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埋葬費とは?埋葬費給付金制度について支給申請書の書き方等を説明

身近な人が亡くなって、埋葬に要する費用を負担した場合に埋葬費を受け取ることができる場合があります。 この記事では、埋葬費について知っておくべきことをわかりやすく説明します。 是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、公開日(2020年2月19日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

埋葬費とは?

埋葬費とは、社会保険組合の被保険者(加入者)が業務外の事由により亡くなり、埋葬料の申請資格がある方がいない場合(埋葬を行う方が亡くなった被保険者により生計を維持されていなかった場合)に、その保険者である社会保険組合が、埋葬を行う方からの申請に応じて支給する給付金のことです。 この制度のことを「埋葬費給付金制度」といいます。

埋葬費と埋葬料の違い

埋葬費給付金制度は、埋葬料の申請資格がある方がいない場合に利用できる制度です。 埋葬料の申請資格がある方がいる場合は、埋葬料給付金制度を利用することができます。 埋葬料給付金制度は、埋葬を行う方(埋葬に要する費用を負担した方)の生計の全部または一部が、亡くなった方によって維持されていた場合に利用できます。 埋葬を行う方の生計が亡くなった方によって維持されていないかった場合は、埋葬料ではなく、埋葬費給付金制度の対象となります。 埋葬料の支給額が5万円であるのに対し、埋葬費は5万円を上限として実際に埋葬に要した費用が支給されます。 つまり、埋葬料の場合は実際に埋葬に要した費用が5万円未満でも5万円が支給されますが、埋葬費の場合は、実際に埋葬に要した費用が5万円以上なら5万円が支給されますが、5万円未満の場合はその金額が支給されるということです。 したがって、実際に埋葬に要した費用が5万円未満の場合は、埋葬費よりも埋葬料が受給できた方が得なのですが、通常、埋葬には5万円以上の費用がかかるため、そうすると両制度の違いによる実質的な損得は生じないことになります。 なお、「実際に埋葬に要した費用」には、霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶の謝礼等が該当します。 しかし、埋葬料付加金の制度を有する社会保険組合もあり、その場合、埋葬費の上限金額は、5万円ではなく、埋葬料に埋葬料付加金を加えた金額になります。 埋葬料付加金の金額は社会保険組合によって異なります。 なお、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)には埋葬料付加金の制度はありません。

埋葬費または埋葬料の対象となる場合と対象とならない場合

埋葬費と埋葬料の支給要件は、申請者の生計が亡くなった方によって維持されていたかどうかという点以外は共通しています。 以下、埋葬費および埋葬料の対象となる場合と対象とならない場合について説明します。

協会けんぽ・組合健保・共済組合に加入していた場合に対象となる

埋葬費が支給されるのは、社会保険組合(協会けんぽ、組合健保または共済組合)の被保険者(加入者)が亡くなった場合です。 社会保険組合は基本的にはお勤めの方(会社員、公務員、団体職員等)が対象です。自営業の方や働いていない方等は、基本的には、後述する国民健康保険、国民健康保険組合または後期高齢者医療制度に加入しています。 なお、船員保険も協会けんぽが運営していますが、船員保険の場合は、「葬祭料」という名称になります。詳しくは、協会けんぽウェブサイトのこちらのページをご参照ください

国民健康保険・国民健康保険組合・後期高齢者医療制度は対象外(葬祭費の対象)

国民健康保険(国保)、国民健康保険組合(国保組合)または後期高齢者医療制度の被保険者が亡くなった場合は、埋葬費は支給されず、代わりに、葬祭費の支給対象となります。このように、亡くなった方が加入していた公的医療保険の種類に応じて、自ずと葬祭費と埋葬費のどちらを受給できるかが決まるため、これらの両方を受給することはできません。葬祭費については葬祭費とは。国民健康保険や後期高齢者医療の加入者が死亡したらをご参照ください。

業務上や通勤途中に亡くなったときは対象外(葬祭料の対象)

被保険者が業務上や通勤途上に亡くなったときは、埋葬費は支給されず、労働者災害補償保険(労災保険)から葬祭料(葬祭給付)の支給対象となります。 労災保険の葬祭料(葬祭給付)については、厚生労働省作成のこちらのパンフレットをご参照ください。

社会保険組合の被保険者資格喪失後でも一定の要件を満たせば対象となる

お勤めだった方が退職する等してお勤め先の社会保険組合の被保険者資格を喪失した後に亡くなった場合でも、次のいずれかに該当する場合は、葬祭費ではなく埋葬費の支給対象となります。
  1. お勤め先の社会保険組合の被保険者資格の喪失後3か月以内に亡くなったとき
  2. お勤め先の社会保険組合の被保険者資格の喪失後の傷病手当金または出産手当金の継続給付を受けている間に亡くなったとき
  3. お勤め先の社会保険組合の被保険者だった方が、2の継続給付を受けなくなってから3か月以内に亡くなったとき
(出典:全国健康保険協会

火葬のみ(直葬)の場合でも対象となる

お通夜や告別式を行わず火葬のみ行う直葬の場合でも、それによって埋葬費給付金制度の対象外となることはありません。 直葬の場合でも、埋葬費の受給要件を満たす場合は、埋葬費が支給されます。

相続放棄しても対象となる

埋葬費は相続財産ではないので、相続放棄をしても受給できます。 また、埋葬費を受給したからといって相続放棄ができなくなることもありません。

葬祭扶助とは?

