弁護士監修記事

養子縁組を検討するなら絶対に知っておくべき養子縁組完全ガイド

養子縁組を検討し、実際に養子縁組する際に、必要な情報がすべてまとまっているサイトがあると便利ですよね。

そのようなご要望にお応えするために、養子縁組を検討するにあたり、必要な情報をまとめました。

1ページにはとてもまとめきれないため、別記事を参照するかたちをとっています。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

養子縁組とは?

養子縁組(ようしえんぐみ)とは、実の(生物学的な)親子ではない人の間に法律上の親子関係を成り立たせる制度です。

養子縁組によって法律上の子となった人のことを養子(ようし)親となった人のことを養親(ようしん)と言い、養子縁組による親子のことを養親子(ようしんし)と言います。

養子に対して、実の子のことを実子(じっし)、実の親のことを実親(じつおや)、実の親子のことを実親子(じつしんし)と言います。

養子は、法律上、多くの場面で、実子と同じように扱われます。

養子縁組には、普通養子縁組特別養子縁組があります。

普通養子縁組とは?

普通養子縁組とは、通常の養子縁組のことで、わざわざ「普通」を付けなくても、単に「養子縁組」と言ったら、普通養子縁組のことを指しますが、特別養子縁組と区別するために、普通養子縁組と呼ばれることがあります。

普通養子縁組では、養親との間に法律上の親子関係が成立しますが、実親との親子関係が解消されるわけではなく、普通養子縁組によって養子となった人は、2組の親を持つことになります。

実親と養親の両方に対して、相続する権利や扶養を受ける権利(および義務)を持ちます。

このように普通養子縁組では、実親との親子関係が残るので、実親からも財産を相続できたり、養親だけで十分に扶養できない事態になった場合には実親からも扶養を受けることができたりと、養子になる人にとってメリットとなり得る点があります。

実親に余程の問題がない限りは関係を残しておいた方が、養子になる人にとってメリットがあるでしょうから、基本的には、普通養子縁組を検討することになるでしょう。

なお、いわゆる婿養子や、相続税対策を考えて孫を養子にするケースは100%普通養子縁組です。

また、再婚時に連れ子を再婚相手の養子にしたり、子供が欲しい夫婦が子宝に恵まれた親戚の家の子を養子にもらったりというようなケースも、多くの場合は普通養子縁組で行われます。

特別養子縁組とは?

一方、特別養子縁組とは、実親との親子関係を解消され、養親のみが法律上の親となる制度です。

実親の財産を相続する権利や、実親から扶養を受ける権利は、特別養子縁組をすることによって無くなります。

このように、特別養子縁組は、実親との親子関係を完全に断絶する制度です。

実親との親子関係を完全に断絶させた方が子にとって良いケースとしては、実親が、まったく育てる気がないとか、虐待しているとか、経済的に極めて困窮していて育てようがないというようなケースがあり得ます。

具体的には、児童相談所や民間の養子縁組あっせん機関によるあっせんを受けて、親もとで養育されていない子と特別養子縁組をするケースや、親が育てることができない親戚の子を引き取るケース、配偶者の連れ子で、もう一方の実親が養育費を一切支払わず危害を加えるおそれすらあるような場合に、再婚相手と連れ子の間で特別養子縁組をするケース等があります(連れ子のケースは実親が余程ひどくない限りなかなか認められないようです。)。

特別養子縁組によって実親との関係を断絶させるべきかどうかは、あくまで、養子となる子にとって、どちらが良いかと観点で考えなければなりません。

養親や実親の都合で考えるべきではありませんし、そのような考えで特別養子縁組を申立てても認められにくいでしょう。

養子縁組が認められるための条件

養子縁組が認められるための条件については、「養子縁組の条件は普通養子縁組と特別養子縁組で全く違うので要注意!」をご参照ください。

養子縁組と相続の関係

養子縁組と相続の関係については、「養子縁組による相続税対策と養子の相続権や法定相続分を完全解説!」をご参照ください。

養子縁組をすると戸籍や苗字はどうなる?

養子縁組と戸籍・苗字については「養子縁組をすると誰の戸籍に入る?戸籍の記載や苗字はどうなる?」をご参照ください。

養子縁組の手続き

養子縁組の手続き方法は、普通養子縁組と特別養子縁組とで異なるので、分けて説明します。

普通養子縁組の手続き

普通養子縁組の手続きは、基本的には、養子縁組届を市区町村の役所に提出することによって行います。

養子となる人が未成年者の場合や、後見人が被後見人を養子にする場合等は、あらかじめ家庭裁判所の許可が必要です。

この場合、許可が下りた後に届出を行います。

まず、役所での養子縁組届の手続きについて説明します。

養子縁組届の手続き

必要書類

届出に必要な書類は、次の通りです。

  • 養子縁組届書
  • 養親になる人と養子になる人の戸籍謄本(本籍地に届出をする場合は不要)
  • 届書を持参した人の本人確認書類(運転免許証やパスポート等)
  • (未成年者を養子にする場合等で裁判所の許可が必要な場合)養子縁組許可審判書

