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結婚資金の贈与やご祝儀を非課税で受け取れる範囲をわかりやすく説明

親が結婚資金を贈与してくれることになった場合に気になるのが、贈与税がかかるのかどうかという点でしょう。

この記事では、結婚式の贈与やご祝儀を非課税で受け取ることができる範囲について分かりやすく説明します。

また、「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」の内容と、この制度を利用した方がよいケースについても説明します。

是非、参考にしてください。

どういう場合に贈与税がかかる?

結婚資金の贈与や結婚のご祝儀(祝い金)に贈与税はかかるのでしょうか?

結論から言うと、かかる場合とかからない場合があります。

贈与された財産には、基本的には、贈与税がかかりますが、例外的に贈与税がかからない財産もあります。

例えば、次の財産には贈与税がかかりません。

  1. 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
  2. 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
  3. 直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

父母等からの結婚資金の贈与については、上記の1に当たるかどうかによって、贈与税がかかるかどうかが決まります。

色々な人からもらうご祝儀については、上記の2に当たるかどうかによって、贈与税がかかるかどうかが決まります。

3については、「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」という制度が期間限定で実施されており、その制度の適用を受ける贈与のことを指しています。

これらに該当する財産は、相続時に贈与財産の加算と税額控除の適用を受けません。

贈与財産の加算と税額控除とは、相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算し、また、その加算された財産の価額に対応する贈与税の額は、加算された人の相続税の計算上控除されることになるという制度です。

分かりやすくざっくりと簡単に言うと、相続開始前3年以内の贈与は、贈与税が控除され、相続税が加算されるという制度なのですが、上記の1~3に該当する財産は、贈与税の対象とならないだけでなく、相続開始前3年以内であっても相続税の対象ともならないということです。

相続問題でお悩みの方はまずは弁護士にご相談ください

結婚後の生活費(家具購入費用など)の贈与は非課税?

前述の1にある通り、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」には贈与税がかかりません。

それでは、「生活費」や「通常必要と認められるもの」には、どのようなものが含まれるのでしょうか?(教育費については今回のテーマとは無関係なので割愛します。)

ここで言う「生活費」とは、贈与を受ける人にとって、通常の日常生活に必要な費用のことを言います。

「通常必要と認められるもの」とは、贈与を受けた人(被扶養者)の需要と贈与をした人(扶養者)の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいいます。

なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。

したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの購入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

以上をまとめると、通常の日常生活に必要な費用に充てるために、社会通念上適当と認められる範囲で、必要な都度贈与される財産には贈与税がかからないということになります。

結婚資金についても、婚姻に当たって、子が親から婚姻後の生活を営むために、家具、寝具、家電製品等の 通常の日常生活を営むのに必要な家具什器等の贈与を受けた場合、又はそれらの購入費用に充てるために金銭の贈与を受け、その全額を家具什器等の購入費用に充てた場合等には、贈与税の課税対象とならないとされています。

なお、贈与を受けた金銭が預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のように、その生活費(家具什器等の購入費用)に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となります。

結婚式・披露宴の費用を親が負担した場合は非課税?

結婚式や披露宴の費用は、生活費とは言えませんが、この全部または一部を親が負担した場合はどうでしょうか?

結婚式・披露宴の費用を誰(子(新郎・新婦)、その親(両家))が負担するかは、その結婚式・披露宴の内容、招待客との関係・人数や地域の慣習などによって様々であると考えられますが、それらの事情に応じて、本来費用を負担すべき人それぞれが、その費用を分担している場合には、そもそも贈与には当たらないことから、贈与税の課税対象となりません。

ご祝儀(祝い金)は非課税?

前述の2が関係しますが、個人から受ける結婚祝等の金品は、社交上の必要によるもので贈与をした人と贈与を受けた人との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税の課税対象となりません。

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直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税

「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」とは?

直系尊属とは、父母、祖父母、曽祖父母等のことです。

「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」とは、2015 年4月1日から2019 年3月 31 日までの間に、20 歳以上 50 歳未満の人が、結婚・子育て資金に充てるため、直系尊属からの贈与により取得した金銭などの価額のうち1,000 万円まで(この内、結婚資金として使えるのは300万円まで)の金額に相当する部分の価額については、贈与税の課税価格に算入しないとする制度で、略して「結婚・子育て資金の非課税」ともよばれます(この記事でも、以下、そのようによぶことにします)。

結婚・子育て資金の非課税を利用すべきケースはあまりない

結婚・子育て資金の非課税を利用すべきケースは、贈与者の財産が相続税の基礎控除額を超えるほどあって、かつ、親が健在である孫などに対して利用するケースです。

どういうことか説明します。

前述の通り、婚姻生活費用を必要な都度贈与する分には、結婚・子育て資金の非課税を利用しなくても元々贈与税はかかりません。

結婚・子育て資金の非課税の特徴は、一括贈与なのに、贈与税がかからないという点ですが、実は、この点は、上記のケース(相続税の課税対象となるプラスの遺産があって、かつ、推定相続人ではない孫や曽孫に対して利用するケース)以外では、特にメリットはないのです。

