税理士監修記事

側方路線影響加算率を使った評価方法を税理士がわかりやすく説明

土地を評価するときに、側方路線影響加算率を用いるのは、どのような場合なのでしょうか?

また、どのように計算するのでしょうか?

側方路線影響加算率表は、どのように見ればよいのでしょうか?

この記事では、以上のような側方路線影響加算率に関する疑問に税理士が丁寧に説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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側方路線影響加算率とは?

側方路線影響加算率とは、正面と側方に路線がある宅地(角地又は準角地)を評価する際に、側方路線に接していることが宅地の価値に与える影響を加味して、正面路線のみに接する場合の価額に一定額を加算するために、側方路線の路線価に乗じるための割合のことをいいます。

側方路線影響加算率表

側方路線影響加算率表は以下のとおりです。

地区区分加算率
角地の場合準角地の場合
ビル街地区0.070.03
高度商業地区
繁華街地区
0.100.05
普通商業・併用住宅地区0.080.04
普通住宅地区
中小工場地区
0.030.02
大工場地区0.020.01

準角地とは、次図のように一系統の路線の屈折部の内側に位置するものをいいます。

側方路線影響加算率を使った角地・準角地の評価方法

角地や準角地の1㎡当たりの価額は、側方路線影響加算率を用いた次の算式によって評価します。

奥行価格補正後の正面路線価+奥行価格補正後の側方路線価×側方路線影響加算率

2の路線のうち、どちらが正面路面で、どちらが側方路面になるのでしょうか?

奥行価格補正後の路線価の高い方が正面路線です(奥行価格補正後の路線価が同額となる場合には、原則として、路線に接する距離の長い方の路線を正面路線とします)。

奥行価格補正後の路線価は、「路線価×奥行価格補正率」で求めることができます。

奥行価格補正率は、地区区分と奥行距離に応じて、下の表のとおり定められています。

 

地区区分

奥行距離(メートル)

ビル街地区高度商業地区繁華街地区普通商業・併用住宅地区普通住宅地区中小工場地区大工場地区
4未満0.800.900.900.900.900.850.85
4以上6未満0.920.920.920.920.900.90
6以上8未満0.840.940.950.950.950.930.93
8以上10未満0.880.960.970.970.970.950.95
10以上12未満0.900.980.990.991.000.960.96
12以上14未満0.910.991.001.000.970.97
14以上16未満0.921.000.980.98
16以上20未満0.930.990.99
20以上24未満0.941.001.00
24以上28未満0.950.97
28以上32未満0.960.980.95
32以上36未満0.970.960.970.93
36以上40未満0.980.940.950.92
40以上44未満0.990.920.930.91
44以上48未満1.000.900.910.90
48以上52未満0.990.880.890.89
52以上56未満0.980.870.880.88
56以上60未満0.970.860.870.87
60以上64未満0.960.850.860.860.99
64以上68未満0.950.840.850.850.98
68以上72未満0.940.830.840.840.97
72以上76未満0.930.820.830.830.96
76以上80未満0.920.810.82
80以上84未満0.900.800.810.820.93
84以上88未満0.880.80
88以上92未満0.860.810.90
92以上96未満0.990.84
96以上100未満0.970.82
100以上0.950.800.80

なお、普通住宅地区と普通商業・併用住宅地区などのように、地区の異なる2以上の路線に接する宅地の正面路線は、それぞれの路線価に各路線の地区に適用される奥行価格補正率を乗じて計算した価額を基に判定し、正面路線が決まったら、正面路線の地区区分を他の路線にも適用します。

それでは、次の設例の角地の価額を評価してみます。

  • 正面路線価:200,000円
  • 側方路線価:100,000円
  • 正面路線から見た奥行距離:50メートル
  • 側方路線から見た奥行距離:10メートル
  • 地区区分:普通住宅地区
  • 地積:500㎡

