税理士監修記事

財産評価基準書とは?見方を税理士がわかりやすく丁寧に説明!

相続、遺贈又は贈与により取得した財産は相続税及び贈与税の課税対象になります。

相続税や贈与税の計算のため、取得した財産を評価しなければなりませんが、中でも特に評価が難しいのが土地です。

土地の評価に当たっては、「財産評価基準書」の「路線価図」又は「評価倍率表」を用います。

この記事では、財産評価基準書について、税理士がわかりやすく丁寧に説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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財産評価基準書とは?

財産評価基準書とは、相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用する財産評価基準を示した文書のことをいいます。

財産評価基準書には、すべての財産評価基準が示されているわけではなく、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、そちらによって評価します(通達については「財産評価基本通達とは?相続税計算の基礎となる財産評価基準」参照)。

財産評価基準書は、主に土地の評価に用います。

土地の評価方法

相続、遺贈又は贈与により取得した土地の評価方法について説明します。

まずは評価対象地の地目区分を確認

土地の評価方法は、地目区分によって異なります。

したがって、まずは、評価対象地の課税時期(相続・遺贈の場合は被相続人が亡くなった時、贈与の場合は贈与により財産を取得した時)における地目区分を確認しなければなりません。

地目区分とは土地の用途による区分のこといいます。

地目区分には次の9つがあります。

名称概要
宅地建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地
農耕地で用水を利用して耕作する土地
農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
山林耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
原野耕作の方法によらないで雑草、かん木類の生育する土地
牧場家畜を放牧する土地
池沼かんがい用水でない水の貯留池
鉱泉地鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
雑種地以上のいずれにも該当しない土地

土地の地目は固定資産評価証明書又は固定資産税の課税明細書で確認できます。

登記地目と現況地目が記載されていますが、現況地目の方を参照してください。

記載されている現況地目と本当の現況地目が異なる場合は、本当の現況地目に基づいて評価します。

また、一つの土地を複数の地目で利用している場合は、地目ごとに相続税評価額を算出します。

固定資産評価証明書を取得するには交付手数料が必要ですが、相続税申告や登記の際には固定資産評価証明書が必要なので取得しても無駄にはなりません。

固定資産評価証明書の取得方法については「固定資産評価証明書について相続人が知っておくべき取得方法や見方」をご参照ください。

相続税申告を税理士に依頼する場合は、代行して取得してくれることが多いでしょう。

また、固定資産税の課税明細書は、毎年4月~6月頃(役所によって異なります)に納税義務者に届く「固定資産税納税通知書」に同封されています(別送の場合もあります)。

宅地の評価方法

ここでは、宅地の評価方法について説明します。農地(田・畑)については「農地の相続税はいくら?相続税評価額の計算方法と納税猶予」を、雑種地については「雑種地の評価方法を理解して相続税申告に備えよう!税理士が解説」をご参照ください。

宅地の評価方式には、「路線価方式」と「倍率方式」があり、地域ごとに評価方式が決まっています。

路線価方式によって評価する地域を「路線価地域」倍率方式によって評価する地域のことを「倍率地域」といいます。

まずは、評価対象地の所在地が路線価地域なのか倍率地域なのかを確認しなければなりません。

評価方式の確認

評価対象地の所在地が、路線価地域と倍率地域のいずれに該当するのかについては、次の手順で確認できます。

  1. 国税庁の「財産評価基準書」のサイトにアクセス
  2. 課税時期(相続・遺贈の場合は被相続人が亡くなった時、贈与の場合は贈与により財産を取得した時)の年のボタンをクリック
  3. 土地のある都道府県をクリック
  4. 「評価倍率表」欄の下の「一般の土地等用」をクリック
  5. 土地のある区市町村をクリック
  6. 「町(丁目)又は大字名」欄と「適用地域名」欄で評価対象地がある地域を探し、「固定資産税評価額に乗ずる倍率等」欄の「宅地」欄の表示を確認

