弁護士監修記事

相続開始日とはいつ?死亡日とは違う?相続開始を知った日とは?

相続はいつ開始するのでしょうか?被相続人(亡くなって財産を残す人)が死亡した日でしょうか?

それでは、相続人が被相続人の死亡を知らなかった場合は、相続はいつ開始するのでしょうか?

また、相続に関係する手続の中には、その期限が、相続の開始があったことを知った日または時から何か月以内と決まっているものがあります。

どのような場合に、「相続の開始があったことを知った」と言えるのでしょうか?被相続人の死亡を知った場合でしょうか?

この記事では、以上のような「相続開始日」に関してよくある様々な疑問について、弁護士がわかりやすく説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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相続開始日とは?

相続開始日とは、相続が開始する日のことで、被相続人の死亡日のことです。

法的に死亡したと扱われる場合には、次の3つがあります。

  • 自然死亡
  • 擬制死亡
  • 認定死亡

以下、それぞれについて説明します。

自然死亡

自然死亡とは、医学的な死亡のことです。

老衰による死亡を意味する「自然死」という言葉がありますが、自然死と自然死亡は異なります。

自然死亡は、老衰以外の外傷や病気による死亡も含まれます。

医師が死亡を確認すると、死亡診断書又は死亡(体)検案書を作成します。

これらの書類には、「死亡したとき」という項目があり、そこに医学的な死亡日時が記載されます(推定の場合もあります)。

記載された死亡日は、死亡届の提出によって戸籍にも反映されます。

つまり、自然死亡における「死亡日」=「相続開始日」は、「医学的な死亡日」=「死亡診断書又は死亡(体)検案書に記載された死亡日」=「死亡届提出後に戸籍に記載される死亡日」ということになります。

擬制死亡

擬制死亡とは、法的に死亡したものとみなされることです。

日本では、失踪宣告を受けた場合に死亡が擬制され、本人は戸籍から除籍されます。

失踪宣告とは、一定期間以上失踪していて、生きているか死んでいるか分からない状況の人に対して、法律上死亡したものとみなす効果を生じされる制度のことです。

失踪宣告が認められるのは、不在者が次のいずれかに該当するケースです。

  • 生死が7年以上明らかでない
  • 戦争、船舶の沈没、震災等の死亡の原因となる危難に遭遇し、その危難が去った後、生死が1年以上明らかでない

前者を普通失踪、後者を特別失踪(または、危難失踪)といいます。

なお、不在者とは、従来の住所(生活の本拠)または居所(人が生活している場所であるものの本人の意思や生活の状態に照らし住所ほどに安定したものでない場所)を去り、容易に戻る見込みのない人のことを言います。

失踪宣告を受けると死亡したものとみなされ、戸籍から除籍されますが、いつ死亡したものとみなされるかは、普通失踪の場合と、特別失踪(危難失踪)の場合とで異なります。

具体的には下表の時点で死亡したものとみなされます。

普通失踪 特別失踪(危難失踪)
失踪期間満了時(生死不明の状態が7年間継続した時) 危難が去った時点

認定死亡

認知死亡とは、事故や災害などで死亡した蓋然性が極めて高いものの、死体が確認できない場合に、取調官公署が死亡を認定し、これを受けて戸籍に死亡の記載がなされる制度です。

認定死亡と、失踪宣告は、死亡が未確認の場合に死亡したものと扱われるという点で共通しています。もっとも、認定死亡の場合には、戸籍には死亡の記載がされることで、死亡が事実上推定されるにとどまるという点で、失踪宣告がされる場合と異なります。

認定死亡は、失踪宣告の中でも特別失踪と特に似ていますが、両者の違いは下表の通りです。

特別失踪 認定死亡
認められるケース 危難が去った後1年以上生死不明(死亡が確実でなくてもよい)であること 遺体を発見できていないだけで、死亡が確実(危難が去った後すぐでも利用可能)であること
認定機関 家庭裁判所 官公庁
取消方法 審判 生きていたことを証明するだけでよい

相続開始を知った日(時)が期限の起算日となる手続

相続に関する手続きには、期限があるものがあります。

その期限は、相続開始日又は相続開始を知った日(時)が起算点となっています。

相続開始を知った日(時)を期限の起算点とする手続には、次のものがあります。

相続放棄又は限定承認の申述の期限は、原則として、「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内」です。

遺留分侵害額請求の期限は、「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間」又は「相続開始の時から十年を経過したとき」です。

準確定申告の期限は原則として「相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月を経過した日の前日」で、相続税の申告期限は原則として「相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内」です。

「相続の開始があったことを知った日(時)」とは、通常、被相続人の死亡を知った日(時)になります。

しかし、被相続人の死亡を知った日(時)から起算すると期限を過ぎていなくても、被相続人の死亡日(時)から起算すると期限を過ぎている場合は、手続きが受理されないこともありえます。

出来る限り、被相続人の死亡を知った日(時)から起算しても期限に間に合うように手続きした方が安心です。

もし、被相続人が死亡してから、そのことを知るまでに期間が空いてしまい、被相続人の死亡日(時)から起算すると期限に間に合わない(被相続人の死亡を知った日(時)から起算すると期限に間に合う)場合は、慎重に手続きを進める必要があります。

その場合は、相続放棄・限定承認、遺留分侵害額請求については弁護士に、相続税申告・準確定申告については税理士に、事前に相談することを強くお勧めします。

相続放棄又は限定承認の申述については、申立後に家庭裁判所から送付される相続放棄照会書の回答書に、被相続人の死亡を知った日と経緯について記述します。

相続放棄の申述では、回答書の書き方によって申述が受理されるか不受理となるかが左右され、一度、不受理の審判が下されると、覆すことが非常に困難になります。

弁護士に事前に相談のうえで手続きをしましょう。

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家庭裁判所は、回答書に記述された内容や職権で行う調査を元に申述を受理するかどうか審判します。

不受理の審判に不服がある場合は、不受理通知書を受け取った翌日から2週間以内に高等裁判所に即時抗告をすることができます。

しかし、家庭裁判所の審判結果を覆すだけの材料が用意できなければ、即時抗告は棄却されます。

また、税の申告については、「相続の開始があったことを知った日」は「社会通念上死亡を知り得た日」と解釈することになっています。

なお、被相続人が死亡したことは知っていたが、法定相続人の規定について不知で自分が相続人であることを知らなかった場合でも、やはり、被相続人の死亡を知った日(時)が、「相続の開始があったことを知った日(時)」になります(自分が相続人であることを知った日(時)ではありません)。

先順位の相続人全員が相続を放棄した結果、相続人となった場合は、先順位の相続人全員が相続を放棄したことを知った日(時)が、「相続の開始があったことを知った日(時)」になります。

まとめ

以上、相続開始日について説明しました。

「相続の開始があったことを知った日(時)」の解釈が問題となるようなケースでは、弁護士や税理士に事前に相談のうえで手続きをしましょう。

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