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遺産分割協議書の提出が必要な手続きは?添付書類もあわせて紹介

遺産相続の手続きで必要な書類を手続きごとに解説

「相遺産分割協議書が作成できたから相続手続きができる」と言っても、これだけでは足りません。

相続手続きには、遺産分割協議書のほかに戸籍謄本や住民票などが必要になります。手続きごとに必要な書類が異なるため、間違えないように揃えることが重要です。

加えて書類によっては入手に時間がかかるものも。例えば戸籍謄本を取り寄せる場合、本籍地が遠方だと郵送のため一週間から10日程度かかります。期限が決められている手続きもあるため、早めに準備しておきましょう。

この記事では、相続手続きに必要な書類について、手続きごとに詳しく紹介します。

相続手続きに必要な書類がわからない…とお考えの方などは是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、公開日(2019年2月7日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

遺産分割協議書を作成する目的

遺産分割協議書とは、遺産分割協議の結果を書面にしたもののことです。

遺産分割協議書を作成する目的は、遺産分割協議で合意された内容を明確にすることです。

遺産分割協議で合意された内容が明確になっていると、後々、相続人間で「お前が土地を相続するなんて聞いていない」等という紛争を予防することができますし、万一、紛争化して裁判になった場合には証拠とすることができます。

また、相続した財産の名義変更をする際などには、間違った人に名義変更しないように、誰がその財産を承継するのかが分かる書類の提出を求められます。

遺産分割によって遺産の承継者が決まった場合は、遺産分割協議書が承継者を証明するための書類として必要になる場合があります

そして、遺産分割協議が行われた場合は、相続税の申告時にも遺産分割協議書が必要になります

相続税は具体的相続分に応じて課税されるので、誰がどれだけの遺産を取得したのか、税務署が確認する必要があるためです。

遺産分割協議書が必要な相続手続きと添付書類

主に次の手続きの際に遺産分割協議書が必要です。

  • 遺産分割により取得した不動産の登記
  • 遺産分割により取得した預貯金の名義変更または払い戻し
  • 遺産分割により取得した有価証券の名義変更
  • 遺産分割により取得した自動車の名義変更
  • 遺産分割により取得した遺産にかかる相続税の申告

遺産分割協議書が必要となるのは、遺産分割により財産を取得した場合です。遺言により財産を取得した場合や、相続人が一人しかいない場合には遺産分割協議書は不要です。

それぞれの手続きについて、遺産分割協議書と一緒に必要となる書類について説明します。

なお、以下の説明の中で、「法定相続情報一覧図」というものが出てきますが、法定相続情報一覧図とは、法定相続人が誰で各法定相続人は被相続人とそれぞれどのような間柄なのかという情報を一覧化した図のことで、この写しを提出することによって、戸籍謄本類の代わりとすることができます。ただし、法定相続情報一覧図を作成するために戸籍謄本類が必要なため、いずれにせよ戸籍謄本類は収集しなければなりません。

不動産の登記

不動産の登記で遺産分割協議書を提出するには、次の書類が遺産分割協議書と一緒に必要となります。

必要になるケース 入手先
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本 法定相続情報一覧図の写しがない場合 本籍地の市区町村役場
被相続人の住民票の除票 登記簿上の住所と本籍地が異なる場合で、かつ、登記簿上の住所と住民票の除票上の住所が同じ場合 住所地の市区町村役場
被相続人の戸籍の附票 登記簿上の住所と本籍地が異なる場合で、かつ、登記簿上の住所と住民票の除票上の住所が異なる場合 本籍地の市区町村役場
各相続人と被相続人との関係が確認できる戸籍抄本または戸籍謄本 法定相続情報一覧図の写しがなく、かつ、被相続人の戸籍謄本で被相続人との関係が確認できない場合 本籍地の市区町村役場
相続人全員(相続放棄した人を除く)の印鑑登録証明書(未成年者については法定代理人の印鑑登録証明書) 必ず 住所地の市区町村役場
相続放棄申述受理証明書 相続放棄をした人がいる場合 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
登記する不動産を取得する人の住民票 必ず 住所地の市区町村役場
最新年度の固定資産税評価証明書または固定資産税納税通知書 必ず 固定資産税納税通知書は被相続人に郵送されている。固定資産税評価証明書は不動産がある市町村役場(特別区の場合は都税事務所)