また、書類ではありませんが、届出する人の印鑑が必要です。

認印で構いませんが、シャチハタは不可です。

届の用紙を窓口に持参する人

届の用紙を窓口に持参する人は、養親となる人や養子となる人でなくても構いません。

前述の本人確認書類が必須になります。

届出先

届出人(養親となる人や養子となる人(15歳未満の場合は法定代理人)。必ずしも届の用紙を持参する人のことではありません。)の本籍地か住所地の市区町村の役所の戸籍に関する窓口に届出をします。

費用

普通養子縁組の役所での手続きに費用はかかりません。

期間

養子縁組届は提出されたその日に効力を生じます。

養子縁組許可の審判

未成年者を養子にする場合や後見人が被後見人を養子にする場合は、養子縁組許可の審判が必要です。ただし、未成年者を養子にする場合であっても、配偶者の連れ子や自身の孫を養子とする場合等、家庭裁判所の許可が必要ない場合もあります。

必要書類
  • 申立書
  • 養親となる人の戸籍謄本
  • 未成年者の戸籍謄本
  • 未成年者が15歳未満の場合、法定代理人の戸籍謄本

申立書の用紙は家庭裁判所で入手できますが、こちらからダウンロードして印刷して記入しても構いません。

記入に当たっては、こちらの記入例を参考にしてください。

申立人

養親となる人。

申立先

養子となる人の住所地を管轄する家庭裁判所裁判所の検索はこちら)。

費用

養子1人につき800円分の収入印紙と、裁判所からの連絡ための郵便切手が必要です。

期間

養子縁組許可の審判には数ヶ月かかります。

地域によってばらつきが大きいので詳しくは申立てを行う家庭裁判所にお尋ねください。

特別養子縁組の手続き

児童相談所やあっせん機関を介して養子のあっせんを受ける場合は、法的な手続の前に、あっせんを受けるための手続きや、両者を引き合わせて相性などを確認する手続きがあります。

法的手続きに移るまでの流れは、自治体や機関ごとに異なりますが、東京都の児童相談所の場合は、概ね、次のような流れで進められます。

  1. 申請要件の確認
  2. 里親研修受講
  3. 里親登録申請
  4. 調査、審議
  5. 里親認定
  6. 子どもの紹介、引き合わせ
  7. 交流期間(1~3か月)
  8. 委託の決定
  9. 6か月間同居

以上のような手続を経て、問題がなければ、法的な手続きに移ります。

特別養子縁組の法的な手続きは、次の2つです。

  1. 家庭裁判書への特別養子縁組成立の申立て
  2. 市区町村の役所への特別養子縁組届

特別養子縁組成立の申立てを行う前に、養親となる人と養子となる子は、6か月以上、一緒に住んで監護していなければなりません。

裁判所は、その監護状況を考慮して成立を決定するかどうかを審判します。

特別養子縁組成立の申立ては、養親の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。

申立てに必要な費用は、800円分の収入印紙と、裁判所からの連絡用の切手のみです。

申立てには、次の書類が必要です。

  • 特別養子縁組申立書
  • 養親となる人の戸籍謄本
  • 養子となる人の戸籍謄本
  • 養子となる人の実父母の戸籍謄本

特別養子縁組申立書の用紙は家庭裁判所で入手することができますが、こちらのリンクからダウンロードして印刷しても構いません。

記入に当たっては、こちらの記入例をご参照ください。

特別養子縁組成立の審判が確定したら、審判確定の日から10日以内に、市区町村の役場に、特別養子縁組届を提出します。

届出先の市区町村は、養子の本籍地か、養親の本籍地、住所地、所在地のいずれかです。

届出の際は、次の書類が必要です。

  • 特別養子縁組届書
  • 家庭裁判所の審判書謄本と確定証明書
  • 養親となる人の戸籍謄本(本籍地に届出する場合は不要)

特別養子縁組届書の記入例(見本)は以下の春日部市作成のものをご参照ください。

養子縁組届の書き方

養子縁組届の書き方については、「養子縁組届の書き方を再婚・婿養子等のケース別の記入例(見本)で説明」をご参照ください。

養子縁組の解消(離縁)

養子縁組の解消(離縁)について、「養子縁組を解消する方法と養子縁組の解消で損しないためのお金の話」をご参照ください。

まとめ

以上、養子縁組について説明しました。

幼い養子を迎える場合は特に、その子の人生を左右する選択になります。

弁護士等の専門家の意見も参考に慎重に検討しましょう。

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