税理士監修記事

申告期限後3年以内の分割見込書を必要な場合、書き方と記載例

遺産が未分割の状態で相続税の申告期限を迎える場合、申告時には配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例等の特例の適用を受けることができませんが、「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書に添付して提出しておくことで、分割後に遡って特例の適用を受けることができ、納付済みの相続税の差額の還付を受けることができます。

この記事では、「申告期限後3年以内の分割見込書」について、税理士がわかりやすく丁寧に説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出すべき場合

「期限後3年以内の分割見込書」は、相続税の申告書の提出期限までに相続又は遺贈(遺言によって財産を取得させること)により取得した財産の全部又は一部が分割されていない場合において、その分割されていない財産を申告書の提出期限から3年以内に分割し、次の特例の適用を受けようとする場合に、相続税申告書に添付して提出します。

  • 配偶者の税額軽減(相続税の配偶者控除)
  • 小規模宅地等の特例
  • 特定計画山林の特例
  • 特定受贈同族会社株式等に係る特定事業用資産の特例

配偶者の税額軽減(相続税の配偶者控除)は、配偶者が遺産分割や遺贈により取得した遺産額から、配偶者の法定相続分相当額か1億6000万円のいずれか大きい方の金額を差し引いて、残った金額にのみ課税するという制度です。多くの場合、この特例を受けることで被相続人の配偶者には相続税がかからなくなります。詳しくは「配偶者の税額軽減の特例を活用して相続税を目一杯安くする方法と注意点」をご参照ください。

小規模宅地等の特例は、被相続人の自宅の土地や、被相続人が事業に使っていた土地を相続する場合に、一定の条件を満たせば、相続税を計算する際の土地の評価額を最大8割引にしてくれる制度です。詳しくは「小規模宅地等の特例で8割減で大幅に節税する方法と意外な落とし穴」をご参照ください。

特定計画山林の特例は、一定の要件を満たす相続人等が、相続等によって取得した一定の要件を満たす山林で、この特例の適用を受けるものとして選択したものについて、その相続等に係る相続税の申告期限まで引き続きその山林の全てを有している場合(これに準ずる場合を含みます。)には、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、5%を減額するという制度です。詳しくは、国税庁の手引き「2 相続税の申告」の「4 相続税はどのように計算するのでしょうか」の「(5) 特定計画山林の特例」をご参照ください。

特定受贈同族会社株式等に係る特定事業用資産の特例とは、個人が、平成21年3月31日以前に相続時精算課税に係る贈与(贈与税の申告の際に一定の届出をしたものに限ります。)によって取得した特定受贈同族会社株式等でこの特例の適用を受けるものとして選択したものについて、一定の要件を満たす場合には、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、10%を減額(上限1億円)するという制度です。詳しくは、国税庁の手引き「2 相続税の申告」の「4 相続税はどのように計算するのでしょうか」の「(7) 特定受贈同族会社株式等に係る特定事業用資産の特例」をご参照ください。

「申告期限後3年以内の分割見込書」の書き方と記載例

「申告期限後3年以内の分割見込書」の書式(PDFファイル)は、こちらのリンクからダウンロードできます。

印刷してご使用ください。

PDFファイルの2枚目は記載方法についての説明書になっており、こちらは印刷しなくても構いません。

「申告期限後3年以内の分割見込書」は、相続税の申告書に添付して税務署に提出します。未分割の場合の相続税申告書の書き方については「未分割の場合の相続税の申告方法と申告書の書き方、デメリット」をご参照ください。

「 1 分割されていない理由」欄及び「2 分割の見込みの詳細」欄には、相続税の申告期限までに財産が分割されていない理由及び分割の見込みの詳細を記載してください。

それぞれ5行分のスペースがありますが、長々と書く必要はありません。

「 1 分割されていない理由」欄の記載例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 分割協議不調のため
  • 相続人○○○○が海外赴任中であり、分割協議が実施できていないため
  • 相続人○○○○が不在で、分割協議が実施できていないため
  • 遺産の調査が終わっていないため

「2 分割の見込みの詳細」欄の記載例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 分割協議が進展しており、近く協議が調うことが見込まれる
  • 海外赴任中の相続人○○○○が来年○月に帰国し、分割協議を行う予定となっている
  • 不在である相続人○○○○につき、不在者財産管理人の選任申立を行っており、不在者財産管理人が選任され次第、分割協議を実施するつもりである
  • 遺産の調査が来年○月に完了する見込みであり、調査完了後、速やかに分割協議を実施する予定となっている

「 3 適用を受けようとする特例等」欄は、該当する番号にすべて○を付してください。

「申告期限後3年以内の分割見込書」提出後の流れ

遺産が分割された結果、納め過ぎの税金が生じた場合には、分割の日の翌日から4か月以内に更正の請求をして、納め過ぎの税金の還付を受けることができます。期限内に更正の請求をしなかった場合は税額の還付を受けることができません。

更正の請求とは、申告した税額が実際よりも多かったときに正しい額への訂正を求めることをいい、これが認められると過大に納付した額が還付されます(詳しくは「相続税の更正の請求|期限、報酬、請求書と次葉の書き方と記載例」参照)。

申告期限後3年以内に分割できない場合はどうする?

相続等に関する訴えが提起されているなど一定のやむを得ない事情があって申告書の提出期限から3年以内に遺産が分割できない場合には、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し、その申請につき所轄税務署長の承認を受けた場合には、判決の確定の日など一定の日の翌日から4か月以内に分割されたときに、これらの特例の適用を受けることができます。適用を受ける場合は、分割が行われた日の翌日から4か月以内までに「更正の請求」を行ってください。

まとめ

以上、「申告期限後3年以内の分割見込書」について説明しました。

未分割のまま相続税申告期限を迎える場合、特例を適用できないことで相続税を損してしまわないように、「申告期限後3年以内の分割見込書」の提出等、手続きを抜かりなく進めなければなりません。

そのためには、相続税に強い税理士に申告を依頼した方がよいでしょう。

無料相談に応じている税理士も多くいるので、一度、相談してみることをお勧めします。

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