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親族の法的な範囲(親等)を家系図を元に説明!血族・姻族との違いも

親族の範囲。血族、姻族の違いを家系図で把握する

相続に関係する言葉は意味が難しいものが多いですが、「親族」についてはどうでしょう。定義は?と聞かれると、答えるのはなかなか難しい…。

法律用語として使用する「親族」には、誰が含まれて、誰が含まれないのかが明確に決まっています。加えて、親族を正しく理解するためには、「血族」「姻族」など近い意味をもつ単語をあわせて知っておく必要があります。

万が一ではありますが、親族の範囲を正しく理解していないと、思いもよらない税金が発生したり(相続税の2割加算など)、遺言書の手続きなどができないことがあります。

この記事では、親族の範囲や分類について、詳しく紹介していきます。

今後の相続について知りたい人は是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、公開日(2018年12月5日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

親族とは?

親族というと、一般的には、親戚とほぼ同じ意味で、親戚よりも少し硬い言い方というような位置づけでしょう。

この点、親族に含まれる人の範囲は、民法で明確に定義されていて、法律用語ではなく範囲が曖昧な親戚とは異なります。

親族について、民法では、次のように定められています。

第725条

次に掲げる者は、親族とする。

一  六親等内の血族

二  配偶者

三  三親等内の姻族

これら3つのいずれかに該当する関係の人は、法的な意味で親族であり、いずれにも該当しない人は法的には親族ではないということになります。

したがって、親族の範囲を知るためには、「六親等内の血族」、「配偶者」、「三親等内の姻族」のそれぞれの意味を理解しなければなりません。

血族・姻族とは?

血族と姻族という言葉が出てきたので、まず、この点から説明します。

血族とは、血縁関係にある人のことですが、これには、生物学上の血縁だけでなく、養子縁組による法律上の血族も含まれます。

姻族とは、配偶者(夫または妻)の血族と、血族の配偶者のことです。配偶者の血族の配偶者は姻族には含まれません。

親等とは?

「六親等内の血族」と「三親等内の姻族」と、親等という言葉が2回も出てきました。

親等(しんとう)とは、親族関係の法的な遠近を表す単位のことです。

親等が小さければ法的に近い親族関係であるということが言え、親等が大きければ法的に遠い親族関係であるということが言えます。

親等は、親子関係を経るごとに1親等を加えて数えます。

例えば、父母や子は1親等です。

祖父母は、親の親なので、2親等です。

孫は、子の子なので、2親等です。

兄弟姉妹は、親の子なので、2親等です。

伯叔父母(伯父(親の兄)、叔父(親の弟)、伯母(親の姉)、叔母(親の妹)の総称。要するに「おじ」「おば」のこと。)は、親の親の子なので、3親等です。

なお、親等を素早く数えるには、兄弟姉妹は2親等と覚えておくとよいでしょう。

先ほどの例では、伯叔父母(おじ・おば)の親等を数えるときに、親の親の子で3親等と数えましたが、兄弟姉妹は2親等と覚えておくと、親の兄弟姉妹だから1親等+2親等=3親等と計算することもできます。

また、姻族の親等の数え方も、血族親等の数え方と同じです。

つまり、配偶者の親も自分の親も同じ1親等、配偶者の兄弟姉妹も自分の兄弟姉妹も同じ2親等、配偶者の連れ子も自分の子と同じ1親等です。

配偶者と死別しても、その血族との姻族関係は自然には終了しません。

姻族関係を終了させるには、姻族関係終了届を役所に提出しなければなりません。

したがって、配偶者と死別した場合、姻族関係終了届を提出するまでは、配偶者の血族との親等は死別前と同じです(例えば、義父や義母は1親等)。

親等について詳しくは「親等とは?誰でもわかる親等の簡単な数え方と一目瞭然の親等一覧図」をご参照ください。

親族の範囲

家系図で見る親族の範囲

親族の範囲を家系図で示すと下図のようになります。

枠で囲ってあるのが親族です。

丸囲いの数字が親等です。

焦げ茶色の枠が6親等以内の血族で、桃色の枠が3親等以内の姻族です。

枠で囲っていない人は親族ではありません。

例えば、従兄弟姉妹(いとこ)の配偶者は4親等の姻族ですが、親族に含まれる姻族は3親等までなので、従兄弟姉妹の配偶者は姻族ではありません。

また、配偶者の兄弟姉妹の配偶者は、姻族ではないので、当然、親族でもありません。

異母兄弟、異父兄弟も親族

半血の兄弟姉妹(異父兄弟姉妹・異母兄弟姉妹)も兄弟姉妹ですので親族です。

親等も2親等で、全血の兄弟姉妹と変わりません。

なお、被相続人(亡くなった人)の全血の兄弟姉妹と、半血の兄弟姉妹が共同相続人になった場合、半血の兄弟姉妹の法定相続分は全血の兄弟姉妹の法定相続分の半分になります。

離婚して疎遠になった親子も親族

子と離婚した両親の間の親等は、離婚前と変わらず、1親等なので、親族です。親権を持っていなくても結論は同じです。

認知された非嫡出子も親族

未婚の男女の間に生まれた子(非嫡出子)であっても母子関係は親族です。

父子関係は、認知されている場合は親族ですが、認知されていない場合は親族ではありません。

養子も親族

養親と養子の関係であっても実の親子と同じく1親等で、親族です。

養親だけでなく、養親の血族や姻族とも規定の親等以内の関係であれば親族になります。

例えば、養親に実子がいれば、その実子と養子は兄弟姉妹となり、親族(2親等の血族)です。

なお、養子縁組後の親族と、養子の実の親族は、親族になりません。

つまり、養親と、養子の実親や実の兄弟姉妹は、親族ではありません。

養子の子について、養子縁組前に生まれた子は、養子縁組後の養子の親族と親族になりませんが、養子縁組後に生まれた子は、養子縁組後の養子の親族と親族になります(養子の孫も同様)。

