税理士監修記事

家の相続税はいくら?計算方法や払えない場合の対処法を丁寧に説明!

主だった財産が家のみという場合に、相続税はいくらかかるのか、相続開始前から気になるところだと思います。

このようなケースでの相続税の計算方法や払えない場合の対処法について、税理士がわかりやすく丁寧に説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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相続税の計算方法

相続税は、財産ごとに計算されるわけではありません。

例えば、遺産に家と現金があったとして、家に対する相続税と現金に対する相続税と別々に計算するのではありません。

相続税は課税遺産総額に対して課税されます。

したがって、相続税額を計算するためには、まずは、課税遺産総額を算出しなければなりません。

課税遺産総額は、次の手順で計算します。

  1. 相続や遺贈によって取得した財産(遺産総額)の価額と、相続時精算課税の適用を受ける財産の価額を合計します。
    ※相続財産の評価方法(「相続税評価額の基本的な計算方法と評価額を低く計算して節税する方法」参照)
    ※相続時精算課税(「相続時精算課税制度を迂闊に利用して大損しないために知るべきこと」参照)
  2. 1から債務、葬式費用、非課税財産を差し引いて、遺産額を算出します。
    ※「相続税の非課税枠(限度額)はいくら?非課税となる財産には何がある?」参照
  3. 遺産額に相続開始前3年以内の暦年課税に係る贈与財産の価額を加算して、正味の遺産額を算出します。
    「暦年課税とは?暦年課税と相続時精算課税はどちらが得か?」の「暦年課税の贈与に相続税が課される場合(相続開始前3年以内の贈与)」の項目参照
  4. 3から基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を算出します。

正味の遺産額が基礎控除額以下の場合は、相続税はかからず、申告も不要です。

基礎控除額は、以下の計算式によって計算することができます。

3000万円+600万円+法定相続人の数

法定相続人の数え方について詳しくは、「相続税はいくらからかかるのか?いくらまで無税なのか?」の「法定相続人の数え方」の項目をご参照ください。

単純化した設例を元に、実際に課税遺産総額を計算してみましょう。

例えば、遺産が6000万円の不動産と4000万円の預貯金で、法定相続人が被相続人(亡くなって財産を残す人)の子であるAB2人で、Aが土地をBが現金を相続したとします。

正味の遺産額は6000万円+4000万円=1億円です。

基礎控除額は、前述のとおり「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算できます。

今回の基礎控除額は、法定相続人は2人なので、3000万円+600万円×2人=4200万円です。

そうすると、課税遺産総額は、1億円-4200万円=5800万円です。

課税遺産総額が計算できたら、次の手順で相続税額を計算します。

  1. 法定相続分に基づき各法定相続人の相続税額を算出し、それらを合計する
  2. 相続税総額を実際の相続分に基づき按分する
  3. 各相続人の事情に応じて税額を増減する

先ほどの設例に基づいて相続税を計算してみましょう。

法定相続分は2分の1ずつなので、AB、それぞれの課税対象額は5800万円×122900万円です(法定相続分については「法定相続分とは?相続人の組み合わせパターン別法定相続分の計算方法」参照)。

これを以下の相続税の速算表に当てはめます。

法定相続分に応ずる取得金額

(各法定相続人の課税対象額)

税率 控除額
1000万円以下 10%
1000万円超3000万円以下 15% 50万円
3000万円超5000万円以下 20% 200万円
5000万円超1億円以下 30% 700万円
1億円超2億円以下 40% 1,700万円
2億円超3億円以下 45% 2,700万円
3億円超6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

A、B共に、「法定相続分に応ずる取得金額(各法定相続人の課税対象額)」の列が「1000万円超3000万円以下」の行を確認すればよいので、税率は15%、控除額が50万円となり、相続税総額は、(2900万円×15%50万円)+(2900万円×15%50万円)=770万円となります。

これを実際の相続分に基づき按分します。

そうすると、Aの相続税額は770万円×6000万円/1億円=462万円、Bの相続税額は、770万円×4000万円/1億円=308万円となります。

そして、各相続人に、控除や2割加算の適用等、税額を増減する事情がある場合は、その事情に応じて計算します(「相続税の計算方法を流れに沿ってステップごとにわかりやすく説明!」の「各人の納付税額を計算する」の項目をご参照ください。)

家の評価方法

先ほどの例では、不動産の価格を6000万円としましたが、そもそも宅地や家屋の価額はどのように評価すべきでしょうか。

相続税の計算に用いる財産の価額には「相続税評価額」を用います。

以下、宅地と家屋それぞれの相続税評価額の計算方法について説明します。

宅地の相続税評価額の計算方法

まず、相続税の計算の宅地の評価方法について説明します。

宅地の相続税豹額の計算方法は複雑だが、概算を簡単に計算する方法もある

宅地の相続税評価額の算定方法は複雑であり、一般の方が自分で正確に算定することは難しいので、相続税申告の際は、税理士に相談することを強くお勧めします。

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相続税評価額の算定方法について知りたい場合は、「相続税を計算する際の土地の評価方法についてわかりやすく説明!」をご参照ください。