相続登記の必要書類について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

預貯金の名義変更または払い戻し

預貯金の名義変更または払い戻しで遺産分割協議書を提出する際には、次の書類が遺産分割協議書と一緒に必要となります。

必要になるケース 入手先
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本 法定相続情報一覧図の写しがない場合 本籍地の市区町村役場
各相続人と被相続人との関係が確認できる戸籍抄本または戸籍謄本 法定相続情報一覧図の写しがなく、かつ、被相続人の戸籍謄本で被相続人との関係が確認できない場合 本籍地の市区町村役場
相続人全員(相続放棄した人を除く)の印鑑登録証明書(未成年者については法定代理人の印鑑登録証明書) 必ず 住所地の市区町村役場
手続者の実印 自分 自分
相続放棄申述受理証明書 相続放棄をした人がいる場合 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
相続に関する依頼書(名称は銀行によって異なる) 必ず 銀行で用紙を入手して自分で記入
印鑑届 名義変更の場合(払戻の場合は不要) 銀行で用紙を入手して自分で記入
通帳・証書・キャッシュカード類 必ず 自分

有価証券の名義変更

価証券の名義変更で遺産分割協議書を提出する際には、次の書類が遺産分割協議書と一緒に必要となります。

必要になるケース 入手先
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本 法定相続情報一覧図の写しがない場合 本籍地の市区町村役場
各相続人と被相続人との関係が確認できる戸籍抄本または戸籍謄本 法定相続情報一覧図の写しがなく、かつ、被相続人の戸籍謄本で被相続人との関係が確認できない場合 本籍地の市区町村役場
相続人全員(相続放棄した人を除く)の印鑑登録証明書(未成年者については法定代理人の印鑑登録証明書) 必ず 住所地の市区町村役場
相続放棄申述受理証明書 相続放棄をした人がいる場合 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
金融機関所定の書類(株式名義書換請求書や株主票など) 必ず 金融機関で用紙を入手して自分で記入

自動車の名義変更

自動車の名義変更については関連記事を参考にしてください。

相続税の申告

相続税の申告で遺産分割協議書を提出する際には、次の書類が遺産分割協議書と一緒に必要となります。

必要になるケース 入手先
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本 法定相続情報一覧図の写しがない場合 本籍地の市区町村役場
各相続人と被相続人との関係が確認できる戸籍抄本または戸籍謄本 法定相続情報一覧図の写しがなく、かつ、被相続人の戸籍謄本で被相続人との関係が確認できない場合 本籍地の市区町村役場
被相続人の戸籍の附票の写し 相続時精算課税適用者がいる場合 本籍地の市区町村役場
相続時精算課税適用者の戸籍の附票 相続時精算課税適用者がいる場合 本籍地の市区町村役場
相続人全員(相続放棄した人を除く)の印鑑登録証明書(未成年者については法定代理人の印鑑登録証明書) 必ず 住所地の市区町村役場
相続放棄申述受理証明書 相続放棄をした人がいる場合 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所

相続税申告の必要書類について詳しくはこちらもご覧ください。

遺産分割協議の手順

遺産分割協議は次のような過程を経て行われるので、順を追って説明していきます。

  • 遺言書の確認
  • 相続人の調査
  • 相続財産の調査
  • 相続放棄の検討
  • 遺産分割協議
  • 遺産分割協議書の作成

相続人の調査

まず誰が相続人なのかを明確にするために、相続人の調査を行います

誰が相続になるかは、民法の定めに従って決まります。

被相続人(亡くなった人)の子の第一順位の相続人ですが、被相続人に隠し子がいないとも限らないので、必ず戸籍を確認して相続人を確定させる必要があるのです

相続人の調査は、主に次の戸籍謄本類を取得して行います

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

このほか、状況に応じて他の戸籍謄本類が必要になることがあります。戸籍謄本類は、本籍地の市区町村役場で交付を受けることができます。

郵送で交付を受けることもできるので、遠方で役場に赴くことが難しい場合は、本籍地の役場のウェブサイトを確認したり、電話で問い合わせる等して、郵送での交付方法を調べるとよいでしょう。

遺言書の確認

遺言書の有無や内容を確認します。

遺言によって、すべての遺産の承継者が指定されている場合は、遺産分割の必要はありません。

しかし、遺言によってすべての遺産の承継者が指定されている場合でも、相続人と受遺者の全員の同意がある場合は、遺言の指定と異なる遺産分割を行うことが可能です。

遺言の通常の形式には、次の3つがあります。

  • 自筆証書遺言
  • 秘密証書遺言
  • 公正証書遺言

自筆証書遺言と秘密証書遺言

自筆証書遺言と秘密証書遺言は、遺言者自身で保管場所を決めるため、推定相続人(相続人であることが推定される人)は、遺言者が遺言を保管していそうな場所を探すことになります。

