弁護士監修記事

子供がいる人が亡くなった場合の遺産相続の全知識を徹底解説

子供がいる人が亡くなった場合、誰が遺産を相続できるのか、順を追って説明します。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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遺言がある場合は、遺言によって指定された人が取得できる

遺言がある場合は遺言によって指定された人が遺産を取得できます。

遺言がない場合は民法の定めに従って相続人が決まる

遺言がない場合は民法の定めに従って相続人が決まります。

なお、遺言がある場合でも、すべての財産について取得する人が指定されていない場合は、指定されていない財産については、遺言がない場合と同様に、民法の定めに従って相続人が決まります。

子供は必ず相続人になれる

民法の規定では、子供は必ず相続人になれることになっています。

亡くなった人の配偶者も存命の場合は、子供と配偶者が相続人になります。

誰がどの遺産を相続するか、どうやって決める?

相続人が一人の場合は問題にならない

相続人が一人しかいない場合は、その人がすべての遺産を相続できます。

相続人が複数いる場合は遺産分割協議で決める

相続人が複数いる場合は、相続人間の遺産分割協議によって、誰がどの遺産を相続するかを決めます。

相続人全員が同意するまで遺産分割協議は成立しません(多数決ではありません)。

相続人全員が同意すれば、例えば一人がすべての遺産を相続するといった偏った内容でも問題ありません。

なお、相続人の中に未成年者がいる場合、未成年者は、遺産分割協議書に同意することはできず、未成年者の代わりに法定代理人(親権者)が同意しなければなりませんが、未成年者の法定代理人が共同相続人の場合は、法定代理人ではなく、特別代理人の同意が必要です。

特別代理人の選任は、家庭裁判所に遺産分割協議書案を添付して申立てしなければなりませんが、未成年者に不利な内容の遺産分割協議書案は通常は認められません(特別代理人について詳しくは「特別代理人とは?未成年の我が子と共同相続の場合の遺産分割協議書案」参照)。

法定相続分とは?

しかしながら、偏った内容に全員が同意することは稀であり、通常は、民法で定められた法定相続分に従って分割することになります。

法定相続分は、子供だけの場合は、子供の数で等分します。

配偶者と子供の場合は、配偶者が2分の1、子供が2分の1で、子供が複数いる場合は、その中で按分します。

例えば、相続人が配偶者と子2人の場合、配偶者が2分の1となり、子供2人が残りの2分の1の相続分を按分するので、(1/2)×(1/2)=1/4で、4分の1ずつとなります。

遺産額が4000万円とすると、配偶者が2000万円、子供が1人につき1000万円ずつとなります。

財産の評価

なお、財産の種類は、現金や預貯金等のように金額が分かりやすいものばかりではありません。

不動産のように、実際に売りに出してみなければ金額が分からないものもあります。

各財産の金額は、相続人間の全員の同意があれば、どのように評価しても構いません。

しかし、その財産を取得する人にとっては低く評価した方が有利になり、それ以外の人にとっては高く評価した方が有利になるため、評価額が折り合わないことがあります。

そのような場合は、最終的には鑑定を依頼することが考えられますが鑑定費用がかかるので、不動産なら、固定資産税評価額を基準に時価を推計する方法で合意形成を試みることが考えられます。

土地の固定資産税評価額は時価の約7建物の固定資産税評価額は時価の約6になっているので、それぞれ0.70.6で割り戻すことによって、およその時価を推計することができます。

固定資産税評価額は、課税明細書の課税標準額の欄に記載されています。

寄与分と特別受益

遺産分割協議時に寄与分や特別受益についての主張がなされることがあります。

寄与分とは、被相続人の生前に、相続人が、被相続人の財産の増加や維持に寄与した程度のことです。

寄与分がある相続人は、他の相続人に比べて、その分多くの財産を相続することができます。

寄与分については詳しくは、「寄与分の正当な評価を受けて寄与分を当然に得るための最重要知識9選」をご参照ください。

特別受益とは、相続人が複数いる場合に、一部の相続人が、被相続人からの遺贈や贈与などによって特別に受けた利益のことです。

特別受益を受けた相続人がいる場合は、遺産分割における当該相続人の取得分を、特別受益を受けた価額に応じて減らす必要があるので、特別受益の価額を相続財産の価額に加えて相続分を算定し、その相続分から特別受益の価額を控除して特別受益者の相続分が算定されます。

特別受益について詳しくは、「特別受益とは?特別受益によって相続分を減らされないための全知識」をご参照ください。

なお、寄与分や特別受益の存在や金額について争いがある場合は、寄与分や特別受益を主張する方が立証しなければなりません。

遺産分割の方法は主に3つある

遺産の分割方法には、次の3つがあります。

  • 現物分割
  • 換価分割
  • 代償分割

なお、共有のままで構わない遺産については、分割の対象から外しても構いません。

以下、それぞれについて説明します。

現物分割

現物分割とは、遺産を現物のまま分割する方法のことです。

例えば、相続人がAB2人で、相続分は2分の1ずつであったとします。

遺産は、現金1000万円と、土地1筆(時価1000万円)、自動車1台(時価100万円)であるとします。

このような場合に、土地を半分に分筆(1筆の土地を分けること。土地は1筆、2筆と数えます。)し、次のように遺産分割した場合、このような分割のことを現物分割といいます。

  • Aが相続する財産
    • 現金450万円
    • 分筆後の土地(時価500万円)
    • 自動車(時価100万円)
  • Bが相続する財産
    • 現金550万円
    • 分筆後の土地(時価500万円)

