養子縁組をすると誰の戸籍に入る?戸籍の記載や苗字はどうなる?
養子縁組を検討している人が気になるのは「誰の戸籍に入るのか?」でしょう。養子となる人も自分の戸籍がどうなるのか気になるはずです。
実際、養子縁組の事実は戸籍に記載されますが、養親(養子の親となる人)の戸籍に入る場合もあればそうでもないこともあり、いろいろな記載方法があります。
もし手違いがないように、きちんと確認しておきましょう。
また、苗字がどうなるかもあわせて紹介します。養子縁組を検討している人は是非、参考にしてください。
[ご注意]
記事は、公開日(2018年12月4日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
養子の戸籍はどうなる?
養子縁組をする際に提出する養子縁組届には「入籍する戸籍または新しい本籍」という欄があります。
しかし、この選択肢を自分で選ぶことはできません。養親と養子の戸籍の状況に応じて、養子縁組をした後の戸籍がどうなるか決まっています。
養子縁組をした場合、戸籍の記載にはいくつかのパターンがあります。まず、単身者が養子となる場合は、以下の3パターンです。
- 養親の現在の戸籍に入る
- 戸籍に変動はなく身分事項欄に記載される
- 養親の新しい戸籍に入る
一方、既婚者が養子となる場合は、次の2通りです。
- 養子夫婦で新しい戸籍を作る
- 戸籍に変動はなく身分事項欄に記載される
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単身者が養子となる場合
養親の現在の戸籍に入る
こちらは最も基本的なパターンです。戸籍の筆頭者やその配偶者が養親となった場合、養子は現在の戸籍を出て養親の戸籍に入ります。
そのため、養子の苗字は養親と同じになります。
戸籍に変動はなく身分事項欄に記載される
養親と養子がもともと同じ戸籍に入っている場合は、養子縁組をしても養子の戸籍に変更はなく、戸籍の身分事項欄に養子縁組をしたことが記載されるのみです。
「もともと同じ戸籍に入っている場合」とは、例えば離婚をした父が再婚した場合などです。再婚相手と連れ子が養子縁組をするときは、養子の戸籍は変動せず、養親と養子の身分事項欄に養子縁組の事実が記載されるだけ、となります。
養親の新しい戸籍に入る
養親が戸籍の筆頭者やその配偶者ではないとき、養親を筆頭者とする新戸籍が自動的に編成され、養子がその戸籍に入ります。養子の苗字は養親と同じです。
既婚者が養子となる場合
養子夫婦で新しい戸籍を作る
戸籍の筆頭者(結婚により苗字を変えていない人)が養子となる場合には、養子縁組によって、養親の苗字の新戸籍を編成します。養親の戸籍に入るわけではありません。
そして養子の配偶者もあわせてこの戸籍に入ります(随従入籍)。したがって、配偶者も養子と同じ苗字になります。
一方、養子に子どもがいた場合、配偶者と異なり随従入籍はせず、養子のもともとの苗字の戸籍に残ることになります。
養子の子を新戸籍に入れる場合には、入籍届を役所に提出する必要があります。
戸籍に変動はなく身分事項欄に記載される
戸籍の筆頭者の配偶者(結婚により苗字を変更している人)が養子となる場合には、戸籍に変動はなく、身分事項欄に養子縁組の旨が記載されるだけです。
したがって、養親と養子の苗字が異なり、結婚して変更された苗字のままとなります。
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特別養子縁組をしたときの戸籍
特別養子縁組の戸籍については、養子だけの単独の戸籍が作られ、そこに一旦入ります。次に養親の戸籍に入ります。
一旦単独の戸籍を作ることで、実親の戸籍を見ても、養子がどこに行ったのかわからないようになっています。
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戸籍における養子縁組の記載
養子縁組をしたあとの戸籍の記載のされ方は、普通養子縁組と特別養子縁組で異なります。
ここでは、全部事項証明書の記載について説明します。
普通養子縁組の記載
普通養子縁組の場合は、続柄の項目に、養子が男性であれば「養子」と、養子が女性であれば「養女」と記載されます。
また、身分事項の欄に「養子縁組」と記載され、その右に「縁組日」「養父氏名」「養母氏名」「代諾者」「従前戸籍」が記載されます。
ちなみに養親の身分事項の欄にも「養子縁組」と記載され、その右に「縁組日」「共同縁組者」「養子氏名」が記載されます。
特別養子縁組の戸籍
特別養子縁組の場合は、続柄の項目は実子と同じで「長男」「長女」という記載です。
また、身分事項の欄には、「民法817条の2」と記載され、その右に「民法817条の2による裁判確定日」「届出日」「届出人」「従前戸籍」が記載されます。
離縁したときの戸籍
養子縁組を解消することを離縁と言います。
養子が養親と同じ戸籍にいる状態であれば、離縁をすると養子は養子縁組前の戸籍に戻ることになります。
戻る戸籍が除かれている場合は、新しい戸籍を編成します。また、戻る戸籍が存在していても、新しい戸籍を編成することもできます。
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この記事を書いた人
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