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成年後見人に資格は不要!成年後見人になれる人とは?

成年後見人になるのに資格は必要あるのでしょうか? また、成年後見人になれる人はどのような人なのでしょうか? 弁護士がわかりやすく説明しますので、是非、参考にしてください。 なお、「そもそも成年後見人とは?」について知りたい人は「成年後見人とは?成年後見制度のデメリット、家族信託という選択肢も」をご参照ください。

[ご注意]
記事は、公開日(2019年9月5日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

成年後見人になるのに資格は不要

成年後見人になるための国家資格のようなものはありません。 ただし、次の欠格事由のうち、いずれか一つにでも該当する人は、成年後見人(任意後見人を含む)になることはできません(任意後見人については「任意後見制度・任意後見契約とは。法定後見との違いを一覧表で解説!」参照)。
  • 未成年者
  • 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
  • 破産者で復権していない人
  • 被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
  • 行方の知れない者
以上のうち、分かりにくそうなものについて説明します。 「家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人」には、家庭裁判所で親権の喪失や財産の管理権の喪失の宣告を受けた親権者、家庭裁判所の職権で解任された保佐人や補助人がこれに該当します。 「破産者で復権していない人」についてですが、復権とは、破産宣告を受けて破産者に課された権利の制限を消滅させ、破産者の本来の法的地位を回復させることをいいます。破産者は、例えば、免責許可の決定が確定した時等に復権します。 続いて、「被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族」について説明します。 被後見人とは、後見を受ける人のことです。 直系血族とは、父母、祖父母、子、孫などのことです(直系血族について詳しくは「血族とは。血族の範囲と親族や姻族との違いについてわかりやすく説明」参照)。 つまり、被後見人に対して訴訟(裁判)をしたことのある人や、その人の妻、夫、父母、祖父母、子、孫などに当たる人は、後見人になれません。 前述の欠格事由に該当しない人であれば、誰でも成年後見人になるチャンスはあります。 また、これらの欠格事由は、成年後見人だけでなく、保佐人、補助人、後見監督人、保佐監督人及び補助監督人についても同様です。 保佐人について詳しくは、「保佐人、被保佐人とは?被保佐人と成年被後見人や被補助人との違い」をご参照ください。 補助人について詳しくは「補助人とは?被補助人とは?保佐人・被保佐人との違いをわかりやすく説明」をご参照ください。

成年後見人はどのように選ばれる?

成年後見人を選ぶためには、家庭裁判所に「後見開始の申立て」を行う必要があります。この申立ては、被後見人となる者の住所地(住民登録をしている場所)を管轄する家庭裁判所に行います。 申立人は、申立時に、成年後見人の候補者を立てることができます。 申立てを行うと、家庭裁判所による調査が行われます。この調査を担当するのは家庭裁判所調査官です。 最終的に、裁判所が、本人の判断能力が著しく低下していると判断した場合は、後見開始の審判がなされ、成年後見人が選任されます。 成年後見人に選ばれるのは、もともと被後見人の身の回りのお世話をしていた親族であることもありますが、次のような場合には親族以外の第三者が選ばれることがあります。
  • 親族間に意見の対立がある場合
  • 被後見人が賃貸用マンションを所有していて賃料収入がある等、一定の事業収入がある場合
  • 被後見人の資産が多額の場合
  • 本人の財産を運用することを考えている場合
  • 本人の財産状況が不明確である場合
  • 後見人等候補者が自己又は自己の親族のために本人の財産を利用(担保提供等を含む)し、又は利用する予定がある場合
  • 後見人の候補者が高齢の場合(概ね70歳以上の場合)
上記のように、被後見人に多額の財産や一定の継続的収入がある場合や、親族間に利害の衝突や対立があるような場合には、第三者の後見人が選ばれます。この場合に選ばれるのは、弁護士や司法書士等の専門家です。 なお、被後見人の財産管理面ではなく、身の回りのお世話や介護等の面で親族がこれを後見人として引き受けるのが難しい状況の場合、社会福祉士等の専門家が選ばれることもあります。 また、財産管理を行う後見人と身上監護を行う後見人が複数選ばれる場合もありますし、社会福祉法人等の法人が選ばれる場合もあります。 2018年に選任された成年後見人のうち、親族と親族以外のそれぞれの割合は、親族が23.2%、親族以外が76.8です。 このように、現状は親族以外が成年後見人となることが多いのですが、その背景として、なるべく専門職資格者を成年後見人に選ぶべきとする裁判所の方針が影響してきたものと思われます。 しかし、今後は、この傾向が変わる可能性があります。 成年後見制度の取扱いについて、2019318日に厚生労働省で開催された専門家会議で、最高裁判所が、「成年後見人は親族が望ましい」とする考えを表明したのです。 この見解は、20191月に全国の家庭裁判所に通知されました。 したがって、2019年以降、この傾向に変化がみられる可能性があるのです。 さて、現状の話に戻って、親族が後見人となったケースにおける内訳は、被後見人の子が52.0%で最も高く、次いで、兄弟姉妹が15.3%、配偶者が8.5%、親が7.6%、その他親族が16.6%となっています。   親族以外の後見人となったケースにおける内訳は、司法書士が37.7%、弁護士が29.2%、社会福祉士が17.3%となっています。

まとめ

以上、成年後見人になれる人について説明しました。 成年後見人について不明な点は、司法書士や弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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