税理士監修記事

相続税の無料相談先の一覧とそれぞれの特徴、相談先の賢い選び方

相続税について相談したい場合に、どこに相談したらよいのが最善なのでしょうか?

この記事では、相続税の相談先の一覧と、それぞれのメリットやデメリット、特徴等を説明し、どのような場合にどこに相談すべきかについても説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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基礎控除額以下なら相続税はかからない

相談先の説明に移る前に、そもそも相談の必要すらないケースを切り分けるために、相続税がかからず申告も不要なケースについて説明します。

まず始めに知っておかなければならないのは、正味の遺産額(課税価格の合計額)が基礎控除額以下なら相続税はかからず、申告も不要だということです。

ちなみに、2017年に亡くなった人の中で相続税の課税対象となった人の割合は8.3%でした。

つまり、91.7%の人は、相続税の課税対象外で、申告も不要であったということです。

基礎控除額は、以下の計算式によって計算することができます。

3000万円+600万円+法定相続人の数

法定相続人とは、相続することができると法律で定められた人のことです。

法定相続人の数え方について詳しくは、「相続税はいくらからかかるのか?いくらまで無税なのか?」の「法定相続人の数え方」の項目をご参照ください。

例えば、法定相続人が1人の場合は、基礎控除額が3600万円ですが、正味の遺産額が3600万円以下の場合は、相続税はかからず、申告も不要であるということです。

正味の遺産額は、次の手順で計算しますが、難しい場合は、ざっくりと「プラスの財産-マイナスの財産」で計算すると考えてください(マイナスの財産とは借金等の債務のこと)。

  1. 相続や遺贈によって取得した財産(遺産総額)の価額と、相続時精算課税の適用を受ける財産の価額を合計します。
    ※相続財産の評価方法(「相続税評価額の基本的な計算方法と評価額を低く計算して節税する方法」参照)
    ※相続時精算課税(「相続時精算課税制度を迂闊に利用して大損しないために知るべきこと」参照)
  2. 1から債務、葬式費用、非課税財産を差し引いて、遺産額を算出します。
    ※「相続税の非課税枠(限度額)はいくら?非課税となる財産には何がある?」参照
  3. 遺産額に相続開始前3年以内の暦年課税に係る贈与財産の価額を加算して、正味の遺産額を算出します。
    「暦年課税とは?暦年課税と相続時精算課税はどちらが得か?」の「暦年課税の贈与に相続税が課される場合(相続開始前3年以内の贈与)」の項目参照

相続税の無料相談先一覧

相続税の無料相談先としては、次のようなものが挙げられます。

  • 税務署
  • 税理士連合会や税理士会
  • 税理士事務所

相続税の無料相談先としては、代表的なものはこのくらいです。

なぜ、このくらいしかないかというと、税理士以外の人が税についての相談に応じることは、有料、無料にかかわらず、法律で禁止されているからです(正確に言うと、弁護士も税についての相談に応じることができますが、弁護士で税についてのみの相談に応じている人はあまりいないでしょう)。

したがって、もし、ウェブサイト等で、税理士でないのに税について相談を行っている業者や事務所を見かけたら(そうそう見かけないとは思いますが)、その業者は違法なことをしているということになりますので、そのような業者には相談しないようにご注意ください。

それでは話を戻しまして、それぞれの相談先について説明していきます。

税務署

税務署は、相続税の申告や納付をする公的な機関ですが、相談も無料ですることができます。

匿名で相談することも可能です。

税務署に相談するのに向いているケース

相続税の申告を税理士に依頼する予定の人は、始めから依頼予定の税理士に相談すればよいので、税務署に相談すべき人は、相続税の申告を自分でする予定の人でしょう(相続税の申告については「相続税の申告が不要なケース、自分で申告する方法と申告期限」参照)。

なお、相続税の申告は約9割の人が税理士に依頼しており、申告を自分でおこなう場合には、次のようなデメリットやリスクがあることにご注意ください。

  • 必要書類の収集や申告書の作成、税額の計算に多大な手間がかかる
  • 相続税の計算を高く誤り、不必要に高い税額を納付してしまう
  • 相続税の計算を低く誤り、税務調査の対応に追われ、延滞税や過少申告加算税が余計にかかってしまう

また、申告を自分でする予定の人でも、税務署は、次のような相談には応じてくれない可能性が高いです。

  1. 節税の方法
  2. 相続税の計算
    ※一般的な計算方法は教えてくれますが、相談者のケースの相続税を代わりに計算してくれることは基本的にはありません。
  3. 何を相談してよいかも分からない状態の相談

1の節税について相談したい場合は、自分で申告するのではなく、税理士に依頼することを検討すべきでしょう。

税理士報酬以上の節税効果が得られることも十分に期待できます。

相談したからと言って、依頼しなければならないわけではないので、気軽に相談してみるとよいでしょう。下記税理士事務所の項目などもご参考にしてください。

2の相続税の計算について、無料相談の範囲で、正確な税額の計算まですることはできません。

代わりに計算してほしい場合は、税理士に申告を依頼するしか方法はないでしょう。

3の何を相談してよいかもわからない状態の場合は、一度、税務署に相談しても構いませんが、相続税がかかりそうなのか、それとも、かからなさそうなのか、という点ぐらいは、冒頭の項目を参考に、自分でも判断してみるとよいでしょう。