遺族が生活保護を受けていて葬祭費用をまかなえない場合や生活保護受給者の葬祭を遺族以外の人が手配する場合等は、葬祭扶助制度を利用できる場合があります。葬祭扶助制度については「葬祭扶助とは?受けられるのは喪主が生活保護受給者の場合だけ?」をご参照ください。

埋葬費の時効は亡くなった日の翌日から2

埋葬費を請求する権利は、亡くなった日の翌日から起算して2年を経過すると時効によって消滅してします。

請求方法

請求方法は、加入している健康保険または共済組合によって異なります。 ここでは、協会けんぽにおける埋葬費の請求方法について説明します。亡くなった方が組合健保または共済組合の被保険者だった場合は、加入していた健康保険組合または共済組合にお問い合わせください。

請求先

協会けんぽの場合、埋葬費の請求は、亡くなった方が加入していた協会けんぽの都道府県支部に対して行います。 申請書類を窓口に直接持参する方法のほか、郵送による請求も可能です。 各都道府県支部の所在地と連絡先は、協会けんぽウェブサイトのこちらのページからご確認できます。

必要書類

必要書類は、「健康保険 被保険者 家族 埋葬料(費)支給申請書」と、添付書類に分類されます。 以下、それぞれについて説明します。

埋葬費支給申請書

「健康保険 被保険者 家族 埋葬料(費)支給申請書」は、手書きで記入する方法と、パソコンで入力する方法があります。 以下、それぞれについて説明します。
手書きで記入する方法
手書きで記入する場合、まず、申請書をこちらからダウンロードして印刷するか(印刷時の注意点については後述)、協会けんぽの都道府県支部で入手することができます。 書き方については、こちらの記入例をご参照ください。
パソコンで入力する方法
パソコンで入力する場合は、申請書をこちらからダウンロードしてご利用ください。 まず、パソコンで入力できる箇所を入力します(パソコンで入力できない欄もあります)。 書き方については、こちらの記入例(手書き用の記入例ですが、パソコンで入力する場合も参考になります)をご参照ください。 入力し終えたら印刷します(印刷時の注意点については後述)。
印刷の際の注意点
印刷する際は、以下の4点にご注意ください。
  • 片面ずつ印刷すること(両面印刷不可)
  • 拡大・縮小、中央配置の設定を「実際のサイズ」にすること
  • トナーセーブしないこと
  • 印刷したものを更にコピーしないこと
印刷時のプリンター設定についての一例をご紹介します。 (出典:全国健康保険協会) 上記のプリンター設定画面及び設定方法は一例です。お使いのパソコン、プリンター、ソフトウエア等の状況によっては、上記と異なる場合があります。

添付書類

ケースに応じて添付書類が必要になります。 以下、ケースごとに説明します。 なお、場合によっては、ここに掲載のない添付書類が必要となることもありますのでご了承ください。
事業主の証明が受けられない場合
事業主の証明が受けられない場合は、次のいずれかの書類が必要です。
  • 埋葬許可証のコピー
  • 火葬許可証のコピー
  • 死亡診断書のコピー
  • 死体検案書のコピー
  • 検視調書のコピー
  • 亡くなった方の戸籍(除籍)謄(抄)本
  • 住民票
埋葬費申請の場合
埋葬費申請の場合は、埋葬に要した費用の領収証や振込明細書等が必要です。
外傷が原因で亡くなった場合
外傷が原因でなくなった場合は、負傷原因届が必要です。 負傷原因届については、こちらのページをご参照ください。
交通事故等のように第三者の行為によって亡くなった場合
交通事故等のように第三者の行為によって亡くなった場合は、「第三者行為による傷病届」が必要です。 「第三者行為による傷病届」については、こちらのページをご参照ください。
被保険者のマイナンバーを記載した場合
被保険者の保険証の記号番号を申請書に記入した場合は、被保険者のマイナンバーは記入不要ですが、記号番号を記入せず、マイナンバーを記入した場合は、本人確認書類が必要です。 本人確認書類は、マイナンバーカード持っている場合と、持っていない場合とで異なります。 マイナンバーカードを持っている場合は、マイナンバーカードの表と裏の両面のコピーが必要です。 マイナンバーカードを持っていない場合は、番号確認書類と身元確認書類の両方を貼付台紙に貼付して、申請書に添付します。貼付台紙はこちらからダウンロードして印刷してご利用ください(協会けんぽの都道府県支部でも入手可能)。 番号確認書類は、次の3つのいずれか1つが必要です。
  • 個人番号通知のコピー
  • 住民票(マイナンバーの記載のあるもの)
  • 住民票記載事項証明書(マイナンバーの記載のあるもの)
身元確認書類は、次の3つのいずれか1つが必要です。
  • 運転免許証のコピー
  • パスポートのコピー
  • その他官公署が発行する写真つき身分証明書のコピー

いつ振り込まれる?

埋葬費は、協会けんぽの場合、申請書に記入した金融機関口座に振り込んで支給されます(現金で受け取ることはできません)。 申請してから振り込まれるまでの期間は、協会けんぽの場合、通常、23週間です。

埋葬費に相続税はかからない

埋葬費は「相続財産」または「みなし相続財産」には該当しないので、埋葬費に相続税はかかりません。 また、相続税の計算にあたって葬儀費用から埋葬費を控除する必要もありません。

埋葬費は確定申告が不要

埋葬費には所得税もかからないため、確定申告も不要です。 もっとも、埋葬費とは関係なく確定申告が必要な人は確定申告が必要ですが、その場合も埋葬費を申告する必要はありません。

まとめ

以上、埋葬費について説明しました。 家族が亡くなった後の相続手続きやその他の手続きについては、種々の手続きがあり非常に煩雑ですが、一括して代行してくれる専門家も存在します。 申請漏れによってもらえるはずだったお金がもらえないなどということがないように、専門家を上手に活用しましょう。 まずは、気軽に相談してみるとよいでしょう。

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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