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相続税申告書を自分で作成するために知っておくべき書き方と添付書類

相続税の申告には、相続税申告書が必要です。

この記事では、相続税申告書を自分で作成するために知っておくべき申告書の書き方と添付書類について、わかりやすく説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、公開日(2019年7月23日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをおすすめします。

相続税申告書の用紙の入手方法

相続税申告書の用紙は、全国の税務署でもらえます。

相続税の申告書の提出先は、被相続人(亡くなった人)の死亡の時における住所が日本国内にある場合は、被相続人の住所地を所轄する税務署ですが、用紙は全国統一なので、どこの税務署で入手しても構いません。

税務署の場所は、国税庁ウェブサイト「税務署の所在地などを知りたい方」のページで調べられます。

また、国税庁ウェブサイトの「相続税の申告書等の様式一覧」のページからダウンロードすることもできます。

申告書は年ごとに更新されるので、相続開始の日が属する年の申告書を利用しましょう。

新年度の用紙が配布されるのは、7月上旬頃です。

しがたって、1月から6月に相続が開始した場合は、すぐに用紙を入手するのではなく、7月の新年用の用紙の配布を待つとよいでしょう。

相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内なので、新年用の用紙の配布を待っても間に合うでしょう。

国税庁のウェブサイトでダウンロードできる申告書はPDFファイルですので、基本的には、印刷して手書きで記入することになるでしょう(「Adobe Acrobat Pro DC」のような有償ツール使えばパソコン上で編集することも可能です)。

また、エクセルのテンプレートや作成ソフトも存在するので、そのようなものを利用すれば、パソコンで編集することができます。

相続税申告書の書き方

相続税申告書は下の表のように第1表から第15表まであります。

「一般用」に「○」が付いている申告書は、一般の場合に使用する申告書となります。

なお、一般の場合とは、相続時精算課税適用者又は相続税の納税猶予等の特例の適用を受ける人がいない場合をいいます。

一般用 各種表番号 表及び付表名 適用年月日等 参照記事
第1表 相続税の申告書 平成30年分以降用
第1表(続) 相続税の申告書(続) 平成30年分以降用
第1表控用 相続税の申告書控用 平成30年分以降用
第1表(続)控用 相続税の申告書(続)控用 平成30年分以降用
第1表の付表1 納税義務等の承継に係る明細書(兼相続人の代表者指定届出書) 平成30年分以降用
第1表の付表2 還付される税額の受取場所 平成30年分以降用
第1表の付表3 受益者等が存しない信託等に係る相続税額の計算明細書 平成30年分以降用
第1表の付表4 人格のない社団等又は持分の定めのない法人に課される相続税額の計算明細書 平成30年4月分以降用
第1表の付表5 特定一般社団法人等に課される相続税額の計算明細書 平成30年4月分以降用
第1表の付表5(別表1) 特定一般社団法人等に課される相続税額の計算明細書(別表1) 平成30年4月分以降用
第1表の付表5(別表2) 特定一般社団法人等に課される相続税額の計算明細書(別表2) 平成30年4月分以降用
第2表 相続税の総額の計算書 平成27年分以降用
第3表 財産を取得した人のうちに農業相続人がいる場合の各人の算出税額の計算書 平成26年分以降用 農地を相続する前に絶対に知っておくべき5つのこと
第4表 相続税額の加算金額の計算書 平成28年分以降用 相続税の2割加算で損するケースと2割加算でも得するケースを徹底検証
第4表の2 暦年課税分の贈与税額控除額の計算書 平成30年分用 暦年課税とは?暦年課税と相続時精算課税はどちらが得か?
第5表 配偶者の税額軽減額の計算書 平成21年4月分以降用 相続税配偶者控除で1億6千万円を非課税にする方法とそのデメリット
第6表 未成年者控除額・障害者控除額の計算書 平成27年分以降用 子供にかかる相続税の計算方法と早見表を紹介!効果的な相続税対策も

・相続税の障害者控除で税金が最大1700万円引!手帳無しでも可能性有り

第7表 相次相続控除額の計算書 平成21年4月分以降用 相次相続控除で相続税を安くするために絶対に知っておくべき10のこと
第8表 外国税額控除額・農地等納税猶予税額の計算書 平成30年分以降用 農地を相続する前に絶対に知っておくべき5つのこと
第8の2表 株式等納税猶予税額の計算書 平成30年分以降用 事業承継税制とは。要件やメリットとデメリットをわかりやすく説明
第8の2表の付表1 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の適用を受ける対象非上場株式等の明細書 平成30年分以降用
第8の2表の付表2 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の適用を受ける対象非上場株式等の明細書 平成30年分以降用
第8の2表の付表3 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の適用を受ける対象相続非上場株式等の明細書 平成30年分用
第8の2表の付表4 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の適用に係る会社が災害等により被害を受けた場合の明細書 平成30年分以降用
第8の2の2表 特例株式等納税猶予税額の計算書 平成30年分以降用
第8の2の2表の付表1 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例の適用を受ける特例対象非上場株式等の明細書 平成30年分以降用
第8の2の2表の付表2 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例の適用を受ける特例対象相続非上場株式等の明細書 平成30年分用
第8の2の2表の付表3 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例の適用に係る会社が災害等により被害を受けた場合の明細書 平成30年分以降用
 

