弁護士監修記事

遺産分割協議書に添付する印鑑証明書に関する全知識

相続手続きにおいて、遺産分割協議書を提出する際は、相続人全員の印鑑証明書の添付が必要になります。

この記事では、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書について、弁護士がわかりやすく説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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遺産分割協議書を提出する際は印鑑証明書が必要

遺産分割により取得した財産の相続手続きや相続税の申告を行うときは遺産分割協議書を提出しなければなりませんが、その際に、相続人全員の印鑑証明書も併せて添付しなければなりません。

遺産分割協議書の提出が必要な手続きは、次のとおりです。

  • 遺産分割により取得した不動産の登記
  • 遺産分割により取得した自動車・船舶の移転登録(名義変更)
  • 遺産分割により取得した預貯金の解約及び払戻し又は名義変更
  • 遺産分割により取得した有価証券の名義書換
  • 遺産分割により取得した財産の相続税申告

これらの手続きを行う場合は、遺産分割協議書に相続人全員の印鑑証明書を添付しなければならないのです。

遺産が現金と動産のみで、かつ、相続税の申告が不要な場合は、これらの手続きを行わないので、遺産分割協議書を作成しても印鑑証明書を取得する必要はありません。

なお、遺産分割以外の方法によって取得した場合の手続きには、遺産分割協議書は不要です。それは、相続人が一人の場合や、遺言によって取得した場合です。

誰の印鑑証明書が必要?

遺産分割協議書を提出する際に必要になるのは、遺産分割協議書に捺印した人全員の印鑑証明書です。

遺産分割協議書に捺印するのは通常は相続人ですが、未成年者や成年被後見人については、本人ではなく代理人が捺印しますので、印鑑証明書についても本人のものではなく代理人のものが必要になります。

他の相続人から印鑑証明書を受け取ったらすべきこと

前述の手続きのため他の相続人から印鑑証明書を受け取ったら、遺産分割協議書に捺印された印影と、印鑑登録されている印影が相違ないか確認しましょう。

印影が異なる場合は、印鑑登録されているものではない印鑑で遺産分割協議書に捺印した可能性があるため、その相続人に確認しましょう。

印鑑を間違えて捺印した印影に、少しずらして少し重なるように、同じ印鑑を捺印し、その横に正しい印鑑(印鑑登録してあるもの)で捺印してもらいます。

二重線による印影の訂正は認められません。

遺産分割協議書に添付する印鑑証明書の有効期限

遺産分割協議書に添付する印鑑証明書の有効期限は、手続きによって下の表のとおり異なります。なお、有効期限の考え方は提出先によって異なる場合があるため、念のため提出先に事前に確認することをおすすめします。

手続き印鑑証明書の有効期限
相続登記、相続税申告期限の定めなし
自動車・船舶の移転登録発行から3か月以内
預貯金の解約及び払戻し又は名義変更、有価証券の名義書換発行から3か月又は6か月以内
※金融機関によって異なる

提出書類の原本還付を受ける方法

提出書類の原本は、所定の申請手続きをとることで、還付してもらうことができます。

還付を受けなければ手続きごとに原本が必要になるので、複数の手続きをしなければならない場合は、原本の還付を受けた方がよいでしょう。

原本の還付を受けるには、印鑑証明書のコピーに、「原本と相違ない」旨を記載のうえ、申請者の記名押印をします。

この押印に用いる印は、その手続きの申請書に押印したものと同じものでなければなりません。

遺産分割協議書や印鑑証明書だけではなく、住民票や住民票の除票、戸籍謄本等についても同じ方法で原本還付を受けられます。

もっとも、戸籍謄本等については、相続関係説明図を添付すると、コピーの提出すら不要です。

相続関係説明図とは、亡くなった人の相続人が誰で、各相続人が亡くなった人とどのような続柄なのかという相続関係を説明するための家系図のような図のことです。

また、法定相続情報一覧図の写しを提出した場合は、原本すら提出不要です(法定相続情報一覧図の作成時に戸籍謄本等が必要なので、戸籍謄本等自体がまったく不要になるわけではありません)。

法定相続情報一覧図とは、法定相続人が誰で各法定相続人は被相続人とそれぞれどのような間柄なのかという情報を一覧化した図のことです。

なお、相続関係説明図や法定相続情報一覧図の写しを提出した場合に提出が不要になるのは戸籍謄本の類のみで、遺産分割協議書や印鑑登録証明書等の提出は必要です。

相続関係説明図の作成方法については「相続関係説明図を13種類のテンプレートから選んで簡単に作成する方法」を、法定相続情報一覧図の作成方法については「法定相続情報証明制度を利用すべき場合と利用すべきでない場合の基準」をそれぞれご参照ください。

提出書類の綴じ方

提出書類は手続きによって異なりますが、ここでは、相続登記の提出書類の綴じ方について説明します。

書類の並び順

書類の並び順については、次のような順番が一般的とされています。

  1. 登記申請書
  2. 収入印紙貼付台紙
  3. 委任状(自分で申請する場合は不要)
  4. 相続関係説明図
  5. 遺産分割協議書(コピー)
  6. 相続人全員の印鑑証明書(コピー)
  7. 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票の除票(コピー)
  8. 不動産を相続される方の住民票または戸籍の附票(コピー)
  9. 固定資産税評価証明書(コピー)
  10. 戸籍謄本等(原本)
  11. 遺産分割協議書(原本)
  12. 相続人全員の印鑑証明書(原本)
  13. 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票の除票(原本)
  14. 不動産を相続される方の住民票または戸籍の附票(原本)
  15. 固定資産税評価証明書(原本)

この順でなければならないわけではありませんが、抜け漏れチェックにもなりますから、基本的にはこの順番で綴じるとよいでしょう。

なお、必要書類は、前述のとおり、ケースによって異なりますので、ご注意ください。

綴じ方

まず、1と2の書類をステープラー(ホチキス)で綴じて、契印をします。

契印とは、二枚以上の書類がある場合に、それらが一式の書類で、順番に違いないこと(抜き取られていたり、足されたり、順番が入れ替わったりしていないこと)を証明するために、複数のページに渡って印影が残るように押す印鑑のことです。

次に、34の書類は、一旦そのままで、59の書類をステープラーで綴じて契印をします。

先頭にくる5の書類には、「原本に相違ない」旨の記載と記名押印をします。

そしてさらに、19の書類をまとめて再度ステープラーで綴じます。

10以降の書類は、クリアファイルにまとめます(綴じません)。

まとめ

以上、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書について説明しました。

相続手続きは、自分で行うこともできますが、司法書士等の専門家に依頼することで、手間なく確実にスムーズに進めることができます。

専門家の力をうまく活用して相続手続きを進めるとよいでしょう。

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