税理士監修記事

相続税申告を自分でできるか?自分でやる方法をわかりやすく説明

相続税の申告について、自分でやるか、税理士に依頼するか、どちらがよいのでしょうか?

それぞれのメリットとデメリット、自分でやるか税理士に依頼すべきかの判断基準について説明したうえで、自分で申告する方法について説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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そもそも相続税申告が不要な場合もある

被相続人(亡くなった人)から相続、遺贈(遺言によって財産を取得させること)や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した各人の課税価格の合計額が、遺産に係る基礎控除額を超える場合、その財産を取得した人は、相続税の申告をする必要があります。

したがって、課税価格の合計額が、遺産に係る基礎控除額以下である場合には、相続税の申告をする必要はありませんし(小規模宅地等の特例特定計画山林の特例などを適用することにより課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下となる場合には、相続税の申告をする必要がありますので、ご注意ください。)、財産を取得していない人も申告不要です。

「遺産に係る基礎控除額」は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)の算式で計算します。

課税価格の求め方については「相続税の課税価格とは?計算方法をわかりやすく丁寧に説明!」をご参照ください。

相続税申告の要否を簡易的に判定するには、「申告要否の簡易判定シート」又は「相続税の申告要否判定コーナー」を利用するとよいでしょう。

前者は申告要否を簡易的に判定するためのもので、後者は申告要否の判定に加えて税額の概算についても簡易的に計算できます(あくまで概算であり、正確に計算するためには相続税申告書に基づいて計算する必要があります)。

また、課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合であっても、未成年者控除障害者控除及び相次相続控除の適用を受けることによって納付すべき税額が無くなる人は、申告不要です。

相続税申告を自分でやるメリットとデメリット

相続税申告は、自分でやるのと、税理士に依頼するのと、どちらがよいのでしょうか?

それぞれのメリットとデメリットを理解して判断すべきなので、それらについて説明します。

相続税申告を自分でやるメリット

相続税申告を自分でやるメリットは、税理士報酬がかからないという点に尽きます。

相続税申告の税理士報酬について詳しくは「相続税申告の税理士報酬の相場・旧報酬規程と料金表の見方」をご参照ください。

相続税申告を自分でやるデメリット

相続税申告を自分でやるデメリットとして、次の点が挙げられます。

  • 不備なく申告することが難しい
  • 税額を正確に計算することが難しい
  • 手間がかかる

以下、それぞれの点について説明します。

不備なく申告することが難しい

自分で相続税の申告書や添付書類を不備なく作成することは、極めて難しいでしょう。

不備があると税務調査が入る可能性が高くなります。

税務調査が入ると、対応の手間がかかります。

税額を正確に計算することが難しい

申告書や添付書類を不備なく作成できたとしても、税額を計算の仕組みも大変複雑で、細かなルールが無数にあるので、一般の方が正確に計算することは難しいでしょう。

税額の計算を誤って過少に申告してしまうと、税務調査の対応や修正申告の手間が生じますし、過少申告加算税や延滞税によって、余計に税金がかかってしまいます。

また、相続税の税額を低くすることができる様々な制度が用意されていますが、一般の方が、制度をフル活用して税額をできるだけ低く計算することは極めて難しいので(特に土地について)、自分で申告すると、税額を高く計算してしまうことが多いです。

税額を高く計算してしまっても、税務署は「もっと安くできますよ」とは教えてくれません。

手間がかかる

以上のとおり、一般の方にとって、書類を不備なく申告すること、及び、税額を正確に計算することは極めて難しいのですが、仮に、自分で不備なく正確に申告できたとしても、多大なる手間が生じるというデメリットは避けられません。

相続税申告を自分でやると、次のような手間がかかります。

  • 知識の習得
  • 書類の収集
  • 財産の評価、(必要に応じて)土地の測量
  • 税額の計算
  • 書類の作成
  • 申告・納付手続き
  • (税務調査が入った場合)税務調査の対応
  • (税額を過少に申告していた場合)修正申告、(税額を過多に申告していた場合)更正の請求

