死亡届を出しても銀行口座は凍結しない!故人の預金のおろし方を説明

身近な人が亡くなって死亡届を出さなければならないとき、

「死亡届を出すと、亡くなった人の銀行口座が凍結されてしまうから、どうしよう…」

このような心配をする方もいるかもしれません。

個人の預貯金は、死亡届を出しただけで自動的に口座が凍結されてしまうものなのでしょうか。

また、凍結された故人の口座から引き出しをする方法はあるのでしょうか。

この記事では、死亡届と銀行の預金口座との関係と、亡くなった人の預金をおろす方法について説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、公開日(2019年8月15日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

死亡届を出しても銀行口座は凍結しない

死亡届とは、亡くなられた方の戸籍を抹消するための届出書です(戸籍法86条以下)。

死亡届は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内に役所に提出しなければなりません。

死亡届が提出されるまでは、預金の払戻し等の相続手続を一切開始することができません。

死亡届を提出しても、銀行等の金融機関に役場から連絡されることはありません。

口座名義人が亡くなって、口座のある金融機関がそのことを把握すると、その人の名義の口座は凍結されます。口座が凍結されると、それ以降は、預金の引出し、預け入れ、振込み、引落しといった手続はまったくできなくなりますが、死亡届を出しても役場から金融機関に連絡されることはなく、死亡届を出したことによって預金口座が凍結されることもありません。

口座凍結のタイミング

金融機関が死亡を把握する主なきっかけには、次のようなものがあります。

  • 相続人等からの連絡
  • 残高証明書の取得申請
  • 新聞等のお悔やみ欄
  • 葬儀の看板

亡くなった人の預金を口座凍結前におろしてもいい?

口座名義人が死亡しても、金融機関が死亡を把握しなければ、口座は凍結されません。

キャッシュカードの暗証番号を知っていれば、その間に、ATMで預金をおろすことができてしまいます。

しかし、そのような行為には、次の2つの問題があります。

  • 他の共同相続人との間でトラブルになることがある
  • 相続を単純承認したことになる

以下、それぞれについて説明します。

他の共同相続人との間でトラブルになることがある

被相続人の預金口座は、遺産分割協議の対象ですから、勝手におろして使うことは本来許されません。

おろす前に必ず他の共同相続人の同意を取り付けましょう。

また、おろしたお金を葬儀費用といった「遺産から支出しても構わないもの」の支払いに充てた場合は必ず領収書を取っておいて、自分のために使ったものではないことを証明できるようにしておきましょう。

相続を単純承認したことになる

遺産から引き出したお金を自分のために使ってしまうと、相続を単純承認したことになります。後日、プラスの財産よりも負債の方が大きかったことが発覚した場合に、相続放棄をしようと思っても、一度単純承認してしまうと、相続放棄ができないため注意しましょう。

▼単純承認について詳しく知りたい方へおすすめの記事はこちら▼

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このように、相続手続きには理解の難しい仕組みや制度がたくさんあります。正しく、そして不利益が出ないようにするために、ぜひ専門家に相談してみることをご検討ください。

口座凍結後でも仮払いを受けることができる

本来であれば、相続手続を行って、預金の払戻しを受けることが正しいやり方です。

▼預金の相続手続について詳しく知りたい方へおすすめの記事▼

 

しかし、遺産分割協議は成立するまでは相続手続をすることはできません(相続人が複数いて、かつ、遺言がない場合)。

この点、遺産分割協議成立前でも、仮払いを受けることができます。

仮払いの方法には、次の3つがあります。

  1. 相続人全員の同意書を金融機関の窓口に提出して申請する
  2. 相続人のうちだれか一人が金融機関の窓口で申請する
  3. 家庭裁判所に申し立てる

1.相続人全員の同意書を金融機関の窓口に提出して申請する

同意書があれば、預金全額をおろすことも可能です。

しかし、相続人全員の同意書が必要であり、相続人が多い場合は同意書を集めるのが大変です。

後述の2の方法では仮払い額が足りず、かつ、相続人全員の同意書を集めることが可能なケースで利用するとよいでしょう。

2.相続人のうちだれか一人が金融機関の窓口で申請する

この方法は、同意書は不要ですが、払戻し可能額に一つの金融機関につき一定の上限額が設けられています。上限額の範囲で事足りるのであれば、この方法が最もお勧めです。

上限額は、基本的には次の式で計算します。

相続開始時の預貯金債権の額(預貯金残高)× 1/3 × 仮払いを求める相続人の法定相続分

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例:A銀行に600万円、B銀行に1200万円の預金。仮払いを求める法定相続人が2人の場合

例えば、A銀行に600万円、B銀行に1200万円の預金があって、仮払いを求める相続人の法定相続分が2分の1の場合は、

A銀行:600万円×1/3×1/2=100万円

B銀行:1200万円×1/3×1/2=200万円

しかし、一つの金融機関から仮払いを受けられる金額には、法務省令によっても上限が設けられます。先述の計算式の上限額が法務省令の上限額を超える場合には、法務省令で定められた上限額である150万円の範囲内で仮払いを受けることができます。

そのため設例のケースでは、A銀行からは100万円、B銀行からは150万円の仮払いを受けられるという結果になります。

なお、仮払いを受けた分は、遺産分割の際に相続分から差し引かれますので、必ず引き出した金額の使い道を明確にしておきましょう。

3.家庭裁判所に申し立てる

3は、同意書は不要で、かつ、仮払い金額に上限がありません。

しかし、仮払いが必要な理由が求められ、理由が不当である場合には認められません。

また、仮払いの申立てに先行して、家庭裁判所に遺産分割調停(または審判)を申し立てる必要があります。

したがって、3は、遺産分割調停が長引きそうで仮払いが必要な場合に利用するとよいでしょう。

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