弁護士監修記事

遺産分割協議書の提出先は?期限やコピーの可否についても説明!

遺産分割協議が調ったら遺産分割協議書を作成しますが、遺産分割協議書は、どこに提出するためのものなのでしょうか?

また、提出期限はあるのでしょうか?

提出の際は、原本ではなくコピーでもよいのでしょうか?

以下、弁護士がわかりやすく説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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遺産分割協議書の提出先

遺産分割協議書の提出先は、次のとおりです。

  • 亡くなった人が預貯金をもっていた銀行、信用金庫、信託銀行(遺産分割によって預貯金を取得した場合)
  • 亡くなった人が証券口座を開設していた証券会社、信託銀行(遺産分割によって非上場株式を除く有価証券を取得した場合)
  • 亡くなった人がもっていた非上場株式の株式発行会社(遺産分割によって非上場株式を取得した場合)
  • 法務局(遺産分割によって不動産を取得した場合)
  • 運輸支局(遺産分割によって軽自動車を除く自動車又は大型船舶を取得した場合)
  • 軽自動車検査協会(遺産分割によって軽自動車を取得し場合)
  • 日本小型船舶検査機構(遺産分割によって小型船舶を取得した場合)
  • 税務署(相続税を申告する場合)

遺産分割協議書の提出期限

遺産分割協議書の提出期限(=手続きの期限)は、手続きによって異なります。

預貯金、不動産、自動車、株式の相続手続きと相続税申告のそれぞれの期限について説明します。

預貯金

預貯金の相続手続きは、名義変更ではなく、払戻しの場合がほとんどです。

銀行に対して預金の払戻しを請求する権利は、商事債権(商取引にかかわる債権)として、権利を行使できる時から5年間の消滅時効にかかり、権利は消滅します(なお、民法改正によって、202041日以降に生じた債権については、「債権者が権利を行使できることを知った時から5年間行使しないとき」又は「権利を行使できる時から10年間行使しないとき」は、時効によって消滅します)。

もっとも、銀行側は、元帳などで預金の存在が確認できる限りは払戻しに応じ、消滅時効を主張することは控えてくれる場合が多いでしょう。

しかし、銀行が支払いを拒絶することは法的に可能ですし、実際に銀行側が時効を主張して支払いを拒んだ裁判例もあります。

預貯金の相続手続きについては「銀行預金の相続手続について分かりやすく丁寧に説明!」をご参照ください。

不動産

不動産の相続手続きに期限はありません。

そもそも手続き自体が現在のところ義務ではないのです。

ただ、義務化に向けた改正法案が法制審議会で審議されているところで、2020年秋の臨時国会で法案が提出される見通しです。

詳しくは「相続登記の義務化はいつから?罰則についてもわかりやすく説明!」をご参照ください。

自動車

自動車についても相続手続きの期限はありません。

しかし、移転登録(名義変更)をしなければ車検を通すことができず、使用できなくなってしまいます。

また、相続した自動車を相続人の自宅で使用する場合は、車庫証明を取得しなければなりませんが、移転登録をしていなければ、車庫証明を取得できません。

株式

株式の名義が変更されていなくても、相続した以上は、株主としての権利は相続人が取得しています。

しかし、株式会社では、大量に存在する株主の取扱いを画一化する必要から、株主名簿の名義を基準として法律関係を処理すればよいことになっています。

そこで、株式を相続したにもかかわらず、名義書換をせずに放置しておくと、せっかくの利益配当の通知などを受け取ることができず、事実上、配当を受け取ることができない場合があります。

しかも、会社は、株主に対する通知などが5年間にわたり届かない場合などには、所在不明の株主の株式として競売で売却するか、会社が買い取ってしまうことが許されます。

もちろん、法律的には、その売却代金は、相続人のものであり、会社に対して支払いを請求することが可能ですが、その請求権自体も売却又は買い取りから5年間の消滅時効にかかります(なお、民法改正によって、202041日以降に生じた債権については、「債権者が権利を行使できることを知った時から5年間行使しないとき」又は「権利を行使できる時から10年間行使しないとき」は、時効によって消滅します)。

また、売却又は買取りによって、株主としての地位は失ってしまいます。

株式の相続手続きについては「株式を相続する前に知っておくべき株式相続の流れをわかりやすく説明」をご参照ください。

相続税申告

相続税の申告、納付は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に済ませなければなりません。

申告だけでなく、納付まで含めて10か月です。

仮に、この申告期限までに、相続人の間で遺産分割がまとまらない場合でも、申告は行わなければなりません。

その場合、一旦、法定相続分で相続した前提で申告を行い、申告後、実際に分割した割合が法定相続分と異なることで相続税に変更が生じた場合は、後述の修正申告(または更生の請求)を行う必要があります。

相続税の申告について詳しくは、「相続税の申告が不要なケース、自分で申告する方法と申告期限」をご参照ください。

提出する遺産分割協議書はコピーでもよい?

遺産分割協議書が必要な手続きを行う場合、原本を提出しなければなりません。

ただし、所定の申請手続きをとることで、原本の還付を受けることができます。

還付を受けなければ手続きごとに原本が必要になるので、複数の手続きをしなければならない場合は、原本の還付を受けた方がよいでしょう。

原本の還付を受けるには、遺産分割協議書のコピーに、「原本と相違ない」旨を記載のうえ、申請者の記名押印をします。

この押印に用いる印は、その手続きの申請書に押印したものと同じものでなければなりません。

遺産分割協議書だけではなく、印鑑証明書、住民票や住民票の除票、戸籍謄本等についても同じ方法で原本還付を受けられます。

もっとも、戸籍謄本等については、相続関係説明図を添付すると、コピーの提出すら不要です。

相続関係説明図とは、亡くなった人の相続人が誰で、各相続人が亡くなった人とどのような続柄なのかという相続関係を説明するための家系図のような図のことです。

また、法定相続情報一覧図の写しを提出した場合は、原本すら提出不要です(法定相続情報一覧図の作成時に戸籍謄本等が必要なので、戸籍謄本等自体がまったく不要になるわけではありません)。

法定相続情報一覧図とは、法定相続人が誰で各法定相続人は被相続人とそれぞれどのような間柄なのかという情報を一覧化した図のことです。

なお、相続関係説明図や法定相続情報一覧図の写しを提出した場合に提出が不要になるのは戸籍謄本の類のみで、遺産分割協議書や印鑑登録証明書等の提出は必要です。

相続関係説明図の作成方法については「相続関係説明図を13種類のテンプレートから選んで簡単に作成する方法」を、法定相続情報一覧図の作成方法については「法定相続情報証明制度を利用すべき場合と利用すべきでない場合の基準」をそれぞれご参照ください。

まとめ

以上、遺産分割協議書の提出先について説明しました。

相続手続きは、自分で行うこともできますが、司法書士等の専門家に依頼することで、手間なく確実にスムーズに進めることができます。

専門家の力をうまく活用して相続手続きを進めるとよいでしょう。

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