「宅地」欄に「路線」と記載されていれば路線価地域数字が記載されていれば倍率地域です。

路線価方式

路線価方式による評価方法は複雑なので、別の記事にまとめてあります。次の2つの記事をご参照ください。

倍率方式

倍率方式による場合は、「評価対象地の固定資産税評価額×評価倍率」で評価します。

固定資産税評価額は、次のいずれかの書類で確認することができます。

  • 固定資産評価証明書
    ※固定資産課税台帳登録事項証明書または固定資産課税台帳記載事項証明書という名称になっている自治体もあります
  • 固定資産税の課税明細書

固定資産評価証明書を取得するには交付手数料が必要ですが、証明書で確認する方が確実ですし、相続税の申告や登記の際には固定資産評価証明書が必要なので取得しても無駄にはなりません。

固定資産評価証明書の取得方法については「固定資産評価証明書について相続人が知っておくべき取得方法や見方」をご参照ください。

登記申請を司法書士に依頼する場合は、固定資産評価証明書は司法書士が取得してくれることが多いでしょう(相続税申告の場合は税理士)。

取り急ぎ、評価額だけ知りたいということであれば、評価証明書を取得しなくても、固定資産税の課税明細書で確認することができます。

課税明細書は、毎年4月~6月頃(市町村によって異なります)に納税義務者に届く「固定資産税税 納税通知書」に同封されています(別送の場合もあります)。

課税明細書のフォーマットは市町村によって異なります。

各自治体の課税明細書の例を参考までにご紹介します。必要に応じて以下のリンクからご確認ください。

固定資産税評価額は、東京23区は「価格(円)」欄横浜市は「価格(評価額)(円)」欄大阪市は「当該年度価格(千円)」欄に、それぞれ記載されています。

課税明細書の見方が分からない場合は、不動産が所在する自治体(23区は都税事務所)にお尋ねください。

なお、固定資産評価証明書で確認する場合でも課税明細書で確認する場合でも、相続開始の年のものを確認してください。

個別評価

稀に、「固定資産税評価額に乗ずる倍率等」欄に「個別」又は「個」と記載されている場合がありますが、この場合は、税務署に「個別評価申出書」を提出し、個別評価を受けなければなりません。個別評価申出書については国税庁ウェブサイトの個別評価申出書のページをご参照ください。

よくある質問

以上、財産評価基準書について説明しました。

最後にまとめとして、よくある質問とその回答を示します。

財産評価基準書とは?

財産評価基準書とは、相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用する財産評価基準を示した文書のことをいいます。財産評価基準書には、すべての財産評価基準が示されているわけではなく、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、そちらによって評価します。財産評価基準書は、主に土地の評価に用います。

土地の評価方法は?

土地の評価方法は地目区分によって異なります。地目区分が宅地の場合の評価方式は路線価方式又は倍率方式によって評価します。

地目区分の確認方法は?

土地の地目は固定資産評価証明書又は固定資産税の課税明細書で確認できます。登記地目と現況地目が記載されていますが、現況地目の方を参照してください。記載されている現況地目と本当の現況地目が異なる場合は、本当の現況地目に基づいて評価します。また、一つの土地を複数の地目で利用している場合は、地目ごとに相続税評価額を算出します。

評価方式の確認方法は?

評価対象地の所在地が、路線価地域と倍率地域のいずれに該当するのかについては、次の手順で確認できます。(1)国税庁の「財産評価基準書」のサイトにアクセス(2)課税時期(相続・遺贈の場合は被相続人が亡くなった時、贈与の場合は贈与により財産を取得した時)の年のボタンをクリック(3)土地のある都道府県をクリック(4)「評価倍率表」欄の下の「一般の土地等用」をクリック(5)土地のある区市町村をクリック(6)「町(丁目)又は大字名」欄と「適用地域名」欄で評価対象地がある地域を探し、「固定資産税評価額に乗ずる倍率等」欄の「宅地」欄の表示を確認(7)「宅地」欄に「路線」と記載されていれば路線価地域、数字が記載されていれば倍率地域です。

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