弁護士監修記事

独身の兄の遺産は誰が相続する?

独身の兄が亡くなった場合、遺産は誰が相続するのでしょうか?

また、相続放棄をした場合は、どうなるのでしょうか?

この記事では、独身の兄が亡くなった場合の相続についての重要知識をわかりやすく説明します。

是非、参考にしてください。

[ご注意]
記事は、執筆日時点における法令等に基づき解説されています。
執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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遺言書がある場合は遺言内容に従う

遺産を誰が取得するかが指定されている有効な遺言書がある場合は、基本的には、その遺言内容に従うことになります。

遺言には、自筆証書遺言秘密証書遺言公正証書遺言3つの方式があります。

自筆証書遺言及び秘密証書遺言の場合、遺言書原本は、遺言者や遺言執行者、遺言者から遺言書の保管を委任された人等によって保管されます2020710日以降は、法務局で自筆証書遺言を保管してもらうことができるようになります)。

遺言書が保管されていそうな場所を入念に探しましょう。

遺言書が専門家等に預けられている場合は、相続人が遺言者から生前にその旨を聞かされていれば、相続人から保管者に連絡します。

聞かされていない場合は、保管者からの連絡があるまで、相続人は遺言書の存在を知る方法がありません。

その場合は保管者が、保管料の入金がないことや定期連絡がないこと等によって遺言者の死亡を知り、相続人に連絡することになります。

遺言書は、本来は、銀行の貸金庫には保管しない方がよいのですが、遺言者がそのことを知らずに貸金庫に保管していることがあります。

相続人が貸金庫を開けるには、金融機関の所定の用紙に、相続人全員が実印を押印し、印鑑登録証明書を添付しなければなりません。

なお、見つかった遺言書に封がされている場合、勝手に開封してはいけません。

検認前に開封すると5万円以下の過料(行政罰)を科されることがあります(検認については「遺言書の検認とは。遺言書を探しだす前に知っておくべき検認の全知識」を参照)。

公正証書遺言の場合、遺言書原本は公証役場で保管され、遺言者には遺言書の正本と謄本が交付されます。

なお、公証役場での遺言書の保管の有無については、遺言者の死後、公証役場で検索してもらうことができます。

独身でも認知した子供がいる場合は子供が相続する

独身でも子供がいる場合があります。

認知した子供がいる場合は、子供が相続人となります。

亡くなった兄に認知した子供がいるかどうかは、兄の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得して確認すれば分かります。

戸籍謄本の取得方法については「相続に必要な戸籍謄本を自分で簡単に収集するための重要なポイント」をご参照ください。

生前に認知済みの子がいなくても、遺言で認知をすることもできますし、また、死後3年以内であれば認知の訴えを提起することができ、これが認められると、生まれたときから親子関係があったことになります。

つまり、相続手続きがすべて済んだ後に死後認知がされた場合は、認知された子が相続人となり、相続手続きをやり直すことになります。

また、兄によって認知された子Aが兄よりも先に亡くなっていて、Aに子B(つまり亡くなった兄の孫)がいる場合、BAの代襲者として亡くなった兄の相続人となります。

Aが、欠格または廃除によって相続権を失った場合も同様です。

子供がいない場合は、直系尊属が相続する

子供及びその代襲者がいない場合は、直系尊属(父母や祖父母のように直通する系統の親族で前の世代の人)がいれば、直系尊属が相続人になります。

親等の異なる直系尊属がいる場合は、親等が小さい人だけが相続人となります。

親等とは、親戚関係の法的な遠近を表す単位のことです(詳しくは「親等とは?誰でもわかる親等の簡単な数え方と一目瞭然の親等一覧図」参照)。

父母は一親等で、祖父母は二親等なので、父母と祖父母が健在の場合は、父母だけが相続人になります。

子供も直系尊属もいない場合は、兄弟姉妹が相続する

子供及びその代襲者も、直系尊属もいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が複数いる場合は、遺産を均等に分けることになります。

また、兄弟姉妹が死亡、欠格または廃除によって相続権を失った場合には、兄弟姉妹の子が代襲して相続人になります(欠格については「相続欠格とは?相続欠格事由とは?判例に基づいてわかりやすく説明」を、廃除については「相続廃除の意味とは?排除は誤字!推定相続人の廃除で遺留分をなくす」をそれぞれ参照)。