課税価格の合計額が基礎控除額以下に納まるかどうかについてざっくりと計算する目的であれば、簡易的に、宅地の固定資産税評価額から相続税評価額を算定することもできます。

宅地の固定資産税評価額を7で割って8を掛けると(つまり、約1.14倍すると)、相続税評価額の概算を算出することができます。

固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書に添付されている課税明細書に記載されています。

納税課税明細書に「価格」または「評価額」という欄がありますが、そこに金額が記載されています。

小規模宅地等の特例は宅地の評価額が最大8割引きに

「小規模宅地等の特例」とは、亡くなった人の自宅の土地や、亡くなった人が事業に使っていた土地を相続する場合に、一定の条件を満たせば、相続税を計算する際の土地の評価額を最大8割引きにしてくれる制度です。

詳しくは「小規模宅地等の特例で8割減で大幅に節税する方法と意外な落とし穴」をご参照ください。

家屋の相続税評価額の計算方法

家屋の相続税評価額は固定資産税評価額と同じ額

建物の相続税評価額は、固定資産税評価額を適用します。

貸家の相続税評価額は減額できる

借家権の設定されている貸家は、自用の建物に比べて、貸主にとって使い勝手が悪いので、貸家について相続したり贈与を受けた場合、その相続税評価額の算定に当たって、その家屋の相続税評価額から一定の割合を控除することになっています(相続財産は相続税、贈与を受けた財産は贈与税の課税対象となりますが、いずれの場合も財産の相続税評価額に対して課税されます。)。

貸家の相続税評価額は、次の式で計算します。

家屋の相続税評価額-家屋の相続税評価額×借家権割合×賃貸割合

借家権割合は、2019年現在、全国どの地域でも30%となっています。

借家権割合は、今後、変更になる可能性があります。

借家権割合を調べるには、国税庁ウェブサイトの財務評価基準書のページをご参照ください。

借家権割合を調べたい都道府県(建物が建っている都道府県)のクリックし、次に、「借家権割合」の文言をクリックすると、その都道府県の借家権割合を示したページにたどり着くことができます。

借家権割合は、「100分の30」のようなかたちで表しますが、「100分の30」は30%のことです。

賃貸割合は、「当該家屋の各独立部分の床面積の合計のうち課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積の合計」を「当該家屋の各独立部分の床面積の合計」で除した(割った)値です。

なお、この「各独立部分」とは、建物の構成部分である隔壁、扉、階層(天井及び床)等によって他の部分と完全に遮断されている部分で、独立した出入口を有するなど独立して賃貸その他の用に供することができるものをいいます。

相続した、または、贈与を受けた家屋の各独立部分の床面積の合計が100㎡で、そのうち、課税時期(相続時または贈与を受けた時)において賃貸されている各独立部分の床面積の合計が80㎡であった場合の賃貸割合は、「80㎡÷100㎡=80%」となり、「借家権割合30%×賃貸割合80%24%」を控除できることになります。

賃貸割合が高ければ高いほど、控除できる額が大きくなります。

賃貸アパートを相続する場合は、相続時に、できるだけ満室に近い方が控除できる額が大きくなるというわけです。

なお、継続的に賃貸されていたアパート等の各独立部分で、例えば、次のような事実関係から、アパート等の各独立部分の一部が課税時期において一時的に空室となっていたに過ぎないと認められるものについては、課税時期においても賃貸されていたものとして差し支えありません。

  • 各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものであること
  • 賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、空室の期間中、他の用途に供されていないこと
  • 空室の期間が、課税時期の前後の例えば1か月程度であるなど、一時的な期間であること
  • 課税時期後の賃貸が一時的なものではないこと

なお、無償で貸している場合や、著しく低廉な価格で貸している場合は、借家権割合の適用を受けることはできません。

相続税が払えない場合の対処法

遺産の価値のほとんどが不動産の場合に、相続税が払えないという事態が生じえます。

そのような場合の対処法については「相続税が払えない場合の対処法を優先順位を付けて分かりやすく説明!」をご参照ください。

まとめ

以上、家にかかる相続税について説明しました。

宅地の相続税評価額には様々な減額制度がありますが、すべてを正確に理解して適切に適用することは、一般の方には難しいでしょう。

高く評価してしまうと相続税も高くなってしまいます。

相続税の基礎控除額以上の相続財産がある場合は、税理士に一度相談することをお勧めします。

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