養子に出た子と実親の関係については、普通養子縁組の場合はそのまま親族ですが、特別養子縁組の場合は実の親族とは親族関係がなくなります。

連れ子も親族

再婚相手の連れ子も1親等の親族です。

しかし、血族ではなく姻族です。

養子縁組をすれば血族になります。

なお、互いに連れ子がいた場合、連れ子同士は親族にはなりません。

親族の分類

親族にはいくつかの分類があります。

前述の血族と姻族(および配偶者)というのも一つの分類方法です。

このほか、直系と傍系尊属と卑属という分類方法があるので、説明します。

直系と傍系

直系とは、世代の上下方向に真っ直ぐつながる系統のことです。

例えば、父母、祖父母、曽祖父母、高祖父母、子、孫、曽孫、玄孫などが直系に当たります。

一方、傍系とは、直系ではなく、兄弟姉妹によって枝分かれした系統のことです。

例えば、兄弟姉妹、伯叔父母(おじ・おば)、甥・姪、従兄弟姉妹(いとこ)、伯叔祖父母(大おじ・大おば)、大甥・大姪などが傍系に当たります。

また、直系・傍系は、血族・姻族と組み合わせて使用することもできます。

つまり、直系血族、直系姻族、傍系血族、傍系姻族というように分類することができます。

直系血族とは、自分の直系の血族、つまり、自分の父母、祖父母、曽祖父母、高祖父母、子、孫、曽孫、玄孫などのことです。

直系姻族とは、直系の姻族、つまり、配偶者の直系血族のうち自分の直系血族ではない者、および、直系血族の配偶者のことです。

具体的には、配偶者の父母(義父・義母)や祖父母、曽祖父母、高祖父母など、および、子や孫、曽孫、玄孫などの配偶者が、直系姻族に当たります。

なお、前述の通り、姻族で親族に当たるのは、3親等以内に限りますので、4親等である配偶者の高祖父母や玄孫の配偶者は、姻族ではありますが、親族ではありません。

傍系血族とは、自分の傍系血族、つまり、前述のとおり、兄弟姉妹、伯叔父母(おじ・おば)、甥・姪、従兄弟姉妹(いとこ)、伯叔祖父母(大おじ・大おば)、大甥・大姪などのことです。

傍系姻族とは、傍系の姻族、つまり、配偶者の傍系血族、および、自分の傍系血族の配偶者のことです。

具体的には、配偶者の兄弟姉妹、伯叔父母、甥・姪、従兄弟姉妹、伯叔祖父母、大甥・大姪など、および、自分の兄弟姉妹、伯叔父母、甥・姪、従兄弟姉妹、伯叔祖父母、大甥・大姪などの配偶者が、傍系姻族に当たります。

なお、前述のとおり、姻族で親族に当たるのは3親等以内に限りますので、4親等である、配偶者の従兄弟姉妹、伯叔祖父母、大甥・大姪、および、自分の従兄弟姉妹、伯叔祖父母、大甥・大姪の配偶者は、姻族ではありますが、親族ではありません。

尊属と卑属

尊属とは自分よりも上の世代の血族のことで、卑属とは自分よりも下の世代の血族のことです。

ここでいう世代とは、年齢のことではなく、親子関係による区分のことです。

例えば、自分と同じ世代の血族には、兄弟姉妹、従兄弟姉妹(いとこ)、再従兄弟姉妹(はとこ。親同士がいとこの関係)などがいます。

父母と同じ世代の血族には、父母、伯叔父母(おじ・おば)、従伯叔父母(いとこおじ・いとこおば。親のいとこ)などがいます。

子と同じ世代の血族には、子、甥・姪、従甥姪(いとこおい・いとこめい。いとこの子)などがいます。

尊属は、自分よりも上の世代の血族なので、前述の父母世代の父母、伯叔父母、従伯叔父母などに加えて、祖父母世代の祖父母、伯叔祖父母(大おじ・大おば)など、さらには、曽祖父母世代、高祖父母世代、そのさらに上の世代も尊属です。

卑属は、自分よりも下の世代の血族なので、前述の子世代の子、甥・姪、従甥姪などに加えて、孫世代の孫、大甥・大姪など、さらには、曽孫世代、玄孫世代、そのさらに下の世代も卑属です。

なお、自分と同じ世代は、尊属でも卑属でもありません。

また、尊属・卑属に当たるのは、血族のみです。姻族は尊属・卑属に含まれません。

尊属・卑属は、直系・傍系と組み合わせて、直系尊属、傍系尊属、直系卑属、傍系卑属と分類することができます。

直系尊属には、父母、祖父母、曽祖父母、高祖父母などが該当します。

傍系尊属には、伯叔父母、従伯叔父母、伯叔祖父母などが該当します。

直系卑属には、子、孫、曽孫、玄孫などが該当します。

傍系卑属には、甥・姪、従甥姪、大甥・大姪などが該当します。

親族であることの法的効果

民法や刑法などの法律で、親族でなければできないといった規定や、反対に親族ではできないといった規定など、親族に関する様々な規定があります。

例えば、民法895条1項では、次のように定められています。

推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。推定相続人の廃除の遺言があったときも、同様とする。

また、後見人や後見監督人、保佐人や保佐監督人の選任や解任の請求権者の一つとして、親族が指定されています。

なお、4親等以内の親族とか、直系尊属などのように、一部の親族にのみ、権限を与えたり、制限を付したりすることもあります。

まとめ

以上、親族について説明しました。

参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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