代襲相続人が複数いる場合は、被代襲者の相続分を代襲相続人で按分します。

例えば、亡くなった兄の兄弟姉妹が、あなたのほかにもう一人(仮に姉とします)いたとします。

そして、姉は、兄よりも先に亡くなっていたとします。

姉には、息子(亡くなった兄からみると甥)と娘(亡くなった兄からみると姪)がいたとします。

仮に姉が存命であれば、あなたと姉の相続分は2分の1ずつになります。

しかし、姉は亡くなっているので、姉の子2人(甥姪)が、姉の相続分を均等に取得します。

つまり、あなたの相続分が2分の1、甥姪の相続分がそれぞれ4分の1ずつとなります。

相続放棄した場合はどうなる?

亡くなった独身の兄に、認知した子供も直系尊属もいない場合は、前述のとおり、あなたを含めた兄弟姉妹(及びその代襲者)が相続人となりますが、兄弟姉妹(及びその代襲者)が全員相続放棄をすると、相続人が誰もいなくなってしまいます(相続放棄については「財産放棄と相続放棄の違いを理解して財産放棄で損しないための全知識」参照)。

その場合は、次の優先順で遺産を取得します。

  1. 債権者
  2. 受遺者(遺言によって財産をもらい受ける人)
  3. 特別縁故者
  4. 遺産の共有者 ※共有している遺産のみ対象

特別縁故者とは、次のいずれかに当てはまる人のことをいいます。

  • 被相続人(亡くなった人)と生計を同じくしていた者
  • 被相続人の療養看護に努めた者
  • その他被相続人と特別の縁故があった者

特別縁故者について詳しくは「特別縁故者として財産分与を受けるために絶対に知っておくべき9のこと」をご参照ください。

なお、相続人全員が相続放棄をした場合の手続きの流れは、次のように進められます(なお、元から相続人がいない場合も同様です)。

  1. 利害関係人等が家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てます。
  2. 家庭裁判所が必要があると判断したときは相続財産管理人が選任されます。
  3. 家庭裁判所が相続財産管理人が選任されたことを知らせるために公告を行います。
  4. 2か月後、相続財産管理人が相続債権者と受遺者に対して請求を申し出るべき旨を2か月以上の期間を定めて官報に公告します。
  5. さらに上記の公告期間経過後、家庭裁判所は、財産管理人の申立てによって、相続人を探すために、6か月以上の期間を定めて公告を行います。
  6. 期間満了までに相続人が現れなければ、相続人がいないことが確定します。
    ※通常は、申立て前に既に相続人調査を行い、相続人がいないことを確認したうえで、申立てを行っているでしょうから、この期間に相続人が現れることは、ほとんどありません。
  7. 特別縁故者がいる場合は、特別縁故者は、相続人を探すための公告期間満了後3か月以内に、財産分与の申立てを行います。
  8. 必要に応じて、相続財産管理人は、家庭裁判所の許可を得て、相続財産を換価します。
  9. 相続財産管理人は、債権者や受遺者への支払いをしたり、特別縁故者に相続財産を分与するための手続きを行います。
  10. 財産が残った場合は、残余財産を国庫に返納します。

なお、相続放棄をしたからといって直ちに相続財産の管理義務を免れるわけではありません。

次順位の相続人が管理を始めることができるまでは、その財産の管理を継続しなければならないのです。

兄弟姉妹には、次順位の相続人はいないので、その場合は、相続財産管理人が選任され、相続財産管理人が相続財産の管理を始めたら、相続人による相続財産の管理義務がなくなります。

相続財産管理人について詳しくは「相続財産管理人を選任すべきケースほか相続財産管理人に関する全知識」をご参照ください。

独身の兄の遺産を相続した場合の相続税は2割加算

相続や遺贈(遺言によって財産を与えること)などによって財産を取得した人が、被相続人の1親等の血族(代襲相続人を含む)と配偶者以外の人の場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。

兄弟姉妹は、2親等なので、2割加算の対象となります。

まとめ

以上、独身の兄の相続について説明しました。

遺産相続について、不明な点は、弁護士に相談するとよいでしょう。

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相続税については、税理士に相談するとよいでしょう。

『遺産相続ガイド』のオススメ【税理士】はコチラ >>

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