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再転相続とは。二次相続を放棄して一次相続を承認することは不可!

世の中、良くないことが続いてしまうこともあります。

不幸が重なったタイミングによって相続の考え方に違いがあります。

相次いで身内が亡くなった場合には、再転相続の知識が必要です。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、公開日(2019年10月16日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

再転相続とは?

再転相続(さいてんそうぞく)とは、ある相続(一次相続)の相続人が熟慮期間中に相続の放棄または承認をする前に死亡(二次相続)したケースにおける二次相続の相続人による一次相続の相続のことをいいます。

相続放棄とは、相続人が被相続人(亡くなった人)の権利や義務を一切承継しない選択をすることをいいます。

通常、相続放棄は、プラスの財産の価額よりも借金等のマイナスの財産の価額の方が大きい場合に利用されます。

相続放棄について詳しくは以下の記事をご覧ください。

熟慮期間とは、相続の放棄または限定承認を申述できる期間のことで、熟慮期間は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内と民法により定められています。

ただし、相続人が、熟慮期間内に相続財産の状況を調査してもなお、相続を承認するか放棄するかを判断する資料が得られない場合には、相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立てにより、家庭裁判所はその期間を伸ばすことができます。

熟慮期間が終わると、相続人は、その相続を単純承認したものとみなされ、それ以降は、原則として、相続の放棄や限定承認を申述することは認められません。

なお、限定承認とは、相続人が相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈(遺言による遺産の全部又は一部の処分)を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることをいいます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

再転相続の例

Aが死亡し、Aの子Bが相続人になったところ、その熟慮期間中に相続の放棄または承認をする前に、Bも死亡し、Bの子Cが相続人となりました。

この場合、CBの遺産の相続人となるだけでなく、再転相続によってAの遺産の相続人にもなります。

なお、Cのことを再転相続人と言います。

再転相続と似た用語

再転相続と同様、被相続人と相続人が亡くなった時間の前後によって相続関係が複雑になるケースに次のものがあります。

  • 代襲相続
  • 同時死亡
  • 数次相続
  • 相次相続

再転相続とそれぞれとの違いについて、以下説明します。

代襲相続

代襲相続とは、Aの子BAよりも先に亡くなっていて、Bの子Cがいる場合に、Aの遺産をCBを代襲して相続する制度のことです。

再転相続は被相続人の後に相続人が亡くなるケースですが、代襲相続は被相続人の前に相続人が亡くなるケースです。

再転相続と代襲相続とでは、被相続人と相続人の亡くなる順番が異なります。

代襲相続について詳しくは以下の記事をご覧ください。

同時死亡

同時死亡は、被相続人と相続人が同時に死亡するケースです。

例えば、親子が同時に事故などで死亡したような場合が考えられます。

この場合、同時に死亡した人の間では、相続は生じないことになっています。

つまり、同時に死亡した相続人は、被相続人の財産を相続しないので、再転相続も生じません。

ただし、この場合でも、代襲相続は生じます。

数次相続

数次相続とは、被相続人が亡くなって、遺産分割協議や移転登記、名義変更等が済まないうちに、相続人が亡くなり、次の相続が開始されることをいいます。

再転相続は、熟慮期間中に相続の放棄または承認をする前に相続人が死亡した場合に起こりますが、数次相続は相続の承認後、相続手続きが完了する前に相続人が亡くなった場合です。

数次相続について詳しくは以下の記事をご覧ください。

相次相続

相次相続とは、相次いだ(あいついだ)相続のことを言います。

ある人が亡くなり、その遺産が相続され、それからあまり年月が経たないうちに、今度は先ほどの遺産を相続した人が亡くなって次の相続が行われた場合の一連の相続を相次相続と言うのです。

相次いだ相続の間の期間が10年以内であれば、相続税の控除を受けることができます。

この控除のことを相次相続控除と言います。

相次相続控除について詳しくは以下の記事をご覧ください。

再転相続と相続放棄

再転相続人は二次相続を放棄して一次相続を承認することはできない

再転相続では、一次相続について、相続を放棄するか承認するかの判断がされていません。

この判断は、再転相続人ができることになっています。

前述の例と同様に、一次相続の被相続人をAとし、一次相続の相続人兼二次相続の被相続人をBとし、再転相続人をCとします。

Cが、二次相続について、通常通り、放棄するか承認するかを選択することができるのは当然ですが、一次相続についても放棄するか承認するかを選択することができます。

ただし、Cが二次相続を放棄した場合は、一次相続を承認することはできません。

まとめると、下の表のようになります。

  二次相続 一次相続
できる 承認 承認
承認 放棄
放棄 放棄
できない 放棄 承認

なお、数次相続の場合は、既にBが一次相続を承認しているので、Cは一次相続について放棄することはできないという違いがあります。

相続放棄の手続きは理解の難しい仕組みや制度がたくさんあります。正しく、そして不利益が出ないようにするために、ぜひ専門家に相談してみることをご検討ください。

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再転相続の熟慮期間の起算点

再転相続人の熟慮期間の起算点について説明します。

まず、再転相続人が二次相続を放棄する場合の熟慮期間の起算点(自己のために相続の開始があったことを知った時)は、通常、一次相続の相続人兼二次相続の被相続人の死亡を知った時になります。