仕事をしている方は、休日だけで対応するのは極めて難しいため、仕事を休んで対応しなければならないケースも多いでしょう。

それでは、どのくらいの日数が、相続税申告のために費やされるのか気になるでしょう。

ですが、これは一概には言えません。

財産の数や種類、申告者の前提知識や飲み込みの早さによりけりだからです。

専門家である税理士がやっても最低でも1週間はかかるので、相続税申告が初めての一般の方の場合は、数か月単位の期間が費やされることを覚悟しておいた方がよいでしょう。

相続税申告を自分でやるか、税理士に依頼するかの判断基準

相続税申告を自分でやるか税理士に依頼するかは、前述のメリットとデメリットを比較したうえで決めるべきです。

つまり、自分でやることによってかかる手間とリスクが、自分でやることによって節約できる税理士報酬よりも、小さいとみる場合は自分でやり、大きいとみる場合は税理士に依頼すべきでしょう。

判断がつかない場合は各税理士事務所の無料相談を利用し、報酬とメリットについて確認したうえで検討するとよいでしょう。相談したからと言って依頼しなければならないわけではないので、まずは気軽に電話してみることをお勧めします。

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相続税の申告期限

相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月目の日です。申告期限の日が日曜日・祝日などの休日又は土曜日に当たるときは、これらの日の翌日が相続税の申告期限となります。

(参考)

 相続開始の日申告期限
10か月目の日が休日又は土曜日に当たらない場合令和2年6月15日(月)令和3年4月15日(木)
10か月目の日が日曜日の場合令和2年6月18日(木)令和3年4月19日(月)

申告期限に遅れて申告と納税をした場合には、原則として加算税及び延滞税がかかりますのでご注意ください。

財産を取得した人の共同申告

相続税の申告書は、同じ被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が共同で作成して提出することができます。

しかし、これらの人の間で連絡がとれない場合やその他の事由で申告書を共同で作成して提出することができない場合には、別々に申告書を提出しても差し支えありません。

相続税申告書

相続税申告には、相続税申告書の記載と提出が必要です。

入手方法

相続税申告書は、国税庁ウェブサイトの「相続税申告書等の様式一覧」ページからダウンロードできるほか、全国の税務署で受け取ることも可能です。

申告書の様式は年ごとに更新される可能性があるので、相続開始の日が属する年の申告書を利用しましょう。

毎年7月上旬頃に、その年の様式の配布が開始されます。

しがたって、1月から6月に相続が開始した場合は、その年の様式が配布されるのを待つ必要があります。

相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内なので、待っても間に合うでしょう。

令和2年と令和元年の相続税申告等の様式一覧ページへは、以下のリンクからアクセスできます。

来年(令和3年)以降の分は、この記事の執筆日時点では公開されていませんが、配布時期(その年の7月上旬頃)になると、国税庁ウェブサイトの「相続税申告手続」ページに、その年の様式一覧へのリンクが掲載されるはずです。

また、相続税申告書等の用紙を税務署で入手する場合は、全国どこの税務署で入手しても構いません。

書き方

相続税申告書は、国税庁作成の「相続税の申告のしかた」の「相続税の申告書の記載例」の項目を参考に記載します。

「相続税の申告のしかた」も申告書の様式と同様に毎年更新されます。

必ず、相続開始の日の属する年のものを参考にしてください。

令和2年と令和元年の「相続税の申告のしかた」の「相続税の申告書の記載例」の項目には、以下のリンクからアクセスできます。

来年(令和3年)以降の分は、この記事の執筆日時点では存在しませんが、その年の申告書の様式の配布時期(その年の7月上旬頃)になると、申告書の様式と併せて国税庁のウェブサイトで公開されます(「相続税の申告書等の様式一覧」ページにリンクが張られます)。

なお、「相続税の申告のしかた」全体は以下のリンクから参照できます。

相続税の仕組みや計算方法について詳しくご存じない場合は、「相続税の申告のしかた」をよく読んで理解したうえで、申告書を作成すべきでしょう。

また、相続税の計算方法や申告書の書き方について、税理士事務所のウェブサイト等で解説されていることがありますが、相続税の計算ルールや申告書は毎年何らかの更新があるので、情報が古い可能性があります。そのため、相続税の計算方法や申告書の書き方について調べる際は、必ず、その年の国税庁の「相続税の申告のしかた」を参照しましょう。

