りそな銀行での相続手続きを効率よく進めるためのポイント
[ご注意]
記事は、公開日(2019年10月9日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。
りそな銀行における相続手続きの流れ
りそな銀行における相続手続きの流れは、概ね次の通りです。- 死亡届を役所に提出
- 通帳、キャッシュカードを確認
- 引き落としや入金の予定がある場合は、引落口座や入金口座を変更
- 口座名義人が亡くなったことを銀行に連絡
- 必要書類の提出
- 払戻し
死亡届を役所に提出
死亡届が提出されていない場合は、相続手続を開始することができません。 死亡届は、被相続人が亡くなったことが判明したら、7日以内(国外で死亡した場合は、死亡を知った日から3か月以内)に役所に提出しなければなりません。 葬儀を葬儀社に依頼する場合は、通常、葬儀社が提出を代行してくれます。通帳、キャッシュカードを確認
亡くなった人が、どこの銀行に口座をもっているのか不明な場合は、それを明らかにしなければなりません。 通帳やキャッシュカードを探しましょう。引き落としや入金の予定がある場合は、引落口座や入金口座を変更
銀行に連絡をすると、口座が凍結され、出入金が一切できなくなります。 公共料金やクレジットカード等の引き落としがある場合は、決済方法の変更や解約などの手続きを並行して進めましょう。 凍結された口座に入金の予定がある場合は、早めに入金元に対して連絡するとよいでしょう。 そうしないと、被相続人が賃貸物件を持っている場合などは、借主が家賃を入金できなくなり困ってしまいます。口座名義人が亡くなったことを銀行に連絡
通帳またはキャッシュカードを準備して、口座名義人が亡くなったことを銀行に連絡します。 連絡方法は、電話または来店です。 電話の場合は、相続専用窓口はないので、口座を開設した店舗またはお近くの店舗に電話することになります。 来店の場合も同様に、口座のある店舗でなくても、お近くの店舗で構いません。必要書類の提出
必要書類はケースによって異なります。 主なケースは、以下のとおりです。- 遺産分割協議・遺言がいずれもない場合
- 遺言により相続される場合
- 遺産分割協議により相続される場合
遺産分割協議・遺言がいずれもない場合
正本または謄本の原本をご用意ください。(原本のご返却をご希望の際は、お申出ください)- 被相続人(お亡くなりになられた方)の除籍謄本、戸籍謄本(または全部事項証明書)※1 ※2 ※3 (出生から死亡までの連続したもの)
- 相続人全員の戸籍謄本(または全部事項証明書)※1 ※3
以下に該当する場合は提出不要です。
- 被相続人(お亡くなりになられた方)の同一の戸籍にいる方
- 被相続人の戸籍から結婚等で除籍されたが現在の姓が被相続人の戸籍から確認できる方。
- 相続人全員の印鑑登録証明書(発行後6ヵ月以内のもの)
- ご相続の対象となる預金取引の通帳・証書、貸金庫取引の鍵・利用カード等をご提出ください。 (紛失されている場合は、お取引店にお申出ください。)
遺言により相続される場合
正本または謄本の原本をご用意ください。(原本のご返却をご希望の際は、お申出ください)- 自筆証書遺言または公正証書遺言
- 自筆証書遺言の場合は検認調書または検認証明書
- ご相続の対象となる預金取引の通帳・証書、貸金庫取引の鍵・利用カード等をご提出ください。 (紛失されている場合は、お取引店にお申出ください。)
遺産分割協議により相続される場合
正本または謄本の原本をご用意ください。(原本のご返却をご希望の際は、お申出ください)- 遺産分割協議書(法定相続人全員の署名・捺印があり記載内容が完備したもの)
- 被相続人(お亡くなりになられた方)の戸籍謄本(または全部事項証明書)※1 ※2 ※3 (出生から死亡までの連続したもの)
- 相続人全員の戸籍謄本(または全部事項証明書)※1 ※3
以下に該当する場合は提出不要です。
- 被相続人(お亡くなりになられた方)の同一の戸籍にいる方
- 被相続人の戸籍から結婚等で除籍されたが現在の姓が被相続人の戸籍から確認できる方
- 相続人全員の印鑑登録証明書(発行後6ヵ月以内のもの)
- ご相続の対象となる預金取引の通帳・証書、貸金庫取引の鍵・利用カード等をご提出ください。 (紛失されている場合は、お取引店にお申出ください。)
払戻し
提出書類に不備がなければ、早ければ1~2週間前後で、指定した相続人の口座に払戻しがあります。口座凍結前に預金を引き出すこともできるが、注意点あり
葬儀費用等が急ぎで必要な場合で、かつ、キャッシュカードの暗証番号が分かる場合は、口座凍結前にATMで預金を引き出すことも可能です。 しかし、これには次の2つの問題があります。- 他の共同相続人との間でトラブルになることがある
- 相続を単純承認したことになる
他の共同相続人との間でトラブルになることがある
被相続人の預金口座は、遺産分割協議の対象ですから、勝手に引き出して使うことは本来許されません。 引き出す前に必ず他の共同相続人の同意を取り付けましょう。 また、引き出したお金を、葬儀費用といった「遺産から支出しても構わないもの」の支払いに充てた場合は、必ず領収書を取っておいて、自分のために使ったものではないことを証明できるようにしておきましょう。相続を単純承認したことになる
葬儀費用だけのために引き出すのであればよいのですが、引き出したお金を自分のために使ってしまうと、相続を単純承認したことになります。 相続放棄を検討する必要がまったくなければそれで問題ないのですが、後日、プラスの財産よりも負債の方が大きかったことが発覚した場合に、相続放棄をしようと思っても、一度単純承認してしまうと、相続放棄ができません。口座凍結後の仮払い
口座締結後、遺産分割協議が長期化していて、葬儀費用等を支払いたいのに、預金の払戻しを受けられないということがあります。 そのような場合には、仮払い手続きを利用するとよいでしょう。 また、遺産分割協議が成立している場合は、仮払いではなく、本来の相続手続によるべきですが、預金額が少額であれば、相続手続よりも簡便な仮払手続を利用することも考えられます。 仮払いを受けるためには、相続人全員の同意書が必要でしたが、相続法の改正によって、2019年7月1日(改正法の施行日)からは、他の相続人の同意がなくても仮払いを受けられるようになりました。 施行日以前に相続が開始されていても、施行日以降であれば、仮払いを受けることができます。 仮払いを受けるための方法には、次の2つがあります。- 金融機関の窓口で直接仮払いを求める
- 家庭裁判所に仮払いを申し立てる
金融機関の窓口で直接仮払いを受ける
銀行等の金融機関の窓口で直接仮払いを求める方法のメリットには、次の2つがあります。- 裁判所での手続きが不要(手間も日数も費用もかからない)
- 仮払いが必要な理由を求められない
相続開始時の預貯金債権の額(預貯金残高)× 1/3 × 仮払いを求める相続人の法定相続分 |
家庭裁判所に仮払いを申し立てる
それほど緊急ではないが、遺産分割協議が長引きそうなので、遺産分割前に仮払いを受ける必要がある場合は、家庭裁判所に仮払いを申し立てることによって、預貯金債権の法定相続分の全額の仮払いを受けることも可能です。 この方法は、上限金額の縛りがないというメリットがある反面、次のようなデメリットがあります。- 家庭裁判所に遺産分割調停(または審判)を申し立てたうえで、さらに仮払いを申し立てなければならない(手間と日数と費用がかかる)
- 仮払いを受ける理由が求められる
この記事を書いた人
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