第8の3表

山林納税猶予税額の計算書 平成30年分以降用
第8の3表の付表 山林についての納税猶予の適用を受ける特例山林及び特例施業対象山林の明細書 平成30年分以降用
第8の4表 医療法人持分納税猶予税額・税額控除額の計算書 平成30年分以降用
第8の4表の付表 医療法人の持分の明細書・基金拠出型医療法人へ基金を拠出した場合の医療法人持分税額控除額の計算明細書 平成30年分以降用
第8の5表 納税猶予税額等の調整計算書 平成30年分以降用
第9表 生命保険金などの明細書 平成21年4月分以降用 生命保険に相続税がかかる場合と計算方法、生命保険による相続税対策
第10表 退職手当金などの明細書 平成21年4月分以降用
第11表 相続税がかかる財産の明細書(相続時精算課税適用財産を除きます。) 平成21年4月分以降用 相続財産とは何?相続の対象となる財産と相続税の対象となる財産
第11の2表 相続時精算課税適用財産の明細書・相続時精算課税分の贈与税額控除額の計算書 平成24年4月分以降用 相続時精算課税制度を迂闊に利用して大損しないために知るべきこと
第11・11の2表の付表1 小規模宅地等についての課税価格の計算明細書 平成27年分以降用 小規模宅地等の特例で8割減で大幅に節税する方法と意外な落とし穴
第11・11の2表の付表1(続) 小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(続) 平成27年分以降用
第11・11の2表の付表1控用 小規模宅地等についての課税価格の計算明細書控用 平成27年分以降用
第11・11の2表の付表1(続)控用 小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(続)控用 平成27年分以降用
第11・11の2表の付表1(別表) 小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(別表) 平成27年分以降用
第11・11の2表の付表2 小規模宅地等、特定計画山林又は特定事業用資産についての課税価格の計算明細書 平成27年分以降用
第11・11の2表の付表3 特定受贈同族会社株式等である選択特定事業用資産についての課税価格の計算明細 平成27年分以降用
第11・11の2表の付表3の2 特定受贈同族会社株式等について会社分割等があった場合の特例の対象となる価額等の計算明細 平成21年4月分以降用
第11・11の2表の付表4 特定森林経営計画対象山林又は特定受贈森林経営計画対象山林である選択特定計画山林についての課税価格の計算明細 平成27年分以降用
第12表 農地等についての納税猶予の適用を受ける特例農地等の明細書 平成21年12月15日相続開始以降用 農地を相続する前に絶対に知っておくべき5つのこと
第12表 平成30年9月1日以降用
第13表 債務及び葬式費用の明細書 平成30年分以降用 借金を相続しないようにする方法と相続してしまった後でもできること

相続税の計算時に控除できる葬儀(葬式)費用の範囲を具体的に説明!

第14表 純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産価額及び特定贈与財産価額・出資持分の定めのない法人などに遺贈した財産・特定の公益法人などに寄附した相続財産・特定公益信託のために支出した相続財産の明細書 平成30年分以降用
第15表 相続財産の種類別価額表 平成30年分以降用 相続税評価額の基本的な計算方法と評価額を低く計算して節税する方法
第15表(続) 相続財産の種類別価額表(続) 平成30年分以降用
第15表控用 相続財産の種類別価額表控用 平成30年分以降用
第15表(続)控用 相続財産の種類別価額表(続)控用 平成30年分以降用

なお、これらのすべての申告書が必要とは限りませんし、また、第1表から作成するわけでもありません。

申告書の記載の順序については、国税庁「相続税の申告のしかた(平成30年分用)」65ページの「申告書の記載の順序について」をご参照ください。

また、具体的な記載例については、66ページ以降の「具体的な記載例について」をご参照ください。

申告書の作成に当たっては、国税庁「相続税の申告のためのチェックシート」でチェックしながら作成を進めるとよいでしょう

相続税申告書の添付書類

相続税申告書の添付書類については、国税庁「相続税の申告の際に提出していただく主な書類」をご参照ください。

「被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本」が必要ですが、この点については、「相続に必要な戸籍謄本を自分で簡単に収集するための重要なポイント」をご参照ください。