一括贈与と言っても、贈与財産は専用口座に入れられ、結局必要な都度でなければ、引き出して使用することはできません。

また、別の目的に使用した分には贈与税が課税されます。

そして、贈与者が亡くなった場合の残金は、相続税の課税対象となります。

なお、この点、教育資金贈与の非課税では、贈与者が亡くなっても、相続税の課税対象とならず、引き続き30歳までは非課税で教育資金に利用することができます(教育資金贈与の非課税については「教育資金贈与は都度贈与なら元々非課税!制度利用で一括でも非課税に」参照)。

したがって、教育資金贈与の非課税は節税メリットがありますが、結婚・子育て資金の非課税の節税メリットは基本的には無いと言えます。

ただ、前述の通り、親が健在である孫等に対しては、利用するメリットが、わずかばかりながらあるので、この点について説明します。

相続や遺贈(遺言によって財産を与えること)等によって財産を取得した人が、被相続人(亡くなった人)の一親等の血族(代襲相続人となった孫などを含みます。)及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されるという決まりがあります。

一親等の血族には、父母と子が含まれます(詳しくは「親族の法的な範囲(親等)を家系図を元に説明!血族・姻族との違いも」参照)。

そして、被相続人の子Aが被相続人よりも先に亡くなっていた場合は、Aの子B(被相続人の孫)がAを代襲して相続人となり、さらにBも被相続人より先に亡くなっていた場合は、Bの子C(被相続人の曽孫)がBを代襲して相続人となります。

このBやCが代襲相続によって取得した財産には2割加算はありませんが、相続開始時にAが健在であればBやCが代襲相続人となることはなく、このような場合に、被相続人がBやCに財産を残したいと思っているのであれば、遺贈等の方法によることになります(代襲相続について詳しくは「代襲相続とは?範囲は?孫や甥・姪でも相続できる代襲相続の全知識」参照)。

そして、その場合は相続税が2割加算されます。

しかし、結婚・子育て資金の非課税を利用した贈与した財産の残額を相続する場合は、相続税の2割加算はありません(相続税の2割加算について詳しくは「相続税の2割加算で損するケースと2割加算でも得するケースを徹底検証」参照)。

それで、親が健在の(=代襲相続人とならない)孫に対して結婚・子育て資金の非課税を利用する場合は、本来2割加算されてしまうところ、加算なしで遺贈できるため、メリットがあると言えます。

もっとも、相続税には基礎控除があり、課税価格の合計額が基礎控除額以下の場合は、相続税は元々かからないので、2割加算があるかどうかという話もそもそも関係なくなります。

よって、この項目の冒頭にお伝えした通り、贈与者の財産が相続税の基礎控除額を超えるほどあって、かつ、親が健在である孫などに対して利用するケースぐらいしか、結婚・子育て資金の非課税を利用するメリットはないのです。

なお、相続税の基礎控除額は、(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)で計算することができます(詳しくは「相続税の基礎控除額の計算方法と控除額を増やして節税する実践的な方法」参照)。

結婚・子育て資金の非課税の適用を受けるには、金融機関との契約が必要

結婚・子育て資金の非課税が適用になるのは、以上の条件に加えて、次のいずれかを当たる場合です。

  • 直系尊属と信託会社との間の「結婚・子育て資金管理契約」に基づき信託の受益権を取得した場合、
  • 直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭を「結婚・子育て資金管理契約」に基づき銀行等の営業所等において預貯金として預入をした場合
  • 「結婚・子育て資金管理契約」に基づきその直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭等(MRFとMMFを含む)で証券会社の営業所等において有価証券を購入した場合

つまり、信託銀行、銀行、証券会社のいずれかと「結婚・子育て資金管理契約」を結ばないと制度を利用できないということです。

取り扱いがある金融機関については、内閣府作成のこちらの資料をご参照ください。

贈与税には年間110万円の基礎控除がある

新居の購入費用等、非課税で贈与できる枠を超えて贈与を行いたい場合は、どうすればよいのでしょうか?

新居の購入であれば、「住宅取得等資金の非課税」という制度に定められた条件を満たせば一定額まで非課税で行うことができます(「住宅取得資金贈与を非課税にする方法と使わない方が節税になるケース」参照)。

しかし、住宅取得等資金の非課税は、使わない方が節税になるケースもありますし、住宅資金以外でも贈与を受けたいこともあるでしょう。

その点、贈与税には基礎控除があり、年間110万円までであれば非課税で贈与を受けることができます。

詳しくは「非課税で暦年贈与する方法と暦年贈与のつもりでも課税されるケース」をご参照ください。

まとめ

以上、結婚資金の贈与について説明しました。

まとめると、通常の範囲であれば、結婚資金の贈与もご祝儀も非課税ということです。

結婚・子育て資金の非課税については、残念ながら、あまりメリットがないことを説明しました。

したがって、通常の範囲で非課税で贈与しながら、生活費の枠を超えるものについては、暦年贈与によって非課税で贈与できるようにするとよいでしょう。

不明な点は、贈与と相続に精通した税理士にご相談ください。

初回相談料をとらない税理士も多いです。気軽に相談しましょう。

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この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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