弁護士監修記事

未登記建物を相続する前に絶対に知っておくべき全知識

身近な人が亡くなって、その遺産を相続することになった際に、建物が未登記であることが判明することがあります。

この記事では、未登記建物を相続する前に知っておくべきことについて、網羅的にわかりやすく説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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未登記かどうかの確認方法

遺産の建物が未登記かどうかを確認するためには、亡くなった人に届いている固定資産税・都市計画税の納税通知書を確認します。

固定資産税・都市計画税の納税通知書は、固定資産(不動産など)を所有している人に、毎年46月頃に届きます。

未登記であっても固定資産税・都市計画税は課税されるので、納税通知書に記載されています。

建物の欄に「未登記」と記載されていれば未登記建物です。

「未登記」の記載がなくても、「家屋番号」が空欄になっている場合も未登記建物です。

「家屋番号」が記載されていても、複数の建物に同じ家屋番号が記載されている場合は、一つを除いて未登記建物です。

このように納税通知書だけでも建物が未登記どうかを確認することができますが、念のため法務局で登記事項証明書を取得して確認した方がよいでしょう。

近くの法務局(どの法務局でも構いません)の窓口で未登記建物がある土地の地番等を示して、「この土地上にある建物の登記事項証明書を取得したい」旨を伝えるとよいでしょう。

未登記建物が含まれている場合も通常通り相続放棄できる

相続放棄をする場合は、遺産に未登記建物が含まれていても、登記されている場合と比べて、相続放棄の手続きに違いはありません。

また、相続放棄をしたことによって直ちに財産の管理責任を免れるわけではないことについても、登記されている場合と未登記の場合とで違いはありません。

民法第940条第1

相続放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。

相続放棄をすると固定資産税・都市計画税の納税義務がなくなることについても、登記されている場合と未登記の場合で、基本的な違いはありません(法定相続登記がなされた場合は、相続放棄をしても固定資産税・都市計画税の納税義務が生じることがあります)。

相続放棄については、弁護士または司法書士に相談するとよいでしょう。

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未登記建物の評価

建物の評価方法についても、登記されている場合と未登記の場合とで違いはありません。

遺産分割協議のための評価

遺産分割協議のために財産を評価する場合、当事者である相続人が納得すれば、どのような金額で評価しても構いません。

一般的には、相続税評価額か、時価で評価することが多いでしょう。

相続税評価額については後述します。

時価については、固定資産税評価額を0.6で割り戻した金額で算出するとよいでしょう。

固定資産税評価額は、固定資産税・都市計画税の納税通知書の課税明細書の「価格」欄に記載されています。

固定資産税評価額が600万円だとすると、時価は、「600万円÷0.61000万円」と算出できます。

相続税申告のための評価

相続税を計算する際は、相続税評価額によって財産を評価します。

自用の建物の相続税評価額は、固定資産税評価額と同じです。

貸家の場合は、3割ほど安くなります(詳しくは「家屋の相続税評価額の計算方法」参照)。

不動産の相続税評価額は、相続税に精通した税理士に依頼することで格段に安く評価できる場合があるため、一度相談することをお勧めします。

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未登記建物の遺産分割協議の書き方

遺産分割協議書には、以下のように記載するとよいでしょう。

所  在  東京都△△区〇〇

種  類  居宅

構  造  木造瓦葺2階建て

床面積   1階部分 〇平方メートル

                   2階部分 平方メートル

(未登記のため、令和○年固定資産納税通知書の記載による。)

遺産分割協議書について詳しくは、「遺産分割協議書のひな形をダウンロードして自分で簡単に作成する方法」をご参照ください。

未登記建物は登記しなくても大丈夫?

未登記建物を未登記のままにしておくと、次のようなデメリットがあります。

  • 法律に違反している
  • 譲渡できない
  • 担保権を設定できない
  • 善意の第三者に対抗できず、建物の所有権を失ってしまう可能性がある

建物を新築した際は、1か月以内に建物表題登記をしなければ、10万円以下の過料(かりょう。行政罰)に処するとされています。

しかし、実際に未登記で過料に処せられた事例はあまり耳にしたことがありません。

とはいえ、法律に違反している状態ですから望ましいことではないでしょう。

未登記建物を登記するには

未登記建物を登記するためには、次の2つの手続きが必要です。

  • 建物表示登記
  • 所有権保存登記

前者は土地家屋調査士に、後者は司法書士に依頼すべき手続きですが、どちらかに相談すれば、もう一方の手続きについても連携してワンストップで対応してくれることが多いでしょう。

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登記しない場合は所有権変更届を

登記しない場合は、せめて役所に所有権変更届を提出しておいた方がよいでしょう(届の名称は役所によって異なります)。

特に法定相続人が複数いる場合は所有権変更届等の提出の必要性が高いです。

所有者変更届を提出しなければ、固定資産税・都市計画税の納税通知書は、法定相続人の誰かに送付されますが、所有者変更届を提出すると、届に所有者として記載した人に送付されます。

納税通知書を転送してもらう手間がなくなりますし、転送し忘れによって税金を滞納することも予防できます。

また、未登記建物の所有者は、その建物が固定資産課税台帳上他人の所有名義で登録されていることを知りながら、これを明示または黙示に承認していた場合には、民法942項の類推適用により、名義人が所有権を有しないことを善意の第三者に対抗することができないとした判例も存在します。

未登記建物を解体する場合

未登記建物を解体する場合は、役所にその旨を届け出なければ、翌年以降も固定資産税・都市計画税が課税されることがあります。

届の名称は役所によって異なるので、詳しくは建物がある市区町村の役所にご確認ください。

まとめ

以上、未登記建物の相続について説明しました。

登記については司法書士にご相談ください。

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