なお、20184月から、相続税申告書に添付する戸籍謄本等はコピーでよくなりました。

また、法定相続情報一覧図の写しを添付する場合は、戸籍謄本等はコピーすらも必要ありません。

ただし、法定相続情報一覧図を作成するために、戸籍謄本等が必要です。

法定相続情報一覧図の作成方法については「法定相続情報証明制度を利用すべき場合と利用すべきでない場合の基準」をご参照ください。

相続税申告書の提出方法

相続税申告書と添付書類は、前述のとおり、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合は、被相続人の住所地を所轄する税務署です。

各税務署の管轄地域と所在地は、国税庁ウェブサイト「税務署の所在地などを知りたい方」のページで調べられます。

申告書と添付書類は、持参しても郵送でも構いません。

控えの分も提出すると受領印を押して戻してくれます。

なお、原本にはマイナンバーを記載しなければなりませんが、控えには記載しなく構いません。

複数の部数の控えに受領印を押してもらうこともできます。

郵送の場合は、切手を貼付して返信先を記入した返信用封筒を同封し、控えを戻してほしい旨を記載した文書を同封します。

相続税申告書の作成が難しいと感じたら

相続税申告書の作成についてわからないことがある場合は、税務署に相談するとよいでしょう。

全国の税務署の相談窓口は、国税庁ウェブサイトの税についての相談窓口のページから探すことができます。

なお、相続税は被相続人の住所地を所轄する税務署に申告するので、電話で相談する場合は、申告先の税務署に相談するとよいでしょう。

訪問する場合はお近くの税務署で構いません。

個別の不動産の評価等に関する相談は、その不動産の場所を所轄する税務署に相談することが望ましいですが、遠方の場合は、お近くの税務署でも構わないでしょう。

前述のリンク先ページから所轄税務署の電話番号を調べて電話すると、自動音声による案内が流れます。

電話で相談したい場合は電話機の「1」を、税務署を訪問して面談で相談した場合は電話機の「2」を押します。

「1」を押した場合は、さらに、相談内容を選択する案内が流れますので、相続関連の場合は電話機の「3」を押します。

そうすると、電話相談センターの職員に電話がつながります。

初めの案内で「2」を押した場合は、所轄税務署の職員が出るので、面談の予約をしてください。

なお、予約をせずに訪問しても面談はできません。

ただし、税務署は、次のような相談には応じてくれない可能性が高いです。

  1. 節税の方法
  2. 相続税の計算
    ※一般的な計算方法は教えてくれますが、相談者のケースの相続税を代わりに計算してくれることは基本的にはありません。
  3. 何を相談してよいかも分からない状態の相談

1の節税について相談したい場合は、自分で申告するのではなく、税理士に依頼することを検討すべきでしょう。

税理士報酬以上の節税効果が得られることも十分に期待できます。

相談したからと言って、依頼しなければならないわけではないので、気軽に相談してみるとよいでしょう。

2の相続税の計算について、無料相談の範囲で、正確な税額の計算まですることはできません。

代わりに計算してほしい場合は、税理士に申告を依頼するしか方法はないでしょう。

3の何を相談してよいかもわからない状態の場合は、一度、税務署に相談しても構いませんが、税務署員は手取り足取り教えてくれるわけではありません。

税理士に申告を依頼することも検討しつつ、税理士に相談してみるとよいでしょう。

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相続税申告を自分でするデメリット

相続税の申告は約9割の人が税理士に依頼しており、申告を自分でおこなう場合には、次のようなデメリットやリスクがあることにご注意ください。

  • 必要書類の収集や申告書の作成、税額の計算に多大な手間がかかる
  • 相続税の計算を高く誤り、不必要に高い税額を納付してしまう
  • 相続税の計算を低く誤り、税務調査の対応に追われ、延滞税や過少申告加算税が余計にかかってしまう

忙しい人や、遺産の額が大きい人、遺産に土地が含まれる人(土地の評価方法は複雑で場合によっては大きく評価額(延いては相続税額)が変ってくるため)等は、相続税に強い税理士に相談することをお勧めします。

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まとめ

以上、相続税申告書について説明しました。

無理をせず、税理士を上手に活用して、相続税で損をしないように工夫しましょう。

相続問題でお悩みの方は
まずは弁護士にご相談ください

この記事を書いた人

株式会社鎌倉新書 いい相続

相続専門のポータルサイト「いい相続」は、相続でお悩みの方に、全国の税理士・行政書士など相続に強い、経験豊富な専門家をお引き合わせするサービスです。
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