税理士監修記事

贈与税の計算は自分で出来る!計算方法を税理士がわかりやすく説明

贈与を受けたときや、贈与をしたときに気になるのが、贈与税はいくらかかるのかという点でしょう。

この記事では、贈与税の計算方法について税理士がわかりやすく説明します。

また、贈与税を簡単に計算するためのシミュレーションツール(贈与税計算機)につてもご紹介します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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贈与税がかかる場合とかからない場合

贈与税は、個人から贈与された財産に対して課税されます。

贈与税の課税対象となる財産としては、金銭、不動産、有価証券などのように経済的な価値のある財産は基本的にはすべて該当します。

ただし、贈与税がかからない財産もあります。

例えば、次のような財産については、贈与税がかかりません。

  • 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
  • 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
  • 直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの
  • 直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの
  • 直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

詳しくは「贈与税非課税で生前贈与できる全12+2パターンを漏れなく紹介!」をご参照ください。

贈与税の課税方式

贈与税の課税方式には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2があり、贈与を受けた人が、どちらの方式で贈与税を計算するかを贈与者ごとに贈与税の申告時に選択することができます(ただし、一度、相続時精算課税を選択した贈与者からの贈与については翌年以降暦年課税を選択することはできません)。

暦年課税方式では、贈与税は、一人の人が11日から1231日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。

この記事では、暦年課税方式による贈与税の計算方法について説明します。

相続時精算課税方式では、2500万円まで贈与税が非課税になります。

贈与税はかかりませんが、相続時には、この制度により取得した贈与財産とその他の相続財産とを合わせた遺産総額に相続税が課税されるので、注意が必要です。

なお、2500万円を超える部分については、一律20%の贈与税が課せられます。

相続時精算課税について詳しくは「相続時精算課税制度を迂闊に利用して大損しないために知るべきこと」をご参照ください。

贈与税計算シミュレーションツール(贈与税計算機)

贈与税の計算方法を理解しなくても、贈与税計算シミュレーションツール(贈与税計算機)を利用することで、贈与税の税額を簡単に算出することができます。

以下のリンクからご利用ください。

贈与税計算シミュレーションツール(贈与税計算機)で税額を簡単に計算!

贈与税の計算方法

暦年課税方式では、贈与税は、毎年11日から1231日までの1年間に譲り受けた財産の合計額に対して課税されます。1年間に譲り受けた財産の合計額から基礎控除額である110万円を引いた額(これを課税価格といいます)に、税率をかけて、さらに一定の金額を控除するという方法で計算されます。

<贈与税の計算式>

課税価格(1年間に贈与を受けた財産の総額-110万円)×税率-控除額=贈与税額

暦年課税方式による贈与税の税率は、特例贈与財産と一般贈与財産とで異なり、特例贈与財産の方が税率が低く設定されています。

特例贈与財産とは、直系尊属(親や祖父母等)から、贈与を受けた年の11日時点で20歳以上の直系卑属(子や孫等)への贈与財産のことで、一般贈与財産とは、特例贈与財産に該当しない財産のことです。

一般贈与財産用の税率(一般税率)の速算表は次のとおりです。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超300万円以下 15% 10万円
300万円超400万円以下 20% 25万円
400万円超600万円以下 30% 65万円
600万円超1000万円以下 40% 125万円
1000万円超1500万円以下 45% 175万円
1500万円超3000万円以下 50% 250万円
3000万円超 55% 400万円

特例贈与財産用の税率(特例税率)の速算表は次のとおりです。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超400万円以下 15% 10万円
400万円超600万円以下 20% 30万円
600万円超1000万円以下 30% 90万円
1000万円超1500万円以下 40% 190万円
1500万円超3000万円以下 45% 265万円
3000万円超4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円

贈与税の計算方法を説明します。

例えば、30歳のAさんが、ある年の1年間に父母や祖父母といった直系尊属から受けた贈与の総額が1000万円であったとします。

Aさんは、どの贈与者からの贈与についても暦年課税を選択したとします。

1000万円から暦年課税の基礎控除額110万円を控除すると、「1000万円-110万円=890万円」となります。

贈与を受けた年の11日時点で20歳以上の人が直系尊属から贈与された財産は特例贈与財産に該当するので、特例税率の速算表に沿って贈与税額を計算します。

890万円は、「600万円超1000万以下」に該当するので、税率30%と控除額90万円を適用します。

そうすると、890万円×30%90万円=177万円」が贈与税額となります。

少し複雑なケースについても説明します。

Aさんは、ある年の1年間に、直系尊属から600万円、直系尊属以外の人から400万円、合計1000万円の贈与を受けたとします。

この場合は、特例贈与財産と一般贈与財産の両方があることになります。

その場合は、次の手順で計算します。

  1. すべての財産を「一般税率」で計算した税額に占める「一般贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
  2. すべての財産を「特例税率」で計算した税額に占める「特例贈与財産」割合に応じた税額を計算します。
  3. 1で算出した税額と、2で算出した税額を合計して、贈与税額を計算します。

12はどちらを先に計算しても構いません。

上記の事例をこの計算手順に当てはめて計算してみましょう。

まず、1の税額を計算します。

最初に、すべての財産を一般税率で計算します。

基礎控除後の課税価格890万円(=1000万円-110万円)を一般税率の速算表に当てはめると、600万円超1000万円以下の行を見ればよいので、税率が40%で、控除額が125万円であることが分かります。

そうすると、すべての財産を一般税率で計算した税額は、「890万円×40%-125万円=231万円」となります。

そして、この231万円に占める一般贈与財産の割合に応じた税額を計算します。

Aさんがその年に贈与を受けた1000万円のうち、一般贈与財産は、直系尊属以外の人から受けた400万円なので、1の税額は、「231万円×400万円/1000万円=924千円」となります。

続いて、2の税額も同様に計算すると、「177万円×600万円/1000万円=1062千円」となります(177万円は、特例税率の速算表に沿って「890万円×30%90万円=177万円」と計算できます)。

3に進んで、Aさんがその年に納めるべき贈与税額は、「924千円+1062千円=1986千円」となります。

財産の評価方法

金銭の場合は贈与額がはっきりしますが、不動産や非上場株式等の贈与を受けた場合は、贈与税の計算に当たって、財産の価額をどのように評価すればよいのかという問題に直面します。

この点、贈与税の計算の基礎となる財産の評価は、相続税と同様、「相続税評価額」によって行われます。

相続税評価額については「相続税評価額の基本的な計算方法と評価額を低く計算して節税する方法」をご参照ください。

まとめ

以上、贈与税の計算方法について説明しました。

このように贈与税の計算は自分で行うこともできますが、不動産や非上場株式のような評価が難しい財産の贈与を受けた場合は、税理士に一度相談してみることを強くお勧めします。

また、相続税対策として生前贈与をする場合も税理士に一度相談してみた方がよいでしょう。

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