また、分筆しなくても、次のような分け方も現物分割に含まれます。

  • Aが相続する財産
    • 現金50万円
    • 土地(時価1000万円)
  • Bが相続する財産
    • 現金950万円
    • 自動車(時価100万円)

換価分割

換価分割とは、遺産を売って、お金に換えて、そのお金を分ける分割方法のことです。

例えば、先ほどの例でいうと、土地と自動車とをそれぞれ1000万円と100万円で売ると、元からあった現金1000万円と併せて、現金2100万円になります。

これをABとで1050万円ずつ相続します。

これが換価分割です。

土地だけを換価分割して、自動車は現物分割するということも可能です。

換価分割について詳しくは「換価分割にかかる税金と換価分割の長所・短所、代償分割との比較」をご参照ください。

代償分割

代償分割とは、現物分割によると、法定相続分どおりにうまく分割できない場合等に、法定相続分よりも多く相続する人から、少なく相続する人に対して、法定相続分との差額分を代償する分割方式のことです。

例えば先ほどの例で、次のように現物分割を行ったとします。

  • Aが相続する財産(合計1100万円)
    • 土地(時価1000万円)
    • 自動車(時価100万円)
  • Bが相続する財産
    • 現金1000万円

法定相続分どおりであれば、1050万円ずつであるため、このままでは、Aが法定相続分よりも50万円多く相続し、Bが法定相続分よりも50万円少なく相続することになります。

そこで、Aの自己資産からBに対して50万円を代償することで、バランスをとるのが代償分割です。

代償分割について詳しくは「代償分割により相続税を節税して贈与税も課税されないようにする方法」をご参照ください。

協議が調わない場合は調停や審判で決める

遺産分割協議が調わない場合、家庭裁判所における遺産分割調停や遺産分割審判によって、遺産分割方法を決めることが考えられます。

遺産分割調停とは、家庭裁判所の調停委員会(裁判官1名と調停委員2名で構成)が、各当事者から事情や希望する分割方法を聴いたり、提出された資料を確認したり、遺産を鑑定したりしたうえで、当事者である相続人に対して解決のための助言や説得をしたり、時には法律の枠組みにかなった解決案を提示したりすることによって、相続人間の合意を目指して話合いを進める手続きです。

調停は、白黒をはっきりさせるものではありません。

このため、相続人間で合意に至らない場合は、調停が不成立になることもあります。

調停が不成立になると、自動的に審判手続が開始されます。

審判手続では、当事者の主張や資料を踏まえ、裁判所の判断で結論が下されます。

なお、遺産分割調停を経ずに始めから遺産分割審判を申立てることも可能です。

しかし、裁判所が調停で合意に至る余地があると判断すれば、結局、調停に付されることになります。

また、遺産分割協議や遺産分割調停では、相続人が合意すれば、法定相続分とは異なる相続分に基づいて遺産分割をすることができますが、遺産分割審判では、基本的には、法定相続分に基づいた遺産分割がなされます。

なお、調停・審判は、傍聴人はおらず、非公開で行われます。

遺産分割調停について詳しくは「遺産分割調停前に知っておくべき調停を有利に進める方法と調停の流れ」を、遺産分割審判について詳しくは「遺産分割審判の流れと審判を有利に進めるために極めて重要なポイント」を、それぞれご参照ください。

他の相続人へ多額の生前贈与や遺贈があった場合は遺留分侵害額を請求できる

配偶者や子供等の一定の相続人は、遺留分といって、取得することが法律上保障されている最低限の取り分をもっています。

遺産総額に対する遺留分は、相続人が配偶者と子供の場合は、配偶者も子供も4分の1ずつですが、子供が複数いる場合は、子供の中で均等割りします。

例えば、配偶者、長男、二男の3人が相続人の場合の遺留分は、配偶者が4分の1、長男と次男が8分の1ずつとなります。

したがって、例えば、遺産総額が8000万円の場合は、配偶者が2000万円、長男と二男が1000万円ずつの遺留分をもっていることになります。

その場合に、長男が全財産を相続する旨の遺言があると、配偶者と二男の遺留分を侵害することになり、配偶者と二男は、長男に対して、それぞれ、2000万円と1000万円を請求することができます。

なお、相続人が子供だけの場合の遺留分は、2分の1の均等割りです。

例えば、子供二人が相続人の場合の遺留分は4分の1ずつ、子供三人が相続人の場合は6分の1ずつになります。

遺留分について詳しくは「遺留分侵害額請求権とは。遺留分減殺請求権との違いは?」をご参照ください。

債務超過の場合は相続放棄すべき

相続の対象となる財産は、プラスの財産だけではありません。

被相続人に借金等のマイナスの財産があれば、マイナスの財産も一緒に相続することになります(プラスの財産だけ相続するということはできません)。

プラスの財産よりもマイナスの財産の方が大きい場合に相続すると損してしまいますが、そのような場合には相続放棄をすることによって、プラスの財産もマイナスの財産も相続しなくなります。

相続放棄は家庭裁判所での手続きが必要です。詳しくは「相続放棄手続きを自分で簡単に済ませて費用を節約するための全知識」をご参照ください。

相続税

子供にかかる相続税の計算方法と早見表を紹介!効果的な相続税対策も」をご参照ください。

相続した遺産の名義変更の手続きの方法は?

主な遺産の種類には、次のようなものがあります。

それぞれの名義変更の手続きの方法については、上のリンク先の記事をご参照ください。

まとめ

以上、子供がいる人が亡くなった場合の遺産相続について説明しました。

遺産分割に関する相談は弁護士にしましょう。

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相続手続きに関する相談は司法書士にしましょう。

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相続税に関する相談は税理士にしましょう。

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