添付書類

申告書に添付すべき書類については、「相続税の申告のしかた」の「(参考)相続税の申告の際に提出していただく主な書類」の項目に記載されています。

令和2年と令和元年の「相続税の申告のしかた」の「(参考)相続税の申告の際に提出していただく主な書類」の項目には、以下のリンクからアクセスできます。

なお、上のリンクは「(参考)相続税の申告の際に提出していただく主な書類」の項目のみを切り出したものですが、「(参考)相続税の申告の際に提出していただく主な書類」の項目は「相続税の申告書の記載例等」の中に格納されています。「相続税の申告のしかた」の中に「相続税の申告書の記載例等」の項目があり、さらに、「相続税の申告書の記載例等」の項目の中に「(参考)相続税の申告の際に提出していただく主な書類」の項目があるという構成になっています。

また、前述のとおり、来年(令和3年)以降の分は、この記事の執筆日時点では存在しませんが、その年の申告書の様式の配布時期(その年の7月上旬頃)になると、申告書の様式と併せて国税庁のウェブサイトで公開されます)。

なお、添付書類についても税理士事務所のウェブサイト等で解説されていることがありますが、前述のとおり、情報が古い可能性があるため、必ずその年の国税庁の「(参考)相続税の申告の際に提出していただく主な書類」を参照しましょう。

チェックシート

申告書を正しく作成するために一般に誤りやすい事項を国税庁がまとめたチェックシート「相続税の申告のためのチェックシート」についても、申告書に添付しなければなりません。

上のリンクからダウンロードしてご確認ください。

相続税の申告先

相続税の申告先は、被相続人の死亡の時における住所地を所轄する税務署です。

相続人の住所地を所轄する税務署ではありませんのでご注意ください。

所轄の税務署を調べるには、国税庁ウェブサイトの「税務署の所在地などを知りたい方」のページが便利です。

申告書と添付書類は、持参しても郵送でも構いません。

控えの分も提出すると受領印を押して戻してくれます。

なお、原本にはマイナンバーを記載しなければなりませんが、控えには記載しなく構いません。

複数の部数の控えに受領印を押してもらうこともできます。

郵送の場合は、切手を貼付して返信先を記入した返信用封筒を同封し、控えを戻してほしい旨を記載した文書を同封します。

不明点は税務署に質問できる

相続税申告書の作成についてわからないことがある場合は、税務署に相談するとよいでしょう。

全国の税務署の相談窓口は、国税庁ウェブサイトの「税についての相談窓口」のページから探すことができます。

なお、相続税は被相続人の住所地を所轄する税務署に申告するので、電話で相談する場合は、申告先の税務署に相談するとよいでしょう。

訪問する場合はお近くの税務署で構いません。

個別の不動産の評価等に関する相談は、その不動産の場所を所轄する税務署に相談することが望ましいですが、遠方の場合は、お近くの税務署でも構わないでしょう。

前述のリンク先ページから所轄税務署の電話番号を調べて電話すると、自動音声による案内が流れます。

電話で相談したい場合は電話機の「1」を、税務署を訪問して面談で相談した場合は電話機の「2」を押します。

「1」を押した場合は、さらに、相談内容を選択する案内が流れますので、相続関連の場合は電話機の「3」を押します。

そうすると、電話相談センターの職員に電話がつながります。

初めの案内で「2」を押した場合は、所轄税務署の職員が出るので、面談の予約をしてください。

なお、予約をせずに訪問しても面談はできません。

ただし、税務署は、次のような相談には応じてくれない可能性が高いです。

  1. 節税の方法
  2. 相続税の計算
  3. 何を相談してよいかも分からない状態の相談

1の節税について相談したい場合は、自分で申告するのではなく、税理士に依頼することを検討すべきでしょう。

税理士報酬以上の節税効果が得られることも十分に期待できます。

相談したからと言って、依頼しなければならないわけではないので、気軽に相談してみるとよいでしょう。

2の相続税の計算について、一般的な計算方法は税務署でも教えてくれますが、個別の相続税を代わりに計算してくれることはありません。代わりに計算してほしい場合は、税理士に依頼しましょう。

3の何を相談してよいかもわからない状態の場合は、一度、税務署に相談しても構いませんが、税務署員は手取り足取り教えてくれるわけではありません。

税理士に申告を依頼することも検討しつつ、税理士に相談してみるとよいでしょう。

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まとめ

以上、相続税申告を自分でやるべきかどうかの判断基準と、自分でやる方法について説明しました。

自分でやることに固執せず、自分でやる場合と税理士に依頼した場合とどちらが得か、無料相談を利用して検討することをお勧めします。

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