そのうえで、相続税がかかるほどの遺産がないという場合は、相続税のことをもはや気にする必要はありません。

相続税がかかりそうという場合は、税理士に申告を依頼することも検討しつつ、税理士に相談してみるとよいでしょう。

税務署への相談方法

全国の税務署の相談窓口は、国税庁ウェブサイトの税についての相談窓口のページから探すことができます。

なお、相続税は被相続人の住所地を所轄する税務署に申告するので、電話で相談する場合は、申告先の税務署に相談するとよいでしょう。

訪問する場合はお近くの税務署で構いません。

個別の不動産の評価等に関する相談は、その不動産の場所を所轄する税務署に相談することが望ましいですが、遠方の場合は、お近くの税務署でも構わないでしょう。

前述のリンク先ページから所轄税務署の電話番号を調べて電話すると、自動音声による案内が流れます。

電話で相談したい場合は電話機の「1」を、税務署を訪問して面談で相談した場合は電話機の「2」を押します。

「1」を押した場合は、さらに、相談内容を選択する案内が流れますので、相続関連の場合は電話機の「3」を押します。

そうすると、電話相談センターの職員に電話がつながります。

初めの案内で「2」を押した場合は、所轄税務署の職員が出るので、面談の予約をしてください。

なお、予約をせずに訪問しても基本的には面談はできません。

日本税理士連合会や税理士会

大都市を中心に、全国15の都市には、各地方の税理士会があります。

税理士会は、その地域の税理士が全員所属する税理士の業界団体です。

また、税理士会を束ねる日本税理士会連合会という団体もあります。

これらの団体では、相続に限らず、税に関する無料相談会を実施しています。

納税者にとって、とても有意義で心強い制度ではありますが、こと相続に関しては、相談会で当たった税理士が必ずしも相続税に精通しているとは限らないというデメリットがあります。

相続税は、税理士でも精通している人が決して多くない特殊な分野です。

相続税の申告を税理士に依頼しようと考えている場合は、相続税に精通した税理士を自分で探して、始めからその税理士に相談した方がスムーズで無駄がないでしょう。

相続に関していうと、税理士会等の無料相談会は、「相続に備えて事前に相談しておきたい」という人にお勧めです。

税理士事務所

税理士事務所への相談が向いているのは、次のいずれかに当てはまる人です。

  • 相続税の申告を依頼する税理士を探している
  • 自分で申告しようか税理士に依頼しようか迷っている
  • 相続税対策をしたい

また、一口に税理士と言っても、それぞれに専門分野があり、相続税を専門にしている税理士はあまり多くはありません。

相続税は、遺産の評価額をなるべく低くなるように算定したり、各種の非課税制度の適用を受けることによって、節税することができます。

特に土地については、その形状等に応じて様々な減額評価の方法があり、利用できる減額制度を漏れなく利用することが大きなポイントになります。

例えば、小規模宅地等の特例の適用を受けると、評価額を最大で8割引きにすることができますが、なるべく地価の高い土地に適用させた方が節税効果が高くなるため、その意味では特例の適用を受けることができる人に地価の高い土地を相続させた方が良く、どのように遺産分割をするかという点も節税にかかわってきます(小規模宅地等の特例について詳しくは「小規模宅地等の特例で8割減で大幅に節税する方法と意外な落とし穴」参照)。

また、相続税に強い税理士であれば、「配偶者の税額軽減」(いわゆる「相続税の配偶者控除」)等の他の非課税制度を併用した場合にどのように組み合わせれば節税効果が高まるかといったことや、二次相続(配偶者に先立たれた人が亡くなった際の相続)まで考慮して、どのように遺産分割をした方が節税になるかといったことも考えたうえでアドバイスをすることができます(配偶者の税額軽減について詳しくは「相続税配偶者控除で1億6千万円を非課税にする方法とそのデメリット」を、二次相続については「二次相続対策をシミュレーションして万全にするために必要な全知識」をそれぞれご参照ください。)。

相続税については、相続税に精通した税理士に相談するようにしましょう。

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相続税の申告は約9割の人が税理士に依頼しており、また、税理士に依頼すると次のようなメリットがあります。

  • 必要書類の収集や申告書の作成、税額の計算の手間がまったくかからない
  • 相続税の計算を高く誤り、不必要に高い税額を納付してしまうリスクを回避できる
  • 相続税の計算を低く誤り、税務調査の対応に追われ、延滞税や過少申告加算税が余計にかかってしまうリスクを回避できる

税理士に相談する適切なタイミング

税理士に相談するタイミングは、基本的には、早ければ早いほど望ましいでしょう。

資産の多い方は、生前から相談しておくと、相続税対策の幅が広がります(「相続税対策で無駄なく節税するために知っておくべきすべてのこと」参照)。

相続開始後に相談する場合は、四十九日の法要が終わったくらいには相談した方がよいでしょう。

どのように遺産分割するかによって、節税できる幅が変わってくることがあるので、遺産分割協議に入る前に相談し、相続税対策も考慮して遺産分割を協議するとよいでしょう。

税理士への相談から申告までの流れ

相談から申告までの流れは、概ね次のようになります。

  1. 面談予約
  2. 面談
  3. 業務内容と費用の見積もり
  4. 契約
  5. 資料の収集
  6. 財産の調査と評価、財産目録の作成
  7. 遺産分割に関する助言、遺産分割協議書の作成
  8. 相続税申告書の作成
  9. 納税方法に関する助言
  10. 相続税申告
  11. 相続手続き等の代行

最後の相続手続きについては、税理士に依頼しなくても構いませんが、相続税に強い税理士事務所は、通常、司法書士等の他の専門家と提携しており、まとめて依頼することが可能なので、窓口を一元化でき面倒がありません。

まとめ

以上、相続税に関する相談先について説明しました。

相続税は多く申告してしまっても少なく申告してしまっても、損してしまいます。

また、期限前に慌てなくてよいように早め早めに相談して、適切な申告ができるように準備しましょう。

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