遺贈にかかる相続税の計算方法をわかりやすく説明!
[ご注意]
記事は、公開日(2019年10月18日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
遺贈にも相続税がかかる
相続税は相続した財産だけでなく、遺贈によって取得した財産にもかかります。 遺贈とは、遺言によって財産を取得させることです。 ▼遺贈について詳しく知りたい方へおすすめの記事▼ 遺贈によって相続人以外に財産を取得させることもできます。 相続人が遺贈を受けた場合でも、相続人以外の人が遺贈を受けた場合でも、どちらの場合も相続税がかかります。 また、遺贈には、包括遺贈(割合を指定してする遺贈)と特定遺贈(財産を指定してする遺贈)がありますが、どちらの遺贈の場合も、やはり、相続税がかかります。遺贈にかかる相続税の計算方法
遺贈を受けた財産は、相続した財産と同じく、相続税の課税対象となります。 なお、ここでは特に遺贈と関連が深いポイントに絞って説明するので、相続税の詳しい計算方法については以下の記事をご覧ください。基礎控除
相続税には基礎控除があります。 受遺者や相続人の全員が遺贈や相続等によって取得した遺産の合計額が基礎控除額以下の場合は全額が控除されるので、結果として相続税はかからないことになります。 相続税の基礎控除額は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。 つまり、法定相続人が1人増えるごとに、基礎控除額は600万円増えます。 この点、遺贈によって遺産を取得する人の数が増えても法定相続人の数は変らないので、遺贈は基礎控除額に影響しません。 法定相続人の数え方についての詳細は以下の記事をご覧ください。2割加算
相続や遺贈などによって財産を取得した人が、被相続人(亡くなった人)の一親等の血族(代襲相続人を含む)と配偶者以外の人の場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。 一親等の血族とは、父母と子(養子を含む)のことです。 配偶者の父母や連れ子は一親等の血族ではありませんが、連れ子を養子にした場合は一親等の血族になります。 なお、養子でも、代襲相続人でない被相続人の孫は、例外的に2割加算の対象となります。 代襲相続とは、被相続人の子や兄弟姉妹が生きていれば法定相続人であったが相続開始以前に死亡していたというとき(相続欠格や廃除によって相続権を失ったときも含む)に、その人の子が代襲して相続人となることができる制度で、代襲して相続人となった人のことを、代襲相続人または代襲者と言います。 2割加算について詳しくは以下の記事をご覧ください。死亡保険金
被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、受取人が被保険者の相続人であるときは、相続により取得したものとみなされ、相続人以外の者が受取人であるときは遺贈により取得したものとみなされ、いずれの場合でも相続税の課税対象となります。 この死亡保険金の受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません。)である場合において、全ての相続人が受け取った保険金の合計額が次の算式によって計算した非課税限度額を超えるときは、その超える部分が相続税の課税対象になります。500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額 |
寄付
遺贈による寄付と税金の関係について説明します。 相続税は個人に課せられる税金なので、法人が遺贈を受けた場合、受遺者である法人には相続税はかかりません。 法人が遺贈によって得た経済的利益には、通常、法人税がかかります。 ただし、公益法人等には税制優遇があり法人税がかからないことがあります。 また、法人に遺贈した場合は、被相続人にみなし譲渡所得が生じ、準確定申告(納税者が亡くなった年の確定申告)によって所得税等を納付しなければならないことがありますが、この譲渡所得についても、公益法人等への遺贈の場合は、一定の要件を満たすことで非課税となる特例があります。 他方、相続人や受遺者が、相続や遺贈によって取得した財産を国や、地方公共団体又は特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人などに寄付した場合において一定のときは、相続税がかかりません。 遺贈による寄付について詳しくは以下の記事をご覧ください。この記事を書いた人
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