自宅以外にも、銀行の貸金庫や、遺言執行者(遺言の内容を実現するための手続きをする人)に預けていることもあります。

遺言書が発見されたら、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で遺言書の検認を申し立てます。

遺言書の検認が済むと、検認済証明書の交付を受けることができます。

公正証書遺言

公正証書遺言の場合は、公証役場で遺言書は保管されています。公証役場に遺言書が保管されているかどうかは、全国の公証役場で調べてもらうことができます。

遺言書が作成された公証役場でなくても、どこの公証役場でも構いません。ただし、遺言者の死亡後でなければ調べることはできません。

公正証書遺言がされていた場合は、公証役場で遺言書謄本の交付を受けることができます。

相続財産の調査

次に、遺産分割の対象となる財産を明確にするための調査を行います

積極財産(プラスの財産)だけでなく、負債等の消極財産(マイナスの財産)についても調査します。

現金や預貯金のような財産の価額が明確なものだけでなく、不動産や美術品・骨董品のように、いくらの価値があるのか、評価が必要な財産もあります。

納税のための財産評価の方法は法令で定められていますが、遺産分割のための財産評価の方法には決まりはありません。

当事者同士が納得をすればどのように評価をしても構いません。通常は市場価格(その財産を売った時にいくらで売ることのできる価格)で評価します。

相続財産の調査の結果は、財産目録としてまとめると、遺産分割協議の際に役立ちます。遺言者が作成した財産目録が遺言書に添付されていることもあります。

財産目録が遺言者によって作成されている場合でも、間違っている可能性もありますし、遺言書作成時から財産内容が変わっている可能性もあるので、相続財産の調査はすべきです

相続放棄の検討

相続財産の調査によって、積極財産よりも消極財産の方が多いことが判明することがあります。

そのような場合に相続すると損なので、相続を放棄することができるようになっています。相続を放棄する場合は、遺産分割協議に参加することはできません

他の共同相続人が相続放棄をした場合は、家庭裁判所で相続放棄申述受理証明書の交付を受けることができます。

相続放棄申述受理証明書は、相続放棄申述者でなくとも、他の共同相続人でも申請して交付を受けることができます。相続放棄をしたかどうかを明確にするため、相続放棄申述受理証明書の交付を受けましょう

遺産分割協議

遺産分割協議時に寄与分や特別受益についての主張があることがあります。

寄与分とは?

寄与分とは、被相続人の生前に、相続人が、被相続人の財産の増加や維持に寄与した程度のことです。寄与分がある相続人は、他の相続人に比べて、その分多くの財産を相続することができます。

特別受益とは?

特別受益とは、続人が複数いる場合に、一部の相続人が、被相続人からの遺贈や贈与などによって特別に受けた利益のことです。

特別受益を受けた相続人がいる場合は、遺産分割における当該相続人の取得分を、特別受益を受けた価額に応じて減らす必要があるので、特別受益の価額を相続財産の価額に加えて相続分を算定し、その相続分から特別受益の価額を控除して特別受益者の相続分が算定されます。

寄与分や特別受益の主張があった場合は、寄与分や特別受益があったことの証拠となる贈与契約書等の書類を収集し、事実に基づいて協議するとよいでしょう。

遺産分割協議書の作成

当事者全員が同意できる内容が決まったら、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議には、相続放棄をした人を除く相続人全員の署名と押印が必要です。押印には、実印を使用します。

実印でなくても、遺産分割協議によって決まったことが無かったことになるわけではありませんが、相続手続きでは実印が押印された遺産分割協議書の提出を求められることが多いので、実印で押印しておくべきです。

実印かどうかは相続人全員の印鑑登録証明書を収集し、付け合わせをして確認しましょう。

このように、相続手続きには理解の難しい仕組みや制度がたくさんあります。正しく、そして不利益が出ないようにするために、ぜひ専門家に相談してみることをご検討ください。

相続問題でお悩みの方はまずは弁護士にご相談ください

遺産分割協議の必要書類一覧

以上をまとめると下表のようになります。

用意すべき場合 入手先
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本 必ず 本籍地の市区町村役場
各相続人と被相続人との関係が確認できる戸籍抄本または戸籍謄本 必ず 本籍地の市区町村役場
遺言書 自筆証書遺言または秘密証書遺言がされた場合 遺言者が保管した場所
検認済証明書 自筆証書遺言または秘密証書遺言がされた場合 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
遺言公正証書謄本 公正証書遺言がされた場合 遺言が作成された公証役場
財産目録 必ず 相続人が作成
相続放棄申述受理証明書 相続放棄をした人がいる場合 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
寄与分や特別受益を証明する書類 寄与分や特別受益の主張があった場合 ケースによる
相続人全員の印鑑登録証明書(未成年相続人については法定代理人の印鑑登録証明書) 必ず 住所地の市区町村役場

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

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