まず、正面路線と側方路線のそれぞれの奥行価格補正率を確認します。

正面路線は、普通住宅地区で奥行距離が50メートルなので、奥行価格補正率表によって、奥行価格補正率が0.89であることが分かります。

側方路線は、普通住宅地区で奥行距離が10メートルなので、奥行価格補正率表によって、奥行価格補正率が1.00であることが分かります(つまり補正無し)。

次に、それぞれの奥行価格補正後の路線価を求めます。

正面路線は、「200,000円×0.89=178,000円」となります。

側方路線は、「100,000円×1.00=100,000円」のままです。

奥行価格補正後も正面路線の方が路線価が高いので、正面路線は入れ替わりません(前述のとおり、奥行価格補正後の路線価が高い方が正面路線になります)。

そして、普通住宅地区の角地の側方路線影響加算率は、前掲の側方路線影響加算率表を参照すると、0.03であることが分かります。

そうすると、この角地の1㎡当たりの価額は、「178,000円+100,000円×0.03=181,000円」となります。

この角地の価額は「181,000円×500㎡=90,500,000円」となります。

なお、土地を評価する際には様々なルールがありますが、ここでは、分かりやすくするために、側方路線影響加算に絞って計算しました。

裏面路線に接する宅地の評価には二方路線影響加算率を用いる

正面と裏面に路線がある宅地の評価には、二方路線影響加算率を用います。

二方路線影響加算率表は、以下のとおりです。

地区区分加算率
 ビル街地区0.03
 高度商業地区
繁華街地区
0.07
 普通商業・併用住宅地区0.05
 普通住宅地区
中小工場地区
大工場地区
0.02

表の見方や、二方路線影響加算率を用いた評価方法については、側方路線影響加算率と変わりありません。

三方路線、四方路線に接する宅地の評価方法

三方路線、四方路線に接する宅地についても、側方路線影響加算と二方路線影響加算を組み合わせることによって評価することができます。

側方路線影響加算・二方路線影響加算の注意点

側方路線影響加算を行う際は、次の点にご注意ください。

  • 側方路線に接する場合であっても現実に角地としての効用を有しない場合には、側方路線影響加算率に代えて二方路線影響加算率を適用する
  • 側方路線(又は裏面路線)に宅地の一部が接している場合の側方路線影響加算額(又は二方路線影響加算額)を計算する際には調整が必要

以下、それぞれについて説明します。

次の図のように、側方路線に接する場合であっても現実に角地としての効用を有しない場合には、側方路線影響加算率に代えて二方路線影響加算率を適用します。

これは、側方路線に接することの影響を加算するものですが、角地としての効用を有しないことから加算率の値としては側方路線影響加算率ではなく二方路線影響加算率を使用するという趣旨です。

また、上の図では、側方路線に宅地の一部のみが接しており、この場合、側方路線影響加算額を計算する際に調整が必要です。

この場合の側方路線影響加算及び二方路線影響加算は次のとおりになります。

不整形地補正については「不整形地とは?奥行・間口の取り方と補正率表の見方、評価方法」参照

奥行距離は、面積(600㎡)を間口距離(25m)で除して求めています。

側方路線影響加算額は次の計算方法により算出しても差し支えありません。

A土地の奥行距離10mにかかる奥行価格補正率は0.99ですが、0.99とするとAとBを合わせた整形地の奥行価格補正後の単価より、側方路線に接する部分が欠落している不整形地Bの奥行価格補正後の単価が高くなり不合理なので、このように前面宅地の奥行が短いため奥行価格補正率が1.00未満となる場合においては、奥行価格補正率を1.00とします。ただし、AとBを合わせて評価する場合において奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満の数値となる場合には、Aの奥行価格補正率もその数値とします。

二方路線影響加算額は、次の計算方法により算出しても差し支えありません。

「地積規模の大きな宅地の評価」については、考慮しないこととして計算しています(地積規模の大きな宅地の評価については「地積規模の大きな宅地の評価が適用できるケースと評価額の計算方法」参照)。

まとめ

以上、側方路線影響加算率について説明しました。

土地の評価に関しては様々なルールがあり、一般の方が抜け漏れなくすべてのルールを適用させることは極めて難しいものです(他のルールについては「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書の書き方と記載例」をご参照ください)。

一般の方がご自分で土地の評価をしたがために、土地の評価方法を間違ってしまい税務調査によって過少申告が指摘され追徴課税がなされたり、反対に高く評価してしまい税額も高くなってしまったり(この場合、税務署は「もっと安くなりますよ」とは言ってくれません)といったケースが多数生じています。

また、税理士でも、土地の評価に精通した税理士と、そうでない税理士では、評価額に大きな差が生じます。

土地の評価に精通した税理士なら、あらゆる評価減の制度を駆使して、評価額を目一杯下げることが可能です。

土地や土地の上に存する権利を相続や贈与によって取得した場合、税の申告は、土地の評価に精通した税理士に相談して進めることを強くお勧めします。

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