そして、二次相続を承認し、一次相続についてのみ放棄する場合の熟慮期間の起算点についても、同様に、一次相続の相続人兼二次相続の被相続人の死亡を知った時です。

一次相続の被相続人の死亡を知った時ではありません。

申述書の書式と書き方

再転相続人が相続放棄の申述をする際の申述書の書式と書き方について説明します。

二次相続を放棄する場合は、前述のとおり、一次相続を承認することはできません。

この場合、二次相続の相続放棄申述書を通常通りに記入して提出すれば問題ありません。

相続放棄申述書について詳しくは以下の記事をご覧ください。

二次相続を承認して一次相続を放棄する場合の申述書の書き方については少し工夫が必要です。

なお、申述書の書式は、通常の申述書の書式と同じです。

相続放棄申述書は、お近くの家庭裁判所で手に入れることができます。

必ずしも提出する家庭裁判所でなくても、申述書だけをもらうことができます。

また、裁判所のホームページ上からもダウンロードすることができます。

まず、「申述の理由」欄内の「相続の開始を知った日」の欄に、一次相続の相続人兼二次相続の被相続人の死亡を知った日を記入します

そして、「4 その他」に丸を付け、括弧内に再転相続であることを記入します。

何と書けばよいか分からない場合は、申述をする家庭裁判所または専門家に状況を説明して相談するとよいでしょう。

再転相続の場合の遺産分割協議書の書き方

再転相続人が、一次相続と二次相続の両方を承認する場合は、それぞれの相続について遺産分割協議に参加します。

ここでは、再転相続の場合の遺産分割協議書の書き方について、通常の場合と異なる点を中心に説明します。

遺産分割協議書の基本的な書き方については以下の記事をご覧ください。

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再転相続の場合の遺産分割協議書では、1通にまとめる方法と2通に分ける方法があります。

2通に分ける方法では、一次相続の被相続人の遺産についてのものと、二次相続の被相続人の遺産についてのものとを、それぞれ作成します。

基本的には2通に分ける方が分かりやすくてお勧めですが、一次相続と二次相続とで相続人が重複する場合は1通にまとめても問題ないでしょう。

以下では、2通に分けることを前提に書き方を説明します。

二次相続に関する遺産分割協議書は、通常の遺産分割協議書と何ら変わるところはありません。

一次相続に関する遺産分割協議書は、主に次の2点が通常の遺産分割協議書と異なります。

  • 被相続人についての記載欄
  • 相続人の署名欄

それぞれについて説明します。

被相続人についての記載欄

遺産分割協議書では、誰の遺産についての協議なのか明確にしなければなりませんので、まず被相続人の氏名、生年月日、死亡年月日、最後の住所、最後の本籍地を記述します。

再転相続がある場合は、一次相続と二次相続においてそれぞれ被相続人がいるので、すべての被相続人についての情報を記述します。

二次相続の被相続人の肩書は、「相続人兼被相続人」と記述します。

少し不思議な感じがするかもしれません。

例えば、冒頭の例のAは、二次相続についての被相続人ではあるものの、一次相続についての被相続人ではありません。

にもかかわらず、一次相続についての遺産分割協議書において、「相続人兼被相続人」と書くのは、違和感があるかもしれません。

正確に書くとすれば「一次相続の相続人兼二次相続の被相続人」ということなのですが、まどろっこしいので、実務では「相続人兼被相続人」という記述が定着しています。

相続人の署名欄

遺産分割協議書に記載された内容に異存がないことを証明するために、遺産分割協議書の末尾に各相続人が署名と押印を行います。

相続人の氏名の前に、通常の遺産分割協議書の場合は、「相続人」という肩書が入ります。

再転相続の場合は、一次相続の遺産分割協議書に二次相続の相続人も署名します。

一次相続の相続人が亡くなっており、その相続人の相続人も一次相続の遺産分割協議に参加するからです。

その場合の署名の肩書は、冒頭の例だと「相続人Aの相続人」と記述することが多いです。

まとめ

以上、再転相続について説明しました。

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まずは弁護士にご相談ください

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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