未分割遺産、分割済遺産、特別受益に分けています。
なお、特別受益とは、相続人が複数いる場合に、一部の相続人が、被相続人からの遺贈や贈与によって特別に受けた利益のことです。特別受益があった場合は、特別受益の価額を相続財産の価額に加えて相続分を算定し、その相続分から特別受益の価額を控除して特別受益者の相続分は算定されます。特別受益は遺産ではありませんが、相続分の算定の基礎となるので、遺産と同様に目録にまとめた方が良いでしょう。なお、特別受益について詳しくは以下の記事をご参照ください。
用紙は、全国の家庭裁判所で入手できるほか、裁判所のウェブサイトからも入手できます。
東京家庭裁判所「家事審判・家事調停の申立て等(五十音順)」では、書式等をダウンロードすることができます。
ご自身での作成に不安がある方は、行政書士などの専門家に相談するのもひとつの方法です。
遺産目録の書き方と記載例
遺産目録の書き方と記入例は以下のとおりです。
(引用元:裁判所「遺産分割調停の申立書」)
なお、エクセルの遺産目録を利用する場合は、東京家庭裁判所「家事審判・家事調停の申立て等(五十音順)」からダウンロードしてください。
まとめ
以上、遺産目録について説明しました。
遺産分割協議については以下の記事をご参照ください。
また、遺産分割調停の申立てについては以下の記事で詳しく説明しています。